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【読書記録】実務でつかむ!ティール組織

今回の読書記録は、2018年8月に出版された『実務でつかむ! ティール組織 "成果も人も大切にする"次世代型組織へのアプローチ』です。

本書の著者である吉原史郎さんは、私が所属していた特定非営利活動法人場とつながりラボhome's viとも関わりの深い人物です。

2016年9月19日~23日に開催された『NEXT-STAGE WORLD: AN INTERNATIONAL GATHERING OF ORGANIZATION RE-INVENTORS』。

ギリシャのロードス島で開催されたこの国際カンファレンスは、Frederic Lalouxの『Reinventing Organizations』にインスピレーションを受け、新しいパラダイムの働き方、社会へ向かうために世界中の実践者が学びを共有し、組織の旅路をサポートしあい、ネットワーク構築を促進することができる場として催されました。

いち早く日本人として参加していた嘉村賢州吉原史郎といった実践者たちは、この海外カンファレンスの報告会を2016年10月19日に京都、10月24日、25日に東京にて開催し、組織運営に関する新たな世界観である『Teal組織』について紹介しました。

※日本における『ティール組織』出版は2018年1月24日です。

これ以降、当時私が参加していた特定非営利活動法人場とつながりラボhome's viはティール組織探求を始め、同年2016年11月以降、『Reinventing Organizations』の英語原著を読み解く会も始まりました。

2016年12月の「reinventing organizations」読み解き会

その後も、私は時に吉原さんとご一緒しつつ、「ティール組織(Reinventing Organizations)」の考え方をはじめとする組織経営の手法・考え方を企業、団体、学校を対象にお伝えする機会も増えてきています。

しかし、依然として「ティール組織」とはどういったものなのか?具体的に何から始めれば良いのか?という疑問を抱えながら、より良い組織作りをめざす人も少なくないようです。

本書は、そういった疑問や懸念に「プレティール組織」と「目的俯瞰図」という独自の切り口を示すことで、"成果も人も大切にする"組織へのアプローチを提案してくれています。

ティール組織」とは、人類誕生以来生まれ続けてきた組織形態の中で、現在、世界で最も新しく生まれつつある組織形態と位置付けられています。

しかし、いざ、理想的とすら評される「ティール組織」の形態に移行しようと考えても、その移行のプロセス暗黙知の領域に押し込められ、具体的に試せるものは限られていました。

実践事例として組織内の情報の透明化等も挙げられていますが、では、それを実際にどうすれば実現できるのか、と。

それもそのはずで、「ティール組織」的な要素を持ち合わせている企業として紹介されている組織のほとんどは「結果として」そう呼ばれうる形態に独自に進化してきたに過ぎなかったためです。

本書の著者である吉原史郎さんは、その暗黙知の領域にあった「ティール組織への移行プロセス」そのものを取り上げ、「プレティール組織」という「ティール組織」に向かうための"土台作り"の段階を仮説として準備し、また、その実践方法として『ホラクラシー(Holacracy)』という組織運営法を紹介してくれています。

『ティール組織』出版の2018年1月以前、2017年6月の段階から、当時私が所属していたはhome's viもまた、ティール・パラダイム的な運営へシフトするため、日本人初のホラクラシー認定コーチである吉原史郎さんに参加してもらうことで進めていきましたホラクラシー(Holarcacy)の導入を行うこととなりました。

ホラクラシー(Holarcacy)については、以下の記事もご覧ください。

そして、従来型の組織において暗黙知であった「組織の目的≒経営者の頭の中」を「目的俯瞰図」という地図へと落とし込み、その地図を元に組織に参加する皆が「目的にアクセスする」道筋を提案しています。

仕事上のやらされ感から脱却するためには、自分自身が目的とつながること=自分自身も組織に参加しているという主体的な態度となることが必要になります。その上で、本書の2つの独自の切り口は、まさしく組織が生まれ変わっていくための勘所と言えるでしょう。

上記を踏まえた上で、本書に紹介されている日本企業の事例や、振り返って自分の企業、組織を眺めてみたとき、"成果も人も大切にする"組織へのアプローチについてまた少し変わった景色が見えてくるかもしれません。


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