わたしが京都に引っ越したのは、2022年の春のこと。 梅の花が咲き始める頃、北野天満宮のすぐ近くのシェアハウスを見学し、1ヶ月後には住み始めた。 京都はこじんま…
京都市内を散歩したり、自転車で走り回っている時、ついつい目で追ってしまうものがある。 臙脂色の車体に、クローバーのマークが目印の、ヤサカタクシーである。 行灯と後…
喫茶店がすきだ。 煙草と珈琲の匂いが、壁やソファや床にまで染み付いているような、正しい喫茶店がすきだ。 馴染みのおじさんが、ひとりで珈琲を啜りながら、スポーツ新聞…
春が終わった たった30分間の嵐が稲光と共にやって来て 甘い白昼夢のような春を連れ去ってしまった わたしはあまりに幸せで この幸せがずっと続くようにと祈る。 そし…
村上春樹の小説をはじめて読んだのは、中学2年生の時だったと思う。同じクラスの友達が、ノルウェイの森を貸してくれたのだ。 小学生の頃から、読書はまあ好きな方だった…
月見バーガーが食べたい。 今年こそは食べたい。 そう思い立った9月の終わり、自転車で最寄りのマクドナルドまで走った。 秋晴れの空の下、爽やかな風を感じながら、自…
bonami
2023年3月14日 00:04
わたしが京都に引っ越したのは、2022年の春のこと。梅の花が咲き始める頃、北野天満宮のすぐ近くのシェアハウスを見学し、1ヶ月後には住み始めた。京都はこじんまりとした街なので、自転車に乗って、市内どこでも行くことができる。知らない道を走るのは楽しい。20分もあれば、鴨川まで行けるのが嬉しくて、気になるカフェやパン屋さんを横目に見つつ、自転車を漕ぎまくる日々。行きも帰りも決まって通るのが
2023年2月27日 20:35
京都市内を散歩したり、自転車で走り回っている時、ついつい目で追ってしまうものがある。臙脂色の車体に、クローバーのマークが目印の、ヤサカタクシーである。行灯と後部ドアに三つ葉のクローバーが描かれた、なんとも可愛いヤサカタクシー。京都市内いたるところで走っている、ありふれたタクシーなのだけれど、出会った時に必ず目で追ってしまうようになったのは、幸運の四つ葉タクシーなるものの存在を知った時から。
2023年2月20日 21:22
喫茶店がすきだ。煙草と珈琲の匂いが、壁やソファや床にまで染み付いているような、正しい喫茶店がすきだ。馴染みのおじさんが、ひとりで珈琲を啜りながら、スポーツ新聞を広げているような、渋い喫茶店がすきだ。雨の日も晴れの日もなんだか薄暗くて、開店した時から時間が止まっているような、古い喫茶店がすきだ。京都三条にある「六曜社」も、そんな老舗喫茶店のひとつ。ときどき、あの懐かしい空間に浸りたくなっ
2022年5月23日 01:20
春が終わったたった30分間の嵐が稲光と共にやって来て甘い白昼夢のような春を連れ去ってしまったわたしはあまりに幸せでこの幸せがずっと続くようにと祈る。そしてそれは叶うと根拠もなく信じている。それと同時にその裏側で雨に打たれている人をおもう。わたしが雨に濡れずに家に帰り温かいおうどんを食べて湯船に浸かっている間冷たい雨に濡れて震えている人をおもう。雷に向かって自転車を
2020年10月14日 13:54
村上春樹の小説をはじめて読んだのは、中学2年生の時だったと思う。同じクラスの友達が、ノルウェイの森を貸してくれたのだ。小学生の頃から、読書はまあ好きな方だったので、年相応の本をいろいろと読んでいたような気がする。続きが気になりすぎて、机の下に隠しながら授業中も読むくらいには、読書が好きな少女だった。あのちょっとしたスリル、今となってはもう味わえないな。先生にはバレてたかもしれないけれど。中
2020年9月28日 18:25
月見バーガーが食べたい。今年こそは食べたい。そう思い立った9月の終わり、自転車で最寄りのマクドナルドまで走った。秋晴れの空の下、爽やかな風を感じながら、自転車を漕ぐのはなかなか気分がいい。しかも憧れの月見バーガーを買いに行くのだ。気分がよくないはずがない。マクドナルドが月見バーガーをいつ発売したかなんて知らないし、わたしが月見バーガーの存在をどうやって認識したのかなんて覚えてい