記事一覧
【にほんご日誌(23/4/8)】小学生の日本語指導、始めます。
4月、高校の日本語指導いまだ始まらず
noteの投稿を1年ぶりに再開し、バタバタと5回連投したところまではよかったのだけれど、3月9日以来更新する余裕がないまま、またもや1カ月近くが経ってしまった。
その1カ月間の3月半ば、高校の放課後日本語クラスは終了した。そして先日の始業式で、1年生だった私の生徒たちは2年生に進級したはずだ。
「はずだ」というのは、この4月からの新年度、日本語指導員とし
【にほんご日誌(23/3/9)】日本語教師が知らない「生活者のための」日本語
オンラインで日本語の個人レッスンをしている。
そのひとりに、Mさんという中国人の女性がいる。東京近郊に住み日本の企業で仕事をしているMさんは、この4月から関西に転居し、大学院に通うことになっている。
現在は彼氏と同居中だが、当面はひとり暮らしをし、彼が転居してくるのを待つ予定だという。
Mさんは日本で初めての引っ越しを控えて、とてもワクワクしている。その気持ちはこちらにも伝わるので、私もレッ
【にほんご日誌(23/3/8)】出会ってくれて、ありがとう
先日、一枚の写真が届いた。
写っているのは放課後日本語クラスで担当した生徒たち。卒業式の後、高校の教室で仲間たちと撮った記念写真だ。
ブック型の卒業証書を手にした誇らしげな顔。久しぶりに見る顔は2年前よりも少しおとなびて、私の手の届かないところで笑っていた。
2年前、私は初めて海外につながるその生徒たちに出会い、放課後日本語クラスでいっしょに日本語を勉強した。
どのような内容の日本語指導を
【にほんご日誌(23/3/3)】声を聴くための作文
日本に高度人材を呼び寄せるために、英語のみで講義を受け卒論を書く、留学生のための英語コースを設けている日本の大学院は、どのくらいあるのだろう?
Fさんはそんな英語コースを卒業したひとりだ。卒業後は母国に戻らず、日本で外資系企業に就職した。
在学中は日本語が全く必要ではなかったために、日本語の力がおぼつかない。それがFさんと個人レッスンを始めた理由だった。
「日本語で書くことができない」という
【にほんご日誌(23/3/1)】学ぶ言葉に上下はないのだ
今日のレッスンでは、たまたま日常生活で使う言葉について考える機会があった。
最初のMさんとのレッスンでは、Mさんの希望で調理器具の日本語の読み方と、使うシーンについて話した。
Mさんはこの4月から、関西にある大学院で社会学を学ぶことになっている。中国の大学を卒業後、日本の企業に就職し、千葉県に住んで仕事を続けている女性だ。
Mさんは「自分の部屋を大切にしたいので」と言って、Skypeの画面越
【にほんご日誌(23/2/28)】やはり書いて、進みたい!
昨年夏、公立高校の放課後日本語クラスが始まったのとほぼ同時に、私はプラットフォーム(以下、PF)に登録し、オンラインで日本語の個人レッスンを始めることになった。
夏は初めての仕事に無我夢中で取り組んだ。予約をしてくれる学習者はじつに多様で、日本語のレベルも学ぶ目的も日本語を話す環境もまったく異なる。
一人ひとりの学習者のためにどのようなレッスンをすればその人にとって役に立ち、自信をもってもらえ
【にほんご日誌①】JSL高校生といっしょに夢を見たい
こんにちは。公立高校で日本語指導員をしている、くすのきと申します。
前回まで「放課後日本語クラスから」というシリーズタイトルで、日本語指導が必要な高校生との交流を書いてきました。
「にほんご日誌」でも引き続き日本語指導の現場で見聞きしたことを記録していくつもりですが、もう少し幅広く、そしてもう少し軽く「日本語」にまつわる世界について書ければと考えています。
2カ月半ぶりの投稿になりますが、前
【放課後日本語クラスから⑰】私が見てきた「日本語指導員」という仕事
昨年度、公立高校の放課後補習クラスで、海外につながる高校生たちの日本語指導員をつとめていた、くすのきと申します。
上の表現、この投稿の書き手の立ち位置としては少々中途半端ですが、このどっちつかずの宙ぶらりんな感じが、いままさに私の立っている場所です。
今年度、私が日本語指導員の仕事を続けられるかは、5月を目前に控えたいまでも未定のままです。
昨年度まで、私たち指導員は年度ごとに高校と契約を交
【放課後日本語クラスから⑯】さよなら、私の大切な生徒たち
こんにちは。公立高校の日本語指導クラスで、日本語指導員をしている、くすのきと申します。
先日、ついに2021年度の放課後クラスが終わってしまいました。
そう。「終わってしまった」というのが、今の私の正直な気持ちです。
とにもかくにも適当に投げ出したりせずに、一歩ずつ自分なりに考えを進めながら取り組むことができた(万全ではなくても……)という納得感。
どんどん削減される時間数のなかで、いったい
【放課後日本語クラスから⑮】光ある場所へ歩め
こんにちは。公立高校の放課後補習クラスで日本語指導員をしている、くすのきと申します。
前回の投稿から、早くも1カ月近くが経ってしまいました。
しかしその間、放課後クラスを行ったのはわずか1回。
読んでくださっている方の中には、「また~? 年がら年中お休みなんだね!」と、呆れている方もいらっしゃるのではないかと思います。
そうなんです。緊急事態宣言、まん延防止等重点措置などのコロナ禍にある今年
【放課後日本語クラスから⑭】砂漠に一滴の水を
こんにちは。公立高校の放課後補習クラスで日本語指導員をしている、くすのきと申します。
まん防重点措置は解除されていませんが、学校は時短時程による対面授業に移行し放課後クラスも再開されることになりました。
このコロナ禍、昨年9月以降、予定の日数の約半分が消化されないまま、すでに3学期も2月に入ってしまいました。
生徒たちの様子を観察し、できるだけきめ細かく授業プランを軌道修をしながら進めてきた
【放課後日本語クラスから⑬】未来を生きるために私たちはここにいる
こんにちは。公立高校の日本語指導クラスで日本語指導員をしている、くすのきと申します。
まん延防止重点措置のためにクラスがお休みとなり、急にポッカリと空いてしまった予定。前回の記事で書いた授業プランも、実践できないままになっています。
前回記事については、以下をお読みいただければ幸いです。
本当は実践をして、生徒がどのような受け止め方をしたのか、また私自身にとっても、失敗も含めてどのような学び
【放課後日本語クラスから⑫】「キミはもっとできるよ!」と伝えたい
こんにちは。
公立高校の放課後日本語クラスで日本語指導員をしている、くすのきと申します。
年が明けて2週めから、日本語指導クラスがスタートしました。
3週間ぶりのクラス。新学期が始まったばかりの生徒たちは、まだまだエンジンがかかっていないと思われましたが、私はやる気満々で初日を迎えました。
高校の3学期はとても短いです。
3年生の卒業式。4月に迎える1年生の入学試験。在校生の最後の定期試験
【放課後日本語クラスから⑪】「『生徒に本当に必要なこと』ってなんだろう…」と考えてしまった新年の話
あけましておめでとうございます。
公立高校の日本語補習クラスで日本語指導員をしている、くすのきと申します。
昨年9月から書き始めたこの連載ですが、お読みいただいた方から励ましや共感の声をいただけたおかげで、年が明けても書き続けるモチベーションを維持しております(笑)。拙い投稿にお付き合いいただいた皆様、本当にありがとうございます。
2022年も、引き続きお読みいただければ幸いです。
さて、
【放課後日本語クラスから⑩】noteを書くことでもらった3つの贈り物
こんにちは。公立高校で日本語補習クラスの指導員をしている、くすのきと申します。
タイトルにもありますように、この投稿では私と海外ルーツの高校生との日々の交流や授業の様子を描いています。今回は少し趣向を変えて、noteを書くことで私がどのような気づきを得ることができたのか、振り返ってみたいと思います。
情報がほしくて始めた
情報のアウトプット何度か触れたことがありますが、私が投稿を始めたのは日本
【放課後日本語クラスから⑨】学びの糸がほころぶ前に
こんにちは。公立高校で日本語補習クラスの指導員をしている、くすのきと申します。
この投稿では、私と海外ルーツの高校生との日々の交流や授業の様子を描いています。日本語教師の方、日本語教育や海外につながる子どもたちへの支援に関心を寄せる方々に、JSL(*)高校生の素顔の一端をお伝えできれば幸いです。
*JSL:第二言語としての日本語。Japanese as a Second Languageの略。