勉強に対してやる気がない子ども......どうやってやる気を引き出せば良い?
「子どもが勉強に対してやる気がありません。
どうやってやる気を引き出せば良いですか」
というご質問をいただいたので,
お答えしたいと思います。
①子ども自身で目標を持つ
大前提として,子ども自身で
目標を持つことが大事です。
大人でも,会社から「英語を勉強しなさい」と
言われて嫌々勉強するより,
「こんな仕事がしたい!
そのために英語ができるようになりたい」
「海外旅行で英語を話したい」
「憧れの〇〇さんと英語で
コミュニケーションを取りたい」
というように,自分なりの目標があった方が
やる気が出るでしょう。
「将来,こんな仕事をしたい」
「この学校に入りたい」
「そのためには勉強しないと!」と
子ども自身で心底思えれば,
「勉強する」というアクションに繋がります。
親が口頭で「こんな仕事があるよ」
「こんな学校があるよ」と伝えるだけでなく,
子ども自身で体験することがポイントです。
例えば,実際に学校見学や学園祭に行き,
子ども自身で「すごくおもしろそう!」
「絶対この学校に入りたい!」と
心底思えたら,勉強するようになります。
私は,子ども向け職業体験プログラムにも携わっていますが,
職業体験を通して大きく変わった子を知っています。
職業体験で実際にオフィスを訪問し,
社員の方と交流し,仕事を体験してみることで,
「こんなおもしろい仕事があるんだ」
「この企業で働きたい」
「そのためには勉強しないと!」と
心底思ったようで,スイッチが入り,
その後は勉強に熱心に取り組むようになりました。
保護者の方が大卒と高卒の生涯年収の話をすると
「じゃあ大学に行った方がいいなぁ」と
納得して勉強するようになった子もいます。
スイッチが入るポイントは子どもによって違います。
「やる気スイッチ」を見つけるのは
時間がかかりますが,
子どもに色々と体験してもらったり,
必要な場面で話をしたり,
目標を持てるように働きかけましょう。
少し脱線しますが......
子どもが「将来,こんな仕事をしたい」
「この学校に入りたい」と言っているのに,
「勉強する」というアクションを
起こさないことがあります。
それは,口で言っているだけで,
その夢を叶えたいと心の底から思っていなかったり,
夢を叶えるために
どれくらいの努力が必要かを
理解できていなかったりする場合です。
「東大に入りたい!」と言いながら,
勉強しない子がいますが,
努力してまで東大に入りたいと
思っていないのでしょう。
「東大じゃなくてもいいや」
「京大でも阪大でもいいや」と
内心で思っていることがほとんどです。
あるいは,東大に入るのに
どれくらいの勉強量が必要かを
理解できていない可能性もあります。
「勉強しなくても受かるだろう!」と
甘く考えているのかもしれません。
私は絶対に東大に受かりたかったので,
合格確率を1%でも上げるために,
自分の限界まで努力しました。
夢を叶えるために,
どれくらいの努力・勉強が必要かを理解するのは,
年齢が小さいと難しい部分もあるかもしれません。
しかし,高校生でも
「東大に入りたい!」と言いつつ,
ほとんど勉強しない子もいるので,
年齢と言うよりも,精神的な成熟度や
思考の深さが関係しているように思います。
夢や目標を叶えるためには,
相応の努力・行動量が必要であることを
保護者の方からお子様にお伝えいただくのも効果的です。
②勉強の楽しさを体験してもらう
子ども自身で目標を持てるように働きかけつつ,
勉強の楽しさを味わってもらうと,
やる気を引き出すことができます。
目標がすぐに見つからなくても,
「勉強って楽しいかも!」と思えれば,
自然と机に向かうようになります。
私の教室に通ってくださる生徒さんには,
勉強嫌いでやる気がない子もいますが,
「できた!」「わかる!」という体験を積み重ねることで,
少しずつ自分から勉強するようになります。
その子が少し頑張ればできるレベルにまで,
まずは教材の難易度を落として,
「前よりできるようになった!」
「わかるようになってきた!」という
成功体験を積み重ねてもらうことが大切です。
具体的には,子ども一人で取り組んで
7~8割程度正解できる教材がおすすめです。
「周りの子がやっているから」
「これくらいできてほしいから」と言って,
子ども自身で2~3割しか解けない教材に
取り組ませるのはNGです。
難しすぎる教材に取り組ませると,
成功体験を味わいにくく,
やる気が損なわれてしまうので注意しましょう。
③「やる気」に依存しない
子ども自身で目標を持ち,
勉強の楽しさに気づいたとしても,
やる気が出ない日はあるものです。
私自身も,学生時代を振り返ると,
勉強が好きで自ら取り組んでいたわけでは
ありませんでした。
「なりたい自分になるために勉強する」
「乗り気がしなくても,やるべきことだからやる」
「後悔したくないから勉強する」という思いで,
勉強に取り組んでいました。
勉強が好きで,どんなときもワクワクして
勉強に取り組めるという子は,
本当にごく一部の秀才だと思います。
気分で勉強したりしなかったりすると,
やはり目標に到達することは
難しくなってしまいます。
気分で勉強するかどうかを決めたり,
好きな教科ばかりに取り組んだり,
感情に左右される子は,
不合格になったり浪人したりする確率が
非常に高いです。
時間を決めて「~時になったらやる!」と
習慣にしてしまうのが一番です。
乗り気がしなくても,
時間になったら5分でも良いので勉強しましょう。
お子様の年齢が小さいうちは,
保護者の方からお声掛けいただくのも効果的です。
5分取り組んでみたら,
「もうちょっとできそうかも!」と
意外とやる気が出てくるものです。
やる気は待っていても出ないので,
「5分でも良いので勉強する」という
アクションを起こすようにしましょう。
「~時になったら勉強しよう」
「ここが苦手だからやっておこう」
「今日はこの勉強をした方がいいな」と
決めることは,自分自身との約束です。
自分自身の約束を毎日守れたら,
学力がつくのはもちろん,
自信もつきます。
「自信がないんです」という相談を
受けることも多いですが,自信が持てない子は,
このような自分自身との約束を守れていません。
勉強に限らず,スポーツでも音楽でも,
どのような分野でも同じことが言えると思います。
やる気を引き出す取り組み(①・②)は必要ですが,
やる気ばかりに頼っていても
目標を達成することはできません。
「子どものやる気を引き出す方法」という
テーマからはズレるかもれしれませんが,
やる気に頼り過ぎず,
勉強を習慣にすることも大切です。
地道な努力を継続し,
やるべきことを積み上げていくことで,
成果が表れます。
そうすれば,やる気も自然と出てくるはずです。
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