マガジンのカバー画像

ほっこり系

27
あなたをほっこりさせたい文章です。
運営しているクリエイター

#ほっこり

お客さんが自然にバイト化する定食屋

お客さんが自然にバイト化する定食屋

ぼくは定食屋が好きだ。中でも、個人で経営してて、孤独のグルメに出てきそうなところが好き。

使い古された中華鍋で、年季が入ったお皿に、変わらない味の料理を盛る店がいい。なんなら、店主はおじいちゃんかおばあちゃんがいい。

そこに行けば、長い年月が自分を受け止めてくれるような店がいい。

そんなぼくにとって、忘れられない定食屋がある。

🚶‍♂️

「よさくくんがさ、絶対好きな定食屋教えてあげる」

もっとみる
いい子にしてたのでサンタさんは早く来ました

いい子にしてたのでサンタさんは早く来ました

自分はサンタさんをいつまで信じていたんだろう。わからないけど、信じていたときは「特別な何か」に守られたような幸せを感じていた気がする。

でも、自分がサンタさんになるなんて、想像もしていなかったな。

🚶‍♂️

先週の日曜日、ぼくはサンタになった。本当だよ、信じて。真っ赤な衣装に身を包み、大きな白い袋を持って、トナカイたちを引き連れていた。そして良い子がいる家庭を周り、プレゼントを届けていた。

もっとみる
青春はいつも、外側からしか観測できない

青春はいつも、外側からしか観測できない

ゲラゲラ笑いながら、自転車を二人乗りして夕暮れを駆ける高校生。

スマホに入っている、大学時代のサークルの写真。

そんなキラキラした瞬間をみて「青春だなぁ」と思う。けれども、当時は「青春してる」なんて思わなかったりする。

青春はいつも、他人や未来から見て気づくことができる。青春はいつも、「外側から観測する」ことばかりだ。

けれども、「青春」という言葉は他人事としてではなく、自分のために使いた

もっとみる
玉ねぎが収穫できる頃、お互いどこにいるんだろうね

玉ねぎが収穫できる頃、お互いどこにいるんだろうね

雲ひとつない、秋らしい青空。ひやりと肌を震わす、吹き下ろされた風。まるでふとんのように優しい、ふかふかの土。

ぼくはまた、あの畑に立っていた。

通い続けたカレー屋の店長に誘ってもらい、二度目の農業のお手伝いに来た。この間は玉ねぎの収穫をしたが、今度は苗を植える作業だ。

実は、その店長のカレー屋は先日閉店してしまった。悲しすぎて、ワクチンの副作用なんか?くらい気分が上がらない日々が続いた。けれ

もっとみる