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四年目

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2022年の詩まとめ
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2022年11月の記事一覧

ひとりでたべる

ひとりでたべる

すきな半熟ゆでたまごすら作れない日は冷房の効いた部屋でタオルケットにくるまって寝てしまいたい、そういえば、今年の夏もそうめんを食べなかったなって食器棚に並ぶガラスの器を眺めておもう、商店街の夏祭り、パックにぎゅうぎゅうに詰められたぎとぎとの焼きそばに惹かれるし、お祭りが終わる間際になるとわざとじゃんけんに負けておまけをくれるあんず飴の屋台のおじさんの笑顔がすきだし、綿飴売りのおじさんはどこでもやる

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髪切った?

タモリさんがおじいちゃんになっていた
こないだテレビのチャンネルをぽちぽちしていたらちょうどMステが放送されていた、そこでタモリさんが映ったときに、あれ?こんなにおじいちゃんだった?と、小柄なタモリさんがより小柄に見えた、世にも奇妙な物語のときはこどもの頃から見慣れているタモリさんだったはずなのに、あれは照明の暗いシーンが多いから気付かなかっただけなのか、というかMステってこんな遅い時間にやってた

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嫌いなたべもの

嫌いなたべもの

ひとの苦手な、嫌いな食べ物の話をきくことがすきだ、食感が、匂いが、味が、それにまつわるエピソード、その人自身の感性で細かく描写される、きっとそれを好きだと云うひとよりもわかりやすくて、でもちょっと的外れだったりしてかわいい、わたしよりその食べ物のことを知っている、ライバルキャラを誰よりも知り尽くしている主人公みたい
これ嫌いなんだよね、と云うと生産者に失礼!、本物を(?)食べたらきっと好きになる!

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移動する

タクシーに乗ったことがない
いや、正しくは自分の意思では乗ったことがない
記憶にあるのは幼い頃にきょうだいが体調を崩し救急車で病院に運ばれ狭い病室で数時間点滴を打たれて処置が終わった真夜中に帰宅手段がなく仕方なくタクシーに乗ったことだ、病院内を非常灯だけが照らし、ロビーの長椅子でひたすらタクシーを待っていた、あの病院はいまは移転して廃墟になっているらしい、廃墟好きとしては取り壊される前に探索してみ

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いぬ

先月末からすこしだけ生活環境が変わって、通勤の風景も変化した、職場の最寄り駅ですれ違う散歩中の犬たちの種類が圧倒的に変化した、以前はとにかくトイプードル、トイプードルしかいないのではないかと疑うくらいにおじさんもおばさんもおねえさんも元気いっぱいの小学生もみんながみんなトイプードルを散歩していた、小型犬にはあまり興味がないせいか、どのトイプーも同じに見えていた、近くに寄ってくるのもなんだか怖くて避

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11月16日(水)

あなたのことを世界でいちばん幸せにするよ、って聞こえは良いけれど、それで満たされるのはあなたを世界でいちばん幸せにすると誓いそれを実行しているあの人だね、あの人の利己心の為にあなたは幸せになれますか、他人の幸せは自分の幸せって砂糖を煮詰めたみたいな台詞、甘く感じるのはあなただけ、幸せって正義ですか、あの人は幸せそう、ひっそりと泣いていることをあの人の愛犬が知っている、願われない星たちが知っている、

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キャラメルポップコーン

愛するあの人が殺されてしまうあのシーンよりも、主人公が飼っている犬が敵対する相手に殺されてしまうシーンに泣いてしまう、犬に罪はないのに、愛するあの人にもきっと罪はないのだろうけれど、人間よりもその他が命を落とすシーンは必ず泣いてしまうこと、それはあまり理解されなくて、大勢が泣くであろうシーンは真顔で画面を見てしまう、感情の置き場がわからない、わからないけれどそれはそれなんだなと観ているから、敵を恨

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