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二年目

121
2020年の詩まとめ
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#詩のようなもの

真実は

生きたかったから死ぬんじゃありません、死にたかったから死ぬのです、ってききたかったな君の遺言、そうしたら納得できたのに

青青青

青青青

生前の体温に似合わずひんやりした墓石にあなたのすきだったお花と缶コーヒー供えます、ブラックがすきだったのにこんなに可愛らしい花がすきだなんて狡い人、枯れゆくそれさえ儚さが勝って絵になってしまうから気がついたらここに立っている、都合が良すぎるね、朽ちた花弁をあつめて掌におさめてそれとなく力を込める、容易く命が崩れて風に吹かれた、思い出してしまうよ、あなたの願いで思い出の海岸からあなたを撒いたこと、陶

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「基本いい人」じゃない人がいるなんて本気で思って生きているの
無条件の優しさは時に相手を殺すんだ
いいとかわるいとか、皮を一枚剥いでしまえば一緒だよ

ひかり

僕のために泣いてくれたとき
初めて君のこと、わかった気がしたよ
なにも教えてくれないじゃないか、その程度の間柄だったんだね、うそ、
傷つくことが、傷つけてしまうかもしれないって
全て僕の我が儘だったんだ
最期に、君のぬくもり感じながら
闇に沈ませて

しょっぱい

泣かない君をみて泣いてしまったわたしの背中を優しく撫でる君の穏やかなその表情が大嫌い、どうしたら涙を溢してくれますか、わたしはいつだって濡れる準備はできているのにその瞳はきらきらと魅了するだけ

道連れ

僕を呼ぶ君の声、いつも左側から呼ぶ君の声、左側はいつも空けていて君の体温感じてた、背後から君の声、振り返っても姿は見えず木々の影おちたアスファルトは日差しを浴びても冷たいことを知っているのは君の亡骸に触れたから、世界から消えることを望んだ君はいつもの調子で僕を呼ぶ、きっと僕を世界から退場させるためにからかっているんだね

ゆめ

この世界を夢にしたくて、目を瞑っている間のできごとを日記につけはじめた、景色や風のにおい、光と影、窓の奥で誰かが手をふっています、ふりかえそうとしたら朝日が邪魔をしてわたしは音を思いだす、何処かで火事がおこったみたい、鳴り響かないサイレンであの世界の炎は鎮火しない、今夜にはきっと失くなって、うっかり燃えて欠けてしまった地図、すべて灰になる前にわたしも一部になって紅に包まれたい

ピーナッツチョコレートを舌で丁寧に溶かしてピーナッツを噛る、小さな幸せを丁寧に感じる君はメレンゲ

雲隠れ

鯨幕にくるまって息をひそめていれば
あの頃のように君が見つけてくれると、
遺影と一度も目を合わせなかった親友の葬式

××光年

この想いが君に届く頃にはきっと僕は忘れてる、それでもこの光を綺麗だと呟く横顔は美しい

ネガティブの正当化は孤独に飢えている成功者たちへの餌でしかなくて、僕らはそれを撒いて生きた心地で地獄を生きる

あかくてつめたい

あかくてつめたい

青森の喫茶店、赤い円卓にそれを囲むベルベットのソファは沈みたいほど心地よくてあと少しで君に会えると思ったのにオーナーに肩を叩かれた
別室の畳は踏むたびに冷たくて目が覚める、僕しかいないのに他人の圧がすごくて正座した
ブラウン管テレビにリモコンをむけると全国ネットは2局だけ、NHKすら映らない知らないタレントが自然公園を案内してる、竹林に茶屋をみつけて裏口にはウサギの死体
階段くだって外にでる、竹林

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¥120

自販機でコーンスープ缶を買う、握りしめて掌に広がる温かさで冬をうけいれた

言葉には意味があって大切にしてよ、
そう云うあの子は意味を研いで剣にして、他人の言葉を刺し殺してる