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メンヘラにおすすめの「感情不要論」

今週の 週1note
3月31日まで、ということで何回か連載させてもらってきましたが、今回分を含めて残り2回。
かなり習慣的にはなってきたので、4月からはボリュームを抑えながら
「毎日更新」などやってみようかとも思っています。

今回は、感情的になりがちな人に向けたお話。

最近お気に入りの時間は、海外ドラマ「SUITS」を観る時間だったりする。2011年からはじまった同作品の、Prime Videoで公開されている最新話もシーズン7を迎えた。

一流の弁護士たちの仕事の仕方から、映画のセリフを引用しまくる日常会話、思惑通りに事を運ぶ交渉術、スーツの着こなし方まで、学ぶことの多い作品だ。

作品内では印象的な言葉もたくさんあるんだけど、女優の ジーナ・トーレスが演じるジェシカ・ピアソンの「失意の中決断するな」という言葉を今回は取り上げたい。

つまり、失恋や裏切り行為によって精神的なダメージを負ってしまっているときには感情的になってしまい、正常な判断ができないことを彼女は説いている。ポーカーフェイスでどれだけ冷静を装えたとしても、一流の彼らですら、感情的になればミスをしてしまう、ということ。そう、

人間は、不完全だ。

ギャンブルでつくった借金を自社からの借り入れで返済した罪によって逮捕され、4年間を刑務所で過ごした元大王製紙会長の井川意高の懺悔録「熔ける」を最近読んだ。

仕事・ビジネスにおいては、石橋を叩いても渡らない、と自らを揶揄するほど慎重な姿勢で取り組む彼が、プライベートのギャンブルにおいて106億円もの借金をつくり、結果的に身を滅ぼすこととなった。その一部始終が彼の言葉で綴られている。

「脅迫気質」があると精神科医から指摘を受けており、ギャンブル依存症の兆候はあったとの記述もあったが、「情緒的」に仕事に取り組む社員を批判する彼の姿勢・あり方には大いに共感しただけに、彼がこうした感情的な身の滅ぼし方に至ったことには驚いた。

決断時の感情を排除するには

井川会長のような症状が出てしまうと対策も少し変わってくると思うんだけど、日常的な話の中で、ぼくたちから「感情的」な選択を排除できれば、もう少し優しく、豊かな世界で生きることができると思ってるんだ。

これは、サイボーグみたいな生き方をしろ、って言ってるのではなくてね、目の前の出来事ひとつひとつに感情的に反応してしまう、動物みたいな反射的なその生き方を止めようよ、っていう意味なので、その人の持つ「感性・感受性」を反対しているわけではない。(感情と感性は違うし、むしろ感性を養うことも重要視している。これはまた次回。)

例えば、「焦る」ってことは、想定外の出来事が起きて、感情が乱れている様だと思うんだけど、ある程度予測できるくらいの経験値や知識さえあれば、焦りを抑えて、冷静で迅速な対応を心がけるよう、頭を切り替えることはできる。

あとは、こうすればこうなる、っていうロジカルな考え方を身に付けて、主観的な思考を排除することもひとつかもしれない。特に、定量的な根拠をもとに話ができるようになれば、感情的な、情緒的な状態で大きく間違えてしまうことも少なくなるよね。

身につけるべきは、知性

仕事や人間関係において、良好な結果を出すための健全な判断をするにあたって、「感情的」になってはいけない。なぜそうなのかを知っている=知性がある、ということで話を進めたいんだけど、

例えば、先ほど紹介した、慎重派で知られる井川意高でさえ、感情の起伏で自らを滅ぼしてしまった。その「人間の不完全性」を認識していれば、彼に比べて能力が高いわけではない、ぼくたち凡人がミスを起こさないわけがない、と自分の失敗に対しても寛容になれるはず。(自分が特別だと思っているひとは、たぶん教養が足りないだけだから、本を読んで知識を得たほうがいい。)

また、失敗を恐れてチャレンジができなかったり、完璧主義ゆえに仕事が遅かったり心を病んでしまうようなひとの多くは、この知性が欠けていることが原因だと僕は考える。

自分のことをクソだと思え、なんてよく言われるんだけど、そうしたほうが気楽に生きられるし、なんとかなることも知れて良いことばかりだから、自己保身のためのプライドなんて早く捨てたほうがいいと思ってるんだけどね。学びを得た時の吸収率もぐっと上がるし。

あれもこれも全部、こうすればこうなる、と知っているかどうか。
つまり、知性・教養があるかどうか。

それだけで人生は大きく変わるのだから、ぼくたちはたくさん本を読んで教養をつけて、知性を高められる環境に身を置いておいたほうが、間違いなくいい。

あと、先ほど書いた通り、知性と同時に「感性」を養うことも同じくらい重要だと思っているんだけど、その話は次回にすることにして、今回は終わり。

職場や恋人、様々な人間関係の中で起こる悩みなんかにも適用できることが多いので、ぜひ知性を身につけて、優しい選択ができる人たちで溢れて欲しいなと思ってます。

おまけ

戦時中・戦後の日本社会の倫理観を観察してまとめられた坂口安吾の「堕落論」では、このあたりに結び付けられなくもない、人間らしさ、みたいなところの主張が書かれていて、1時間もかからずに読めてしまうのでおすすめ。言葉が難しいので何度か繰り返し読むことになるかもしれないけど。

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