「明日こそ」で過ぎ去った、数々の明日
「明日こそ」
そう決意して、一体何度の明日が過ぎ去っていったのだろう。
それは本当に明日じゃないとできないことだったのだろうか。
今日それに取り組むことは本当にできなかったのだろうか。
そんな後悔と嫌悪感も明日にパスできれば少しは楽だけれど、あいにくそうはいかない。
「明日」に夢を見過ぎなのだ。
今日できることを明日にやろうとする人間が、明日劇的に何か変化しているなんて、そんな淡い期待をするなんて、脳内のお花畑が満開過ぎる。
明日やろうは馬鹿やろう。
絶対に明日じゃないとできないことでない限り、明日“でも”できることは、今日やった方が良い。
いいか、絶対にそうなんだ。
だから、明日こそは...。
*
もし、自分が今生きている人生が1度目の人生ではなく、2度目の人生だったら。
たまに、そんなことを考える。
実は、今生きている人生は繰り返されていて、随分前に自分の人生は一度終わっている。
そんな過去とも未来とも言える自分が、自分の人生をやり直すために、この世界を司る神に頭を下げ、毎日を1からやり直しているのだ。
1度目の人生を送った自分は、何となく日々を過ごすと後悔してしまうと分かっているから、毎日を全力で生きようとする。
ちなみに、神曰く3度目は無いらしい。
だから、泣いても笑っても、今生きている人生が最後のチャンスなのだ。
2度目の人生も、ただ何となく過ごして終えてしまうのか、命運は今を生きる自分にかかっている。
自分自身を、そんなファンタジックな設定の主人公に見立てると、何だか少しワクワクする。
毎朝目が覚める時は、眠りからの目覚めではなく、生まれ変わった瞬間。
その奇跡を噛み締めて、今日を全力で生きるんだ。
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