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「もはや何したらいいか分からん」が一番苦しい

「挫折」という字を見る度に、これらの漢字・用語を考えた人はすごいなぁと感心する。

心が折れてしまう様子が、字から滲み出ている。

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「今までで一番の挫折経験を教えてください」

採用を担当していた時、初対面の人にズケズケと聞いていた。

中学まではレギュラーだったのに高校のレベルについていけなかった、受験で志望校に合格できなかった、何度挑戦しても賞を獲れなかった。

誰でも、何かしらの挫折経験がある。

自分自身の挫折経験は何だろう。

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学生時代、会社の創業に参画し店舗運営を任された。

勉強も運動もそれなりにうまくやってこれたから、ビジネスだってきっとうまくいかせられる。

「何とかなるし、何とかできる」

そう思っていた。

ただ、結果的に、何とかならなかったし、何とかできなかった。

自分なりに考えて、試行錯誤して、追い込んだりもした。

それ自体は苦ではなかった。

一筋縄でいかないことは初めから分かっていたし、そういう険しい道を選んだのは自分自身だから、覚悟はしていた。

むしろ“生きている心地”がして、楽しかったかもしれない。

けれど、何をしたら良いか分からなくなっていた。

それが一番苦しかった。

答えのある問いなら、答えを見ればいい。

ただ、ビジネスや事業に答えはない。

強いて挙げるなら、「答えを見つけるまでやり続けること」が答えだ。

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がむしゃらにもがいている時よりも、がむしゃらにもがくことすらできない、“もはや何をしたらいいか分からなかった”あの時の方が苦しかった。

自分にとっての「挫折」は、望む結果が出たかどうか、努力に見合う成果を得られたかどうかではなく、望む結果に対してもがき苦しむことさえ叶わなかったことだ。


『転んだ時には、いつでも何か拾え』

(オズワルド・アベリー)

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