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なんか変な中毒性のあるCLAMPの世界

今回は、CLAMPについて少し書きたい。
CLAMPといえば、何より有名なのが「カードキャプターさくら」だ。
これは女児向け魔法少女アニメでありながら、「プリキュア」などに比べても作風がややオトナ向けなんだよね。
それは作中で百合やBLを扱ってることもさることながら、それ以上に物語の空気感そのものがどこか妖しげで、ほんのりとアダルトコンテンツの香りがするんだよ。
これは、原作者のCLAMPがもともとは同人作家だったことが無関係ではないだろうし、実際この作品は女児だけでなくオトナ(オタク)にもかなり人気が出たんだよね。
さくらは「萌え」の元祖とされるひとりである。
いや、単純な萌え要素だけがさくらの魅力ではない。
私なんかは、彼女の魔法詠唱に惹かれたクチである。

「闇の力を秘めし鍵よ。真の姿を我の前に示せ。
契約のもと、さくらが命じる。レリ~ズ!」

なんかクルでしょ?この厨二っぽさ。
私もいまだ、魔法陣の上に立てば条件反射的に「レリ~ズ!」と叫んじゃうからね。
「リリカルなのは」や「まどかマギカ」など深夜枠の魔法少女は別として、女児向け枠でここまで厨二っぽさを出したのは「CCさくら」が初だろう。
さすが、CLAMPである。

それから後、CLAMP人気をさらに不動のものとしたのは「xxxHOLIC」だろう。
これはアニメ化のみならず、杏主演で実写化もされてたと思う。
何より、CLAMP特有の妖しさとセクシーさが思いっきり出てる作品である。
物語としては「化物語」や「夏目友人帳」と同様に妖怪が出てくる話なんだが、人間の闇を描いてるという点では「地獄少女」にも少し近いものがあるかもしれない。

「xxxHOLIC」主人公の四月一日(左)と侑子(右)

この作品は基本線がダークファンタジーなんだが、主人公の四月一日くんと侑子さんは明るいキャラで、ふたりのコミカルな会話のやり取りはなかなか楽しい。
ちなみにCLAMPは「スターシステム」といって、「xxxHOLIC」のこのふたりを他作品に登場させたりすることが結構あるのよ。

「ツバサクロニクル」に出た侑子さん
映画「BLOOD-C」に出た四月一日くん

こうやって他作品に出てる時の侑子さんや四月一日くんは、「xxxHOLIC」の時のようなコミカルさが一切消えている。
これは、単に名前と姿形が同じだけのパラレルワールド方式だな、と最初のうちは軽く思ってたんだ。
でも詳しく話を聞けば、どうやらそういう単純な仕組みでもないっぽい。
「CCさくら」「xxxHOLIC」「ツバサクロニクル」、この3つは物語そのものがかなり密接に繋がってるんだってさ。

「CCさくら」と「xxxHOLIC」と「ツバサクロニクル」の関係

上の絵を見て、これをちゃんと理解できる人なんておらんやろ?
だってさ、この絵では「CCさくら」とは別に3組も「さくら&小狼」がいるじゃん。
ついでにいえば、四月一日くんも小狼だったのか?
彼の育ての親は、さくら&小狼(コピー)だったらしい。
上の絵を見る限り、トータル5人の小狼がいるってことか・・。
これはコピーしたり、タイムリープしたり、転生したり、色々複雑なことやってるもんだから収拾つかなくなってんのよ。
おそらくハイレベルのCLAMPマニアじゃないと、この相関図の正確な説明はできんわ。
ごめん、私には無理・・。
と、アニメ制作スタッフも思ったんだろう。
だって「xxxHOLIC」も「ツバサクロニクル」も、この複雑な相関を解明していく章以降のエピソードを敢えてアニメ化してないんだから。
思えば「ツバサクロニクル」なんて、2期を「俺たちの戦いはこれからだ」っぽく締めて、もう17年が経過したよ。
いつもきっちりしてるNHKにしては、かなり珍しい放置ENDである。
昔「CCさくら」で大ヒットを飛ばしたNHKだけに、
「え?さくらと小狼が主人公で別の物語があるの?
それ、おいしいじゃん!
さっそくアニメ化しようぜ!」
と甘く考えていたんだろう。
一応、劇伴に梶浦由記を起用するなど気合いも見せてたんだが、ぶっちゃけ梶浦さんの荘厳な音楽に画が思いっきり負けてるんだよねぇ・・。
正直「ツバサクロニクル」は、「CCさくら」や「xxxHOLIC」と比べてあまり面白くない。

ちょっとガッカリだった、さくらと小狼のキャラ

そして四月一日くんが出てた「BLOOD-C」についてだが、これはパラレルワールドというわけでもなく、「xxxHOLIC」本編のずっと後という設定らしい。
しかし、この「BLOOD-C」は中国政府から有害だとクレームをつけられて、悪い意味で話題になった作品だよね。

こいつ、一応メインキャストのひとり
こいつもメインキャスト
ヒロインの小夜
大丈夫、こいつは不死の吸血鬼だから、しばらくすれば治ります

うん、中国政府からクレームきたのも納得の作画である。
まさかCLAMPが、ここまでグロを描くとはなぁ・・。
ちなみに「BLOOD」シリーズは海外でこそ人気があり、2008年には香港で実写化されたほどである。

実写版の小夜を演じたのは名作「猟奇的な彼女」のヒロイン・チョンジヒョン
ホントに猟奇的になったんだな・・w

CLAMPはこの「BLOOD-C」のダーティなイメージを払拭する必要があると思うし、ここは挽回の意味でも「CCさくらクリアカード編」2期アニメ化を敢行すべきでしょ。
聞けば、つい最近に原作漫画の連載が最終回を迎えたらしいじゃん?
とにかく、こっちのさくらと小狼には普通の幸せを掴んでほしいよ。
NHK、よろしくね!

苺鈴はアニメオリジナルキャラクターと聞くが、実にいいキャラである
でも私が一番好きなのは、いつもブレない知世ちゃん


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