香港の同性愛、腐女子事情
今から約20年前に香港に来た時から感じていた事。
「香港て同性愛者多い」
という事。
でもそれが本当に絶対数として人数が多いという事なのか、開放的だから多く見えるだけなのか、それは私にもわかりません。
とにかく赴任したての頃から、地下鉄に乗れば手をつないでいるなんてのは勿論、キスしている女性同士とかよく見かけました。
「レズビアンが多い」印象を持っていました。
街を歩いていても、見るからにトムボーイ的な髪型も着衣もボーイッシュな女性が結構います。もちろん男性同士もいます。結構皆堂々としています。日本では同性同士がこれ見よがしに「付き合ってます♡」というアピールをする人が20年前くらいは全然多くありませんでしたので(今は知りませんが)香港の同性同士のイチャイチャぶりには結構驚かされました。
香港は同性愛に関しては、日本の一歩も二歩も先を行ってるな~という印象でした。
ところがここ近年、香港にも「腐女」と呼ばれる女性たちが出現し始めました。そう、腐女子です。
香港では2016年から「又要威 又要戴头盔」直訳すれば
「ひけらかしたいのに、ヘルメットは被りたい」
つまり「身バレしたくないけども、自分の世界をわかって欲しい」という名前のテレビ番組が今も続いています。
完全に日本の「ねほりんぱほりん」の香港バージョンとお考えいただいて良いでしょう。(奇しくも同じ2016年スタートのようです。)
この番組の第一回目と二回目が「性同一性障害」のゲストを招いてのもので、5回目6回目が「腐女子」のゲストでした。
「性同一性障害」を持つ回は、開放的な香港らしくヘルメットを被らずに堂々と出席しているゲストが何人かいました(ヘルメットは任意です。)
ホントに赤裸々に、自分が何度も性転換手術をしなくてはいけなかったエピソードや、トイレトレーニングの話や周囲に受け入れてもらえない話、もしくは受け入れてもらえた話を、笑いを交えながらワイワイ語る姿が、少しも卑屈じゃなくて、こういう事を顔出しでテレビで語れる素人が多いのは、日本と少し違うのかな、と思いました。
(腐女子回はまだまだ少数派だからか皆ヘルメットでしたが)
番組開始当初はゲスト達が猫耳のついたフルフェイスのヘルメットを被っていましたが、試行錯誤の末、何故か日本のねほりんぱほりん寄りになっているような・・・?!
この回は香港在住の日本人がゲストで出ていました。(「性同一性障害」「腐女子」回の動画はYoutubeでは探せませんでした。)
その中で「腐女子」回の話などを見ると、
何故この(腐女子)世界に足を踏み入れたか、という話をしている時に持ち出されていたBL漫画も日本のもの。
使われている用語も、中国語である表現も日本語のまま使っていたり例えば「肉食系」「同級生ものが好き」→「同級生」という日本語をそのまま使っていたり(中国語で同級生は「同學」)、「攻と受」、「鬼畜」など皆日本語そのままです。
「H」という言葉は元々日本語の「変態HENTAI」の頭文字です、と番組中で説明されたりしています。(私←「H」って変態の「H」だったのか~)
香港の腐女子の土壌は、日本の美しいBL漫画によって培われている事を実感しました。
日本のアニメは元々、香港社会においても絶大な影響力を誇っていましたが、性的趣向などについても、日本のAV同様に日本のアニメがすごい影響を与えています。
今日、何でこのテーマを選んだかと言うと、こないだ中学生の姪(旦那の兄の娘)と「同級生に好きな子はいるの?」的な話題から、まったく普通に恥ずかしがる様子も何もなく「私、女の子が好きだから」と言われて、あらっ、やっぱりこちらは同性愛者の絶対数が多いのかな?と感じさせられたからです。(日本にいた時は、自分の直接の知り合いで同性愛の人がいなかった・・・のか、公表できなかったのかわかりませんが・・・。)
でもココに居て、皆が堂々と、というか、淡々としているのを見ると「まあ、全く隠す事でもないよね」という気がしてくるのです。
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