こんなハズでは・・・。裏山の威力
うちのマンションには裏山がある。
香港によくある「風水山」ってヤツだ。風水山とは昔、財力のある人が家を建てる時に、風水的に良いように建てるために、家の後ろに作る山の事だ。
家の周りを散歩する時に、川べりと、この裏山があるけど、お金持ちが作った、なんちゃって山だからあっという間に終わっちゃうと数年前はちょっとバカにしてた。余裕過ぎると思っていた。
でも、川べりのコースばかりも正直飽きたし、もしかして同じ10分を歩くにも傾斜がついている道の方が、体力を戻すにはいんじゃない?と思い立ち、リハビリの一環に登ってみた。
小さな公園の奥にある階段からスタート。
数年ぶりに登ってみると、そこには以前はなかった美しいトレッキングコースが。
裏山だし、あっという間に終わっちゃうんだよな~と思いながら美しく整備されたトレッキングコースを歩いて行くと、やや!コレどこまで続く階段?!って感じの先が見通せない登り階段出現。
ええ~、まだ続くんかい!とツッコミをいれたくなる程に続く階段。マンション住まいで、地下鉄の階段以外に、これだけの上り階段を登る事なんてあろうか、いや無い。そして、こんな開始わずかで後ろから歩いてきたお婆ちゃんに追い抜かれる。イヤ~(^-^;≻
軽く息も絶え絶えで喉がヒューヒュー言いかける。「いや、こんなハズじゃなかったよ?!」と弱音を吐きかける頃に、小休止の踊り場みたいなところに到着。
そこにはちっちゃい裏山のくせに、アタシが軽くくたばりかけな事を見透かすかのようにSOSボタンが。
そして、踊り場の横には裏山のクセに「山頂」へと続く道が。
山頂らしきところに到着。
風水山標高71mと言えど、山頂に立って暫し達成感に浸る。っていうか体力の衰えを嚙みしめる。
そして下り階段。数段ごとに段数も幅もマチマチで、足元だけを見てノロノロ歩くしかない。
せっかくだから、足元ばっかりじゃなく、周りの風景も楽しもうと足を止めて見たり。
切り株になってもこんな立派な根を張り続けているのねと感心してみたり。
この直角カーブみたいな下り階段をひたすら下ると公園の入り口にある出口に到着。
そうして登って下りる事、何とたったの15分。
っていうか公園のウェブサイトにはプチ山登りコース10分と書いてある。アタシはどうやら、この平均的完走タイムよりも断然遅いらしい。
でも途中登り階段で軽く幽体離脱しそうになったから、それ以上早く歩けなかったのだ。もし無理してスピードを上げていたらきっとハートがブレイクしちゃってた事だろう。
しかも!
アタシは翌日、サンドバッグ240回蹴ってもなることのない筋肉痛に見舞われていた。
筋肉痛?嘘だろう?
サンドバッグ240回蹴ってトランポリン30分跳んでも何ともないアタシだぜ?詠春拳クラスは一回2時間。型をやり、組手をやって汗だくで、翌朝腕に青アザが幾つもできたって、筋肉痛にはならないアタシだぜ?
それがたかだか標高71mの裏山相手にコース10分のところ、15分もかかって更に幽体離脱しかけるだと?
確かに靭帯に穴があいてから、ちょっとでも肩を動かすと、肩がもげそうに痛いから静かに過ごしたこの4か月。
これまで積み重ねてきた筋力も体力も、余りにあっけなく跡形もなく消滅してしまっている事実に震えるアタシ。
10数年の努力も数か月で水の泡。
歳をとるって事はこういう事。現実は残酷だ。
(・・・っていうか単に運動サボってただけだろ。)
それにしてもこの裏山、わずか15分でこれだけ心身ともに刺激を与えてくれるなんて、やっぱり山道には普通の運動では得られない何かがある。
川べり散歩と交互に差し挟みながら、10分トレッキングでのんびり体力回復といくか。
水の泡と消えた筋力と体力を取り戻す!