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『FIFA』の対応について感じたこと

 
一昨年の2022年11/20から12/18日にかけて、皆さんもご存じのとおり
FIFAワールドカップが中東カタールの首都ドーハで開催されました。
中東で初開催となる第22回大会。
32チームが64試合を戦い抜き、背番号10の メッシ選手を擁する
南米アルゼンチン代表が36年ぶり3度目の優勝を果たしました。
全チームの感動的フェアプレーを、讃えずにはおれませんでした。

 
実は、12/18日の決勝戦を前に、ウクライナのゼレンスキー大統領が
平和を呼びかけるメッセージ動画を、サッカースタジアムにて
上映することをお願いしていたのですが、実現には至らなかったのです。


その内容とは…
『世界中のみなさん。W杯決勝おめでとうございます。
今回のワールドカップでは、国や国籍が違っても
フェアプレーで優勝者を決めることができると証明されました。
しかし、戦争はそうではありません』——。
 

これは同大統領が、サッカーに関連づけて平和の重要性を強調した
メッセージを撮影していた内容の一部です。
ところがFIFA(国際サッカー連盟)は事前に拒否していました。
W杯でのいかなる政治的メッセージも受け入れないとする
FIFAとしての方針があってのことです。
 

SNSによる一部の心ない意見として
『これはさすがに場違い。全世界が注目する決勝戦に水を差す行為』
『スポーツと政治は別だよ』
『W杯やオリンピックを政治利用するのは不適切』 『選手が集中できない』
『サッカーを最高に楽しむ為のものだから、戦争の事はよそでやって
もらいたい』…等々。
 

しかし正論を装ったこれらの意見には、大変な違和感を覚えます。
人間的に “薄情” な言葉としか聞こえません。
なぜなら、ロシアの絶え間ない攻撃から国民の命を救いたい一心で
FIFAにお願いしたメッセージ動画を頭ごなしに
政治的プロパガンダであると、決めつけてしまっているからです。
つまりは、根拠のない先入観。

 
1936年のオリンピックベルリン大会で
ナチスが行ったような悪意のある政治利用と混同されては困ります。
戦争の恐怖を、味噌と糞の区別もつかないほどの認識で
不用意に批判して良いものでしょうか?


この瞬間にもロシアは、ウクライナに対し
人間として許されない残虐行為(=戦争犯罪)を繰り返しています。
国連安保理はロシアを止められず、藁(わら)にも縋りたい気持ちで
ウクライナ国民のために、作成したメッセージに違いありません。
 

たとえば目の前で誰かが突然、倒れたとします。
瀕死の状態だが、今なら助けられるかも知れない。 そんな場合でも
デート中のあなた方は 『せっかく熱熱なのに水を差さないで』
『不適切で場違いだから他の人に頼んで』…と
冷淡な言葉で知らんぷりできますか?
人の悲しみも絶望も死の恐怖も、あなた方はきっと、想像できるはず。


たとえ決勝戦キックオフの前にメッセージ動画を上映したとしても
いったい、どれほどの弊害が発生するのでしょうか?
むしろ、依頼を撥ねつけ上映しなかったことのほうが
不適切に思えて仕方がないのです。
 

2022年第94回米アカデミー賞授賞式では
ウクライナへの人道支援を求めるメッセージ動画が
会場のスクリーンに映し出され
ロシアの侵攻で苦しむ市民への連帯を示しました。
俳優のショーン・ペン氏の尽力が功を奏したものです。


世界各国の議会&各種国際会議や、第64回米グラミー賞の授賞式でも
同様に、メッセージ動画が寄せられました。
さらに米国タイム誌は、ゼレンスキー大統領と“ウクライナの精神”を
2022年度の、パーソンオブザイヤーに選定しています。
毎年、年末に発売される権威あるタイム誌 『今年の人』の表紙さえも
堂々と飾りました。

 
一刻も早い停戦を、誰もが切望しています。
どんな巨大スポーツイベントも、世界が平和であってこそのもの。
平和を願うひたむきなメッセージを低次元の政治的プロパガンダと
混同(=同一視)なさらぬように…。


スポーツマンもまた、同じ赤い血の流れる生身の人間。
非情なふるまいではなく、熱い心が溢れるフェアプレーにこそ
大きな魅力を感じます。
すぐ隣りで起きている『戦争』という大惨事に
無関心・無頓着であることが
真のスポーツマンの姿であるわけがありません。


全世界が熱狂するWorld Cupは
すべからく、人類の平和への理念と共にあるものと願うばかりです。

 
 

※この問題に関しては、賛否両論あると思います。
もしかしたら、私の考えは少数意見かも知れません。
それでも私は、勇気を出して訴えたいと思います。
訴えることが、無力な私にできる せめてもの手段でしょうから。
一刻も早い戦争の終結を願ってやみません。
ウクライナも、ロシアも、元々、大好きな国でした。
それだけに、戦争という悲惨な現状を
受け入れる事ができないのです。



<追 記>
2004年と2,009年に主演男優賞を受賞した俳優のショーン・ペン氏は
戦争で荒廃した自国に、スポットライトを当てる機会を与えるよう
2022年アカデミー賞の授賞式に、俳優から政治家に転身した
ゼレンスキー大統領を招待することを呼びかけました。
そして自身のオスカー像を贈呈し
『勝利したらマリブにもってきてください。
ここに僕の一部があると思うと気持ちが晴れるんです』と
ウクライナ国民への思いを伝えています。


『星になったパパ』/増田恵子


『愛する人に歌わせないで』/森山良子


『死んだ少女』/本田路津子


『ひまわり』/イタリア映画


『When A Child Is Born』/Sarah Brightman


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建礼門 葵
幼い頃からの夢は貧困や差別のない ≪あたたかい社会≫ の実現。どんな時でも 生きづらさを抱えるすべての人々を擁護し、不屈の代弁者であり続けたい…。地域社会の発展と世界の恒久平和に少しでも貢献できれば本望です。葵と共に未来を切り開いていきましょう。