公　正　な　報　道　と　は　？～マスコミ各社に望むこと～

2024年2月27日 22:03

事実を事実として、より正確に伝えることが、＜公正な報道＞と言える。

例えば100の全事案に対して
99回の割合で嘘(=悪意)を報じる【R国】と
100の全事案に対して
99回の割合で真実(=正義)を報じる【U国】があったと仮定する。

ある事案が生じた時、マスコミ『Ａ社』は
出来るだけ公正な報道を手掛けようと
100回の取材のうちＲ国を50回、U国を50回…
数の上で均等な配分で取材しそのまま報道した。

一方でマスコミ『Ｂ社』も出来るだけ公正な報道を手掛けようと
100回の取材のうちＲ国を1回、U国を99回…
確率論に基づく配分で取材しそのまま報道した。
この場合、どちらの会社の報道が、結果として公正だっただろうか？

Ａ社は、100の情報に対し
50％(49.5+0.5)のニセ情報を流したことになる。
一方のＢ社は、100の情報に対し
98.02％(98.01+0.01)の正しい情報を伝えたことになる。

確率論に基づく配分で取材し報道したＢ社のほうが
より正確な事実を伝えた点において正しかった。
つまり、表面的な数値上の均等配分が
必ずしも公正な報道であるとは限らない。

どの出所の情報が善か悪か、常識的に考えれば
『見分ける方法』は、まったく簡単である。
ロシアは独裁国家であり、言論の自由も、基本的人権の尊重も無い。
政権に批判的な者を容赦なく弾圧する。

そう言えば、ロシアには
『当局がフェイクとみなした報道を禁じる法律』
（つまり都合の悪いものはすべて、嘘ということにできる）
あるいは、『戦争という言葉を使っただけで処罰される法律』もある
（誰も特別軍事作戦と呼ばなければならない）

独裁国家から出でくる情報と、民主国家から発せられる情報とを
同じ土俵で比較すること自体、無理がある。
全面情報操作されたロシアのプロパガンダに
マスコミ各社は決して踊らされてはならない。

ロシア発のフェイクニュースを “鵜吞み” にして
無編集のまま自国内で報道(またはアップロード)する試みは
無謀な冒険であって『公正さ』とは程遠く無縁である。
不特定多数の視聴者に偏執狂的な情報を植え付け(＝刷り込み)かねず
危険ウイルスの拡散行為に著しく加担するようなもの。

ロシアは2022年２月24日の軍事侵攻開始から９カ月の間に
1万６千発以上のミサイルを、ウクライナに撃ち込んだ。
そのうちの約500発が軍事施設に対するもので、残りの97％が
民間施設を標的にしていた事実が判明している。にもかかわらず、ロシアは『軍事施設のみを攻撃している』と、嘘の主張を平然と繰り返す。

同年６月27日には1000人以上の買い物客でにぎわう
クレメンチェク商業施設の最も人数が多い時間帯を狙い
超音速爆撃機TU22Sを着弾させ120人以上もの死者を出したが、その際には『武器貯蔵庫に撃ち込んだ結果、隣接する営業停止中の商業施設が炎上』
との、とんでもない嘘（付近に貯蔵庫はなかった）。

集合住宅、ショッピングモール、産科・小児科病院、介護施設、学校。
文化財、穀物倉庫、駅舎、電力・水道施設…。
無差別に破壊され尽くした数多くの施設が
どうして『軍事施設』と言えるのだろうか？

ロシアは、一方的な軍事侵攻によって占領した各地域で
民間人の“大量虐殺”を行った。
ブチャ、マウリポリ、リマン、イジューム、マカリウ等々…。
人間の仕業とは思えない残忍すぎる拷問と人殺しの数々。
それでもロシア国防省は
『現地住民は誰一人として暴力行為で苦しんでいない』と、全面否定。

住民殺害の痕跡を消すための筒状移動式火葬施設・13基の存在を
軍事侵攻開始当初の４月6日に
マウリポリ市議会が投稿によって暴露していたが
『パン焼き機』であるとして、シラを切っていたのは誰だったろう。

同年11月23日には、EU 欧州議会がロシアを『テロ支援国家』として
指名したように、ロシアの恐ろしさは底知れない。

公正な報道を手掛ける使命を、マスコミ各社が果たそうとするならば
加害者側の嘘の主張ではなく
被害者側の深刻な実態を幅広く伝える情報収集にこそ
いっそうの力点を置くべきではないだろうか？

国際秩序の混沌から人類社会を救うために
マスコミ各社は一丸となって、正義を追求していただきたい。

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