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戦争よる民間人の被害状況

=軍事侵攻開始2022年2/24日から凡そ10カ月間の記録=

◇◇◇◇目  次◇◇◇◇

 01,民間人への無差別殺人
02,身元不明の遺体
03,商業施設への計算されたテロ攻撃
04,リザちゃんと母親
05,瓦礫の下の妊婦
06,マカリウの忠犬ハチ公
07,増える一方の戦争孤児
08,子供たちの深い心の傷
09,医療への攻撃と深刻な医療崩壊
10,ロシア軍兵士の声
11,クラマトルスク駅
12,チャプリネの大規模攻撃
13, 飢えと寒さと恐怖…地獄のような避難生活
14, 戦死者数の隠蔽
15, 多難な9/1新学年開始
16, 決意の告発
17, リモートでの授業再開
18, イジュームの大量虐殺(半数以上が女性)
19, がれきの上のネコたち
20, ブチャだけでない相次ぐ大量虐殺
21, 強制徴兵(子供や妻を脅迫して…)
22, 計画停電下の歩行者事故急増
23, 市民生活を狙い撃ち遵守されない国際法(450万人電気なし)
24, 100匹の猫たち
25, 相次ぐ大規模ミサイル攻撃(97%が民間施設標的)
26, エネルギーテロ
27, 動物の略奪・虐待
28, 子供たちへの精神的負担
29, 子供用の拷問部屋
30, 女性たちの苦悶
31, 生物多様性の深刻な被害
 


① 民間人への無差別殺人

4/3、ウクライナ検察は、ブチャの町でこれまでに410人の遺体を
発見したと発表。 後ろ手に縛られたまま、後頭部を撃たれた多数の亡骸。
女性も子供も変わりはてた姿になっていた。 現地入りのAFP記者は
『静かな並木道に見渡す限り遺体が散乱していた』と伝える。

『現地住民は誰一人として暴力行為で苦しんでいない』とロシア国防省は
全面否定したが、住民証言や3/19時点での道路上の衛星画像からも
大虐殺の実態が裏付けられた。なお8/8に、遺体は458体との追加発表。



② 身元不明の遺体

大虐殺の舞台となったブチャでは、名前も生年月日も無い
番号だけ刻まれた墓標が並ぶ。 確認された458人の遺体のうち
約50人の身元が半年を経ても、まだわからない。
ブチャ市幹部は記者団に『全ての遺体には物語がある』と話し
DNA採取など身元の特定に尽力している。



③ 商業施設への計算されたテロ攻撃

6/27、1000人以上の買い物客でにぎわうクレメンチェクの商業施設へ
ロシア領内から空中発射型の精密誘導兵器(超音速爆撃機TU22MS)が
着弾。 120人以上が死亡した。市内で最も人の多い時間帯と分かった上で
民間人の犠牲拡大を狙う意図的攻撃を行った。 ロシア国防省は武器貯蔵庫に撃ち込んだ結果、隣接する営業停止中の商業施設が炎上したと述べ
商業施設は狙っていないと虚偽の主張。(付近に貯蔵庫は無い)



④ リザちゃんと母親

7/14、黒海の潜水艦から発射された高精度巡行ミサイルが
ビンニツァ中心部を爆撃。 死亡23人、行方不明18人。
4歳の女児も死亡し、その母親は足を失った。
母親は直前に、娘と歩く様子をSNSに投稿している。
現場には、無残なベビーカーだけが残されていた。

一発のミサイルが、人々の幸せな日常に襲い掛かり
小さな命までも奪ってしまう。重体の母親は病院で
すぐには愛する娘の死亡を、知らされていなかった。



⑤ 瓦礫の下の妊婦

3/9、南部の港町マウリポリにある産科病院と小児科病院が
ミサイル攻撃を受けた。 少女を含む3人が死亡し、幼い子供や
出産中の女性が、破壊された建物の瓦礫の下に取り残された。
3/14には、この攻撃で負傷した妊婦が胎児とともに死亡した。

産科病院は、ウクライナ過激派に占拠された後、基地として
使用されており、患者や医療従事者は中に残されていなかったと
嘘を語るロシア当局。それではなぜ、ここで妊婦や子供が死んだのか?



⑥ マカリウの忠犬ハチ公

3/16、マカリウの小さな村の民家へ、ロシア軍が装甲車ごと塀を破り侵入。住人女性のテティアナさんを隣家へ連行し、強姦ののち殺害。
それから一か月を過ぎても帰らぬ人を、玄関先で待ち続けた
メスの秋田犬、リニ9歳。 わが子のように可愛がられていた。

餌を口にできず、痩せこけ、毛の艶も無くなっていたリニ。
人間のみならず動物たちも戦争の被害にさらされる。
戦争は、おびただしい惨劇しか生み出さない。
マカリウでは、ロシア軍による132人の ”処刑遺体” が発見された。
 
 
 
⑦ 増える一方の戦争孤児

◇3/15、ユニセフ広報室は
『ウクライナでは本当に多くの子供たちが殺されている。
負傷した子供たちの数はさらに多く、そして150万人以上の子供が
国外への避難を余儀なくされている。
平均すると紛争が激化してから毎日7万5000人以上、さらに平均すると
1分あたり55人の子供が、ウクライナから避難している。
つまり1秒あたり、ほぼ1人のペースで
ウクライナの子供たちが難民になっている』 と報告した。
 
◇6/1、ユニセフ(国連児童基金)は『子供たちに対するその壊滅的な影響は
第二次世界大戦以来見られなかった規模とスピードである』と発表。
人道支援を必要としている子供の数は、ウクライナ国内で300万人
避難先の難民受入れ国で220万人にのぼる。
ウクライナの子供の3人に2人が、紛争の影響で避難生活を送っている。
水や電気を絶たれ、食料不足と寒さに襲われ、ロシア軍空爆の
悪夢にうなされ、教育の機会さえ奪われたまま遠い避難先で
或いは故郷で、戦時下での家族離散、暴力、性的虐待、人身売買などの
被害を受ける大きなリスクをかかえている子供たち。

特に大人の同伴者のいない子供や、家族が離れ離れになった子供たち……。数多くの子供が、深い心の傷を負わされるほどの生々しい出来事を
経験している。 大人と違って子供の体は
食べ物や水の摂取量や、その他の大きな変動にも耐えられない。



⑧ 子供たちの深い心の傷

◇チェルニヒワで暮らしていた6歳のカリーナちゃんは、3月上旬
避難先の祖母宅から家族と車で自宅へ戻る道中、ロシア軍の襲撃を受け
両親を亡くした。 女の子は衝撃でひとり車外に投げ出され
奇跡的に助かった。 けれど、深い心の傷は隠せない。
引き取ってくれた叔母に『心配しないで私は泣かない』と気丈さを見せが
週に何度か、夜中に突然、目を覚まし無言で涙を流す。
そして、あちこちをかきむしるほど、傷口も体全体も痒くなる。
現地、読売新聞記者が両親のことを尋ねると
『時々会いたくなる。両親と一緒に家の近くを歩いた事や、ベッドでみんな一緒に寝たことを思い出す』と
カリーナちゃんは、うつむきながら精一杯に話した。
 
◇18歳のアドリアナさんは、父親を亡くしてから笑顔が減り
黙り込むことが増えた。  父親は近くに住む叔母の家に
薬を届けに行った帰路、ロシア兵に撃たれてしまった。
ブチャで戦闘が激しくなった 3/11に
母と弟とキーウを目指して歩く途中、見覚えのある遺体を偶然見つける。
『お父さんだ』 と、大声で泣き叫んだ。すると近くにいた兵士が
『見なかったことにしろ』 と促し、駆け寄ることを許されなかった。
『何度も、愛しているよと言ってくれた父はもういない。
今でも帰ってくるような気がするけど、それはかなわないと思うと
悲しみが増す』と、目を真っ赤にして震える声で語る。
それでも『ウクライナを愛している。ずっとここにいたい』 と
真っ直ぐな心は捨てなかった。
 
キーウに拠点を置く支援団体チルドレン・オブ・ヒーローズの
推計によれば、戦争で親を失った子供たちは、少なくとも5000人。
心に受けた傷は、想像以上に深い。 子供たちの心の傷は
①泣き続ける②口を利かなくなる③突然怒り出す——などの形で表れる。



⑨ 医療への攻撃と深刻な医療崩壊

◇次々と救急隊員に搬送される負傷者。 遺体安置所に運ばれ
近親者の身元確認を待つ、段ボールに覆われたままの死者。ロシア軍は
病院までも攻撃目標とする。 最も弱い立場にある人々の命を救う為に
医療従事者は、自らの命を極限状態の危険にさらしていた。
病院の攻撃は国際人道法である『ジュネーブ条約』に違反する。
攻撃は厳格に軍事目標に限定され
紛争当事国は医療施設を保護しなければならないと規定しているが…。
 
◇8/18、順天堂大学のシンポジウムでの現状報告によれば
これまで100を超える医療施設が破壊され
18人の医療従事者が死亡し、300人以上が捕虜となっている。
医療用物資の供給が滞っており、ウクライナ全域で危機的に不足している。
躊躇なく破壊される重要な保健インフラ。
膨大な需要があるにもかかわらず不特定多数の人々が
保健・医療サービスの利用を諦めなければならない状況にある。



⑩ ロシア軍兵士の声

◇(ファシストを倒そうと乗り込んだ先で、市民から『帰れ』と言われた
事を涙ながらに振り返り 『ここにはファシストなどいない』と悟らされた)

◇(自分たちが平和維持ではなく戦闘のために送りこまれたこと。
民間人の町にミサイルが撃ち込まれていることに気付いて投降した)

◇(自分たちが犯した過ちを思うと、胸が痛む。関係の修復には、何年も
何十年何世紀もかかるだろう。私は地面に埋もれて消えてしまいたい)
 
以上は、ウクライナで捕虜になっている3人の空軍パイロットに
CNNが 3/7にて、インタビューを行った内容である。
ロシア側での取材やインタビューは、
常に必ず監視員による取材制限や言論操作が行われる。
それに対し、ウクライナ側では、自由な発言が許されている。



⑪ クラマトルスク駅
4/8朝、ドネツク州の鉄道駅に対し、ロシア軍が戦術弾道ミサイルシステムOTR-21トーチカから発射されたクラスター弾頭搭載のミサイルで攻撃。
避難民57人が死亡した。 当駅は避難や援助のための重要な拠点であり
女性や子供を中心とする約4000人の避難民がいた。



⑫ チャプリネの大規模攻撃

ウクライナ独立記念日の8/24、ロシア軍が大規模なミサイル攻撃を行った。 1回目の攻撃で住宅地を、2回目は駅舎を爆撃し、6歳と11歳の子供を含む
計25人が死亡した。 ロシア国防省は、軍用列車を攻撃したとし
民間人の犠牲を最小限に抑えていると、嘘の主張を繰り返した。



⑬ 飢えと寒さと恐怖…地獄のような避難生活

4/25、アゾフ大隊が公開した避難所内部映像によれば
洗濯物が10日間たっても乾かないほど湿度が高く、天井や壁など至る所に
カビが発生していた。 毛布にくるまった子供たちは、おむつが無いため
透明な袋で代用。肌がかぶれて赤くなっていた。 頼みの人道回廊も
ロシア軍の攻撃対象であり、住民は過酷な避難所生活を強いられた。
 
ロシア軍に包囲されたままのアゾフスターリ製鉄所で
300~1000人の市民が、5/16の完全制圧・撤退までの約2か月間
製鉄所内部のシェルターに避難。
地上周辺は、ロシア軍の "焼夷兵器" などで焦土と化してした。



⑭ 戦死者数の隠蔽

ロシアは、3/25に自国兵士戦死者数を1351人と発表して以来、その数字を
更新せず。 消息不明兵士の家族への情報公開ですら、非協力的である。



⑮ 多難な9/1新学年開始

昨年9月時点で、ウクライナには約420万人の児童・生徒がいたが
8月現在、約64万人が国外に避難している。 さらに国内2300以上の
教育施設が被害を受けている。 ロシア軍占領下にいるか、もしくは
ロシア側へ強制連行された子供たちの数については把握が難しい。



⑯ 決意の告発
『目にしたのは、街が破壊され、平和な生活が壊されている様子』
『すべての軍人が店を通りかかる時に、たばこ・水・食料等を略奪した。
生死にかかわる問題だった』 『村を丸ごと崩壊させ、根絶やしにした』 『軍の大半はプーチンを嫌っているし、9割は国防省を笑っている』
『この戦争は誰にも必要ではないし、単に民間人が死んでいるだけだという事実を皆わかっている。ロシア政府の言うことは完全なウソであることは
明らか』 軍事侵攻に加わり、その後フランスに逃れたロシア兵士への
9/2、JNN単独インタビューである。

ロシアで軍への批判は偽情報の流布として犯罪扱いとされるが
パベル・フィラティエフ元ロシア軍第56親衛空挺強襲旅団所属隊員は
141ページの手記を公表し、ロシア軍の内情を暴露。
元隊員は亡命先の空港に到着した際には、自国パスポートや軍の身分証を
トイレの便器に破り捨て、ロシアへの強い不満を示していた。



⑰ リモートでの授業再開

ウクライナでは9/1、侵攻開始後初となる新学年の授業が再開された。
戦闘の激しい南部一帯はリモート授業となる。
ミコライウのアントニーナさんは、2月の侵攻開始以来、学校のみんなとは直接会ったことがない。学校が再開する日、大好きな服を着て
一番きれいなリボンを髪に結び、部屋の真ん中に置かれた机の前に座り
『トニア』とあだ名で呼んでくれる先生や、クラスメートの顔を
携帯電話の画面で見つめる。『学校に戻れてうれしいけれど
戦争が無ければ、もっとうれしいのに。先生や友達に会いたい』 と
AFP記者の取材に答えた。

背後では数分おきに、砲撃音や応戦する音が聞こえる。
数日前には砲弾の破片で、台所の窓ガラスが割れた。
砲撃が激しくなるたびに、一家は車で街から逃げる。
静かになるのを待ってから、戻ってくる。
すでに親友は、ポーランドに逃げてしまったという。



⑱ イジュームの大量虐殺(半数以上が女性)

ゼレンスキー大統領は9/1のビデオ演説で
『ロシア以外に、これほど多くの死をもたらすテロ勢力はない』 
『これまでの調査で首にロープが巻かれた遺体や
腕が折れた状態の遺体が見つかった。拷問や虐待の明らかな証拠がある。
ロシア兵が楽しむだけに撃ったという証拠もある。
ロシアはブチャと同じことをイジュームでも繰り返した』 と語った。

ロシア軍の占領から奪還されたイジュームで、447人の民間人が
森に埋められていた事実が明らかになる。
9/16、ハルキウ州知事はテレグラムで
『99%が暴行を受けて亡くなった痕跡がある』 との見解を示した。
 
さらに、ハルキウ州の複数の街で
ロシア軍が拷問を行った施設を10か所以上発見。
鉄道駅等、拷問が日常的な場所でも広く行われていた。



⑲ がれきの上のネコたち

猫15匹、犬3匹と暮らしていた ホストメリのティナ・オルジャフスカさん。住民たちからは、地下壕に逃げるよう促されていた。
しかし 『動物たちを放っておけない』 と拒み自宅にとどまっていた。
3月上旬に戦争犠牲者になっていたと思われるが、ロシア軍の撤退以後の
8月、片付けをしていた作業員に、ティナさんの無残な遺体が発見された。
 
焼け焦げ崩れ落ちた集合住宅の前を歩き回るネコたち。飼い主と一緒に
楽しんだ場所を、現在も忘れていない。がれきが散乱し、真っ黒焦げの
部屋の前に来ると、悲しむように立ち止まって座り込むという。



⑳ ブチャだけでない相次ぐ大量虐殺

10/20、ウクライナ国家警察は、ロシア軍から奪還した東部ドネツク州の
リマンで見つかった2つの集団墓地の掘り起こし作業を終えたとSNSに発表。
民間人の遺体111人、兵士35人。遺体には爆発物や砲撃によるとみられる
傷のほか、暴行を受けた痕跡もあった。3月には、マウリポリ近郊で
3千から9千人を埋めた集団墓地を、衛星画像で確認。
9月には、コザチャロパニ郊外で約100体の遺体を発見した。



㉑ 強制徴兵(子供や妻を脅迫して…)

10/21、ザポロジエ州議会議長のオレナ・ジュク氏が
共同通信のオンラインインタビューに応じ、ウクライナ男性3千人が
ロシア側によって強制的に徴兵されたと訴えた。
また数千人が拉致されたとし、住民が置かれた過酷な状況を証言した。
一方的に併合宣言し、戒厳令を導入したロシアは
実行支配地域において、子供や妻を脅迫し
母国ウクライナと戦わせるために、男性が動員に従う事を強制している。
 
 

㉒ 計画停電下の歩行者事故急増

ロシア軍の相次ぐ エネルギー関連施設への攻撃により
電力不足に陥ったウクライナで、計画停電が全土に広がった。
連日、各都市の持ち回りで4時間ずつ続けられている。
停電中は夜間も街灯や信号機が消え、10/23までの2週間で
歩行者38人が、夜間に交通事故の犠牲となった。



㉓ 市民生活を狙い撃ち、遵守されない国際法(450万人電気なし)

10/31、55発の高精度ミサイルと、ドローン機を発射して
ロシア軍は再び、ウクライナ全土のインフラを集中攻撃した。
エネルギー関連施設など10州・18か所が被害を受け7州で停電が発生。加えて首都キーウでも一時、8割が断水した。
10/10と10/17の大規模攻撃と同じく、月曜の朝だった。 プーチン大統領は
ウクライナ全土への攻撃を10/29の黒海艦隊への攻撃に対する
報復だとしたうえで『これが、我々にできることの全てではない』と
さらなる攻撃の拡大を示唆した。
今回も自作自演のニセ情報を、攻撃の口実とした可能性が高い。

ウクライナ軍との戦闘で劣勢のロシア軍は、民間施設や一般市民を
攻撃の標的とする国際法違反の戦術を展開している。それに対する
ウクライナ軍は、これまで、ロシア国内の都市や民間人を攻撃していない。
強引に軍事侵攻を続けるロシア軍から懸命に国土防衛を果たしているのみ。
両国間は、あまりにも一方的で偏った関係にある。
従ってプーチン大統領の『報復』という言葉は、成り立たない。
EUエネルギー担当カドリ・シムソン委員の、11/1付ツイッターには
『冬が近づく中で、人間の苦しみを引き起こす残酷で非人間的な戦術だ』…と書かれてある。



㉔ 100匹の猫たち

ハルキウにある動物保護施設では、軍事侵攻を受け
高騰する暖房費が支払えず、冬を前にネコ100匹の里親を募集している。
猫の多くは避難した住民が手放したもの。
2012年に開設されたこの施設では、今年2月のロシア軍による侵攻以降
保護される猫の数が増加していた。



㉕ 相次ぐ大規模ミサイル攻撃(97%が民間施設標的)

◇11/15、ロシアは本格的な冬が迫るウクライナ全土の重要インフラ施設を標的に90発以上の長距離ミサイルを撃ち込んだ。国際法に反するロシアのたび重なる攻撃により、ウクライナは電力の逼迫に直面。
暖房、給水、照明、通信手段など、市民生活への深刻な影響は
全人口の4割にあたる2千万人に及ぶに至った。

◇11/23にもロシア軍は黒海の2隻の小型ミサイル搭載船と黒海上空の
航空機、ロシア南部ボルゴドンスクの戦略爆撃機、更にカスピ海方面からも計70発のミサイルを発射し、重要インフラに対する大規模攻撃を行った。

◇ロシアは2月の侵攻開始以降、9カ月で1万6千発超のミサイル攻撃を
行った。軍事施設約500発。民間施設約1万2千。住宅約1900。
残りが輸送関連とエネルギー施設。 それでもロシアは
『軍事施設のみが攻撃対象』と、逃げ口上のようなウソの主張を続ける。



㉖ エネルギーテロ

戦局で劣勢のロシア軍は、重要インフラを集中的に破壊し
生活を支えるエネルギー網を寸断した。民間施設や医療機関までも
数多く破壊した。国民生活を丸ごと人質にとるような軍事行動は
明らかに国際法違反であり、人の道として許されるものではない。
ウクライナの国土は雪に覆われ、本格的な冬を迎えた。
ゼレンスキー大統領は、冬の寒さを武器に国民を苦しめようとする
『エネルギーテロ』として、ロシアを糾弾した。



㉗ 動物の略奪・虐待

12/8、ウクライナメディア「24チャンネル」は
動物園での略奪の映像を公開。 ロシア人が、しっぽをつかんでいるのは
アライグマ。 暴れるアライグマを乱暴にオリへ投げ入れていた。
他にも狼や孔雀など多くの動物が略奪され、今も行方がわかない。
さらに「ICTV」では、砲撃によって顔に傷を負ったライオンの映像。
ロシアの侵攻で犠牲になった野生動物は、100万匹以上にのぼる。

鎖につながれて衰弱し、立つのもやっとな状態の熊もいた。
無差別攻撃で、平穏な暮らしを奪われたのは住民も動物たちも同じ。
キーウにある動物保護団体のナタリアさんは『ロシア人は動物たちを虐殺しています。東部に行った時に動物たちの死体をたくさん見ました。
私たちの活動が必要でなくなることを望んでいます』と話した。



㉘ 子供たちへの精神的負担

ウクライナで、700万人近い全ての子供に
心身の健康が脅かされるリスクがあると12/14、ユニセフが発表した。
零下20度にも達する酷寒のもと、電気や暖房、水道を十分に使えず
学校が損壊し医療施設も機能せず、精神面の負担の重さから150万人が
うつ状態やPTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状にさらされると推定。

ユニセフのラッセル事務局長は
『数百万人の子供が寒く暗い中で身を寄せ合い、希望のない冬に
直面している。いつ、どのように平穏が訪れるかも殆どわからない』と
インフラ施設の保護や、人道支援の必要性を訴えた。



㉙ 子供用の拷問部屋

ウクライナの人権委員会は12/14、ロシア軍から奪還した南部ヘルソンで
同軍が設置した子供用の拷問部屋が10か所で見つかったと明らかにした。ロシア軍に抵抗した子供たちが監禁されていたと見られる。
写真を撮影しただけで連行された例もあった。
食事は殆ど与えられず、水も1日おきの支給で
『親はお前を見捨てた。家に帰ってこない』などの嘘を教え
心理的圧力も加えている。 占領統治の一端が暴露された。



㉚ 女性たちの苦悶

戦争によって心を痛めたウクライナ人女性の数はあまりにも多い。
空襲警報が毎日鳴り、砲撃音も聞こえる。女性たちがストレスを
感じないはずがなく『戦争の恐ろしさで月経が止まった』と嘆く女性や
『生理が6カ月ありません』と医師に訴える20歳の女性も…。
ザポリージャ市のラフマン医院で
心を痛めたウクライナ人女性たちを支える院長のジャンナ婦人科医は
大粒の涙をこぼしながら、インタビューに答えた。



㉛ 生物多様性の深刻な被害

12/15、カナダで開催中の国連生物多様性条約15回締約国会議(COP15)でウクライナの担当大臣は、『ロシアの侵攻で約7万4千種の
動植物が生息する私たちの国を破壊している』と非難。
生物多様性にも深刻な被害が出ると訴えた。16か所の国際的に
重要な湿地、計約60万ヘクタールに破壊的影響が及ぶ可能性をも指摘。
『一つ一つの地雷が動物の死を招く』と
COP15で担当大臣が強調したように、ロシアによってウクライナは
世界で最も地雷に汚染された国に変えられてしまった。
さらに黒海では、イルカの大量死が報告されている。

◇◇◇◇◇◇◇◇

※最後に、マリーナ・オフシャンニコワさん
テレグラムに投稿されたメッセージを紹介します。
彼女は国営テレビ3/14付ニュース番組生放送中に
ウクライナ戦争への抗議を行った元番組編集者です。


ウクライナでいま起こっているのは犯罪。ロシアは侵略国家で、その責任はたった一人の人間の良心の問題ともいえる。ウラジーミル・プーチンの。私の父はウクライナ人で、私の母はロシア人。これまで敵同士であったことはない。いま私のつけているネックレスは、ロシアがただちに兄弟同士で争う戦争をやめるべきだという現実の象徴で、兄と弟はいまからでもやりなおせると思う。この数年間、私がクレムリンのプロパガンダに手を貸しながらチャンネル1で働いたことは辛いことで、恥だとも思っている。何が恥ずかしいかと言えば、テレビから嘘が流れるのを放っておいたこと。職場の人間がロシア人をゾンビにするのを放置してきたことが恥ずかしい。2014年に全てが始まって、それから私たちは沈黙していた。クレムリンがナヴァリヌィを毒殺しようとしたときにも私たちは抗議しなかった。私たちはこの非人道的な政府を職場で息をひそめてみているだけだった。そしていま、世界が私たちに背中を向けている。いまから数えて第10番目の世代にいたってもこの同胞殺しの戦争の傷は忘れられないと思う。私たちロシア人は考え続ける知的な人間。この狂気をくいとめるのは私たちの力しかない。抗議活動をしよう。何も恐れることはない。私たちを一人残らず拘束することなどできるはずがない。

◇◇◇◇◇◇◇◇


 一刻も早い戦争の終結を願って、これらの記事を編集しました。
インターネットや各種新聞など、複数の情報源から信憑性の高いものを選択しております。


 

≪建礼門葵の戦争反対に関する文書一覧≫


🔶1/19投稿 【戦争のない世界へ向けての宣言】
【戦争のない世界へ向けての宣言】|建礼門 葵 (note.com)

🔶1/19投稿 【はるかな夢を追いかけて】
はるかな夢を追いかけて|建礼門 葵 (note.com)

🔶1/19投稿 【虹色の未来】
虹 色 の 未 来|建礼門 葵 (note.com)

🔶1/19投稿 【熱いまぶたに浮かぶWorld Peace】
熱いまぶたに浮かぶ“World Peace”|建礼門 葵 (note.com)

🔶2/01投稿 【戦争が奪ったクリスマス】
戦争が奪ったクリスマス|建礼門 葵 (note.com)

🔶2/02投稿 【かけがえのない命について】
かけがえのない命について…|建礼門 葵 (note.com)

🔶2/11投稿 【私を待つ者】
私 を 待 つ 者|建礼門 葵 (note.com)

🔶2/17投稿 【何十万回も思い描いた夢】
何十万回も思い描いた夢|建礼門 葵 (note.com)

🔶2/22投稿 【現代社会に突き付けられた課題≪前編≫】
現代社会に突き付けられた課題≪前編≫|建礼門 葵 (note.com)

🔶2/23投稿 【現代社会に突き付けられた課題≪後編≫】
現代社会に突き付けられた課題≪後編≫|建礼門 葵 (note.com)

🔶2/24投稿 【ウクライナからのロシア軍即時撤退と国連安保理の抜本的
       改革への訴え】
ウクライナからのロシア軍即時撤退と 国連安保理の抜本的改革への訴え|建礼門 葵 (note.com)

🔶2/25投稿 【ウクライナ戦争の和平交渉に向けて】
“ウクライナ戦争”の和平交渉に向けて|建礼門 葵 (note.com)

🔶2/26投稿 【21世紀の国際秩序構築のために】
21世紀の国際秩序構築のために|建礼門 葵 (note.com)

🔶2/27投稿 【公正な報道とは?】
公 正 な 報 道 と は ? ~マスコミ各社に望むこと~|建礼門 葵 (note.com)

🔶2/28投稿 【FIFA対応について感じたこと】
『FIFA』の対応について感じたこと|建礼門 葵 (note.com)

🔶2/29投稿 【ロシア軍およびロシア政府の行動】
ロシア軍およびロシア政府の行動 |建礼門 葵 (note.com)

🔶3/01投稿 【戦争による民間人の被害状況】
戦争よる民間人の被害状況|建礼門 葵 (note.com)

🔶3/06投稿 【反戦歌&命の尊さを訴えた歌】
♬反戦歌&命の尊さを訴えた歌♬|建礼門 葵 (note.com)



 


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