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「ドーハの奇跡」再び

ー日本代表、スペイン代表撃破

サッカーW杯カタール大会。日本代表は12月2日、世界ランキング7位のスペイン代表にまさかの逆転勝ちを収めた。先のドイツ代表戦に勝利した「ドーハの奇跡」を再現し、決勝トーナメント進出を決めた。ドイツ戦に続くコスタリカ代表戦に敗れ、批判が再燃していた代表監督、森保一もあらためて評価が上がり、溜飲を下げただろう。早朝、目を擦りながら日本を応援したファンも、歴史的勝利を目にして早起きが報われた。日本は決勝トーナメント初戦のクロアチア代表戦(12月6日)で目標のW杯ベスト8以上を目指す。

連載「サッカーW杯カタール大会」シリーズ:「日本代表、手痛い黒星」「ケガ人続出に三方痛し」「日本が勝利で得たもの」「強国倒して"台風の目"にー日本代表、きょう初陣」「大波乱に膨らむ期待」「強豪国登場に興奮」「開会式と開幕戦に驚き

歴史的勝利

「強いチームが勝つのではなく勝ったチームが強いんだ」ー。かつて「皇帝」と称されたドイツのスタープレイヤー、フランツ・ベッケンバウアーはこう語ったという。確かに、勝負事は何が起こるか分からない。下馬評など関係ない。勝ちを諦めずに最後の最後まで戦えというメッセージが込められているのだろう。素晴らしい言葉だ。

個人的に運動部に入っていた学生時代、その言葉を体験する機会もあった。ただ今回の日本のスペイン戦。頭ではそう考えていても、心がどうも付いてこない。それほどスペインは強い。国際試合で破竹の連勝を続け、「無敵艦隊」と呼ばれたスペイン代表の印象が焼き付いている。そのため、正直なところ、本当に日本が勝って驚いた。実に申し訳ない。

試合開始早々の失点。やはり、スペインは強い。今回は予選リーグで敗退かとあきらめ顔で見ていたが、後半、日本が一気に勢いを盛り返す。堂安律の同点弾、続く田中碧の逆転弾に大金星もあり得ると興奮モードに。その後、胃がキリキリ痛くなる我慢を強いられる時間も長かったが、それでもスペインの猛攻を凌ぎきった。試合終了のホイッスルに心が震えた。

"Wジャイキリ"

代表監督の森保一の采配は再び評価されるだろう。ドイツに続いてスペインを破るダブルのジャイアントキリング(ジャイキリ)を達成した日本の監督はこれまでいない。しかも親善試合ではなく、どの国も真剣勝負で臨むW杯が舞台だ。なおさら価値は大きい。再評価は当然と言える。

ところが、一部のサッカー系ユーチューバーを中心に、森保批判は依然として根強い。私だったらこの選手を先発に使うだの、この戦術を使うだの独自の「タラ・レバ」論を熱く語っている。普段なら、言うのは自由だし、サッカーファンとしてそんな意見に耳を傾けるのも一興だと思う。

ただ今日は無視したい。興が削がれる。

(写真:『りすの独り言』トップ画像=フリー素材などを基にりす作成)

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