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ブレーキのきかない自転車でエンドオブザティーン
思い出の引き出しをひいても、既にそれを手にとって撫で回すことはできなくなっていて、きらきらと軽く光っているだけだ。私が過去に苦しかったことも、悲しかったことも、少し嬉しかったことも、現在の私を象っているのに、その頃を百パーセントで分かれない。感情が人任せになっていく感覚を背に、私は弱さを自覚する。
✝︎
ずっと昔、思いもよらずに傷つけてしまった人たちが、誰も私を殺しに来ないから、私は今生きて
永遠に飛んでいたい、着地点は見つからない
今日、蝉が鳴いているのをこの耳で聞いたから私の夏が始まった。夏が始まったから書きたいと思った。何かを、この脳内に連なることから生成した何かを、書きたいと思った。私が今十九歳であることをどこかに書き留めておかなければ、たった今も死に続けているも同然だと思った。爪痕は残した方がいい、この世界はいつだって変容していく、だからできる限りの暴れ方で生きていくことが世界に対する正しき反抗に思えてくる。近くの道
もっとみる東京駅、死んだ猫、罪深い教科書通りの春さまた気がつけば朝
着たかったセーラー服の襟元が青く青く染まり咳き込んでしまった、冬のせいで
つまり、美しいということは何らかの象徴に過ぎなかった。物体はどこまでも地続きで、肌を突き破った先にある無謀なほどの澱みに気づくことはない。飾りを履かせるための輪郭は、思考のきめ細かさとは一切の関係を持たず、容器からはみ出した片鱗は歪であることを許されない。
光は随分前に配られていたものだと誰かは言う。
誤差のない範囲でみな等分に照らされていることだろうと言う。
許されるための可能性を見せつけら
生活に埋没。トイレの壁と感傷中毒。憎みつつ愛しつつすべてを等しく守りたい。
まやかしの楽園で、雪が降るまで精神はミュート
むきだしの光に目が眩む。僕が明かされてしまうその前に断て。断て。断て。嘘で何枚にも貼り合わせた皮膚はこんなにも厚くなったのに、一向に涙が止まない。誰かの目に映るために戯けてみせた、演じてみせた、その度に濃くなる影は瘡蓋。楽園の出口を密かに閉めてこもる、僕らはまだまだ天使になれない世界の底でも出会えない。
三角座りで俯きながら釣った口角を戻す。当たり前になってしまった愚直な行為に
創ったものは壊せるから好き、壊れるから嫌い
赤色の他人、きみはいつも返事をしない
瞼をいったりきたりさせて、
きみをかじる
記憶の淵で逃げ回る赤い影を追う
頭の底にあるのは
かつてぼくらが属していた星
ホームに突き抜ける鉄塊に轢かれ
星を脱した
一番乗り
きみは、
かなり、
賢かった
知らないとは、いつも匿名の匂いだと
果てのない力があると、
言う。
(ことばは蒸発、
口から吐けるものが夜だけだった通り魔は、
地球に、
標本をつくるみたいにして、
遠くで他人を刺しました)
夕べも許しを待っていた
ぼくのあそこにはなんにもなくて、きっと花の咲かない木。彼も彼女も見向きやしない、だからどろりとした重力にやられながら一番綺麗に腐るのさ。ひっくり返った平和の中で全てが消えてなくなる前に。
いつでもわたしの死に日和
真っ暗な部屋に浮かび上がるブルーライトを適当に嗜んで、恥ずかしいですねわたし。自分のことを誤魔化し続けて、咀嚼しきれぬ現実。結局いつもこうじゃん。はじまりのためのおわりをどこか必死に探している。
死なないための約束が一つできた。うれしかった。これからに賭けることができるかもしれないと思った。でも生活は破綻寸前。生きていくための言葉がちょっと足りない。あとちょっと。届かない、遠い、わたしたちの距離、
明るい路地裏で風はきっと丸まる
景色を切り裂く窓に、映った自分と目を合わせられない朝。頑張って貼り付けた平気が途端に床にひらひら。テキトーに崩れた上履き踏んづける泣き虫少女でいたかったけれど、あーあってため息の分だけ三歩進む。気づけば大人、むき出しのぼくら。訳も分からず聖書なんか読んじゃってる。
毎日世界にひたすらに怒る。毎秒世界にひたすらに謝る。愛が目覚めることを知らないこの場所。悪いのは全部自分だって思うことだけでしか、優
脊椎でぜんぶ絡めとるけれど
自分だけがさかさまの暮らし。言葉の中には何もない。こめかみには銃口が、爆速ではにかめるようになる。寿命を忘れて生き残る人間同士、肩をぶつけ合いながら口を開けて待つスクランブル。痛みの一つも映らない瞳でやさしく訴えるビジョンを睨みつける。ああもう中指でも立てたろかな。瘡蓋まみれの二人を隔てたありきたりな春。月は夜に横たわり、花は永遠みたいな面をして、して、して