初めての間

手を伸ばし、追いついて、確かに触れた愛なのに、未だ残像の逆上がり。過ぎた記憶との睨めっこ。夜風みたいな眼差しが、頭の中から消えなくて、なぞってみる。きみのなまえ。はじっこから。口笛混じりで。読んでみる。微かに残る香りで、行き止まりになった夢を破る。
ぼくが、離れる街のリズムから目を逸らせばそれで最後。世界は変えられるかもしれない、という予感だけが残る。当たり前のように点滅する未来が、ある。

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