着たかったセーラー服の襟元が青く青く染まり咳き込んでしまった、冬のせいで

つまり、美しいということは何らかの象徴に過ぎなかった。物体はどこまでも地続きで、肌を突き破った先にある無謀なほどの澱みに気づくことはない。飾りを履かせるための輪郭は、思考のきめ細かさとは一切の関係を持たず、容器からはみ出した片鱗は歪であることを許されない。

光は随分前に配られていたものだと誰かは言う。
誤差のない範囲でみな等分に照らされていることだろうと言う。

許されるための可能性を見せつけられているようだ。時間が、秒針を使って無数の傷跡を記憶に織り込んでいる。身体だけが顕であるために、一致しない記憶との競り合いで、愛憎の噛み合わせで、空っぽなぼくを慰めて。

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