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Daily PLANETS

宇野常寛/PLANETSが毎朝お届けするウェブマガジン。猪子寿之、落合陽一、古川健介ほかたくさんの仲間と未来を考えます。
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2019年7月の記事一覧

男と食 21 | 井上敏樹

男と食 21 | 井上敏樹

平成仮面ライダーシリーズなどでおなじみ、脚本家・井上敏樹先生のエッセイ『男と×××』。今年も大好物の鮎を食べ歩いている敏樹先生。形が大きな京都の鮎がお気に入りのようですが、一方、お椀については最近は、京都よりも東京の方が「いい」とのこと。東西のお椀をめぐる美食談義が繰り広げられます。

「平成仮面ライダー」シリーズなどで知られる脚本家・井上敏樹先生による、初のエッセイ集『男と遊び』、好評発売中です

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番外編『トイ・ストーリー4』(3)タイム・アフター・ザ・スペース・レンジャー | 池田明季哉

番外編『トイ・ストーリー4』(3)タイム・アフター・ザ・スペース・レンジャー | 池田明季哉

デザイナーの池田明季哉さんによる連載『"kakkoii"の誕生ーー世紀末ボーイズトイ列伝』、番外編『トイ・ストーリー4』論のラストとなる第3回です。ジェンダー論的な「政治的正しさ」(ポリティカル・コレクトネス)を体現する本作で、ウッディやバズに代わってマチズモを象徴する役割を与えられたキャラクター・カブーンから「新しい男性性」の萌芽を考えます。
※注意:本記事には『トイ・ストーリー4』のネタバレ

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〈よみもの〉とECサイトの関係 | 青木耕平

〈よみもの〉とECサイトの関係 | 青木耕平

宇野常寛が火曜日のキャスターを担当する番組「NewsX」の書き起こしをお届けします。6月11日に放送されたvol.39のテーマは「〈よみもの〉とECサイトの関係」。株式会社クラシコム代表取締役の青木耕平さんをゲストにお招きして、『北欧、暮らしの道具店』が開拓した、読み物としてのECサイトの可能性と、クリエイティブとコミュニティの新しいあり方について議論します。(構成:籔和馬)

NewsX vol

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【文庫版発売】宇野常寛 あなたはなぜ『母性のディストピア』を読むべきか(PLANETSアーカイブス)

【文庫版発売】宇野常寛 あなたはなぜ『母性のディストピア』を読むべきか(PLANETSアーカイブス)

今朝のPLANETSアーカイブスは、『母性のディストピア』の文庫版( I 接触篇/II 発動篇)の発売を記念して、単行本発売時(2017年)に配信された宇野常寛の寄稿を再配信します。
「新しい思考」の場となることを期待されていたはずのインターネットは、いまや自尊心を守るために他人を叩くための場となってしまいました。宇野がこの卑しさを解き放つ活路を見出したのは、アニメ、ゲーム、アイドルについて語るこ

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【特別寄稿】成馬零一 私たちは何を見ているのだろうか?――名前をめぐる問題

【特別寄稿】成馬零一 私たちは何を見ているのだろうか?――名前をめぐる問題

今朝のメルマガは、成馬零一さんの特別寄稿です。私たちはテレビドラマの登場人物を、なぜ演者の名前で呼ぶのか。〈虚構〉と〈日常〉の中間に位置する日本のテレビドラマの特性と、それを逆手にとった『マジすか学園』や山田孝之のドキュメンタリードラマなどの作品について考えます。
※初出:『美術手帖』2018年2月号(美術出版社)

 テレビドラマの話をする時、いつも気になるのは登場人物の呼び名についてだ。
 S

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番外編『トイ・ストーリー4』(2)シェパーデス・オン・ザ・フロンティア | 池田明季哉

番外編『トイ・ストーリー4』(2)シェパーデス・オン・ザ・フロンティア | 池田明季哉

デザイナーの池田明季哉さんによる連載『"kakkoii"の誕生ーー世紀末ボーイズトイ列伝』の番外編、『トイ・ストーリー4』論の第2回です。今作では、伝統的な男性性の頓挫が描かれ、フェミニズムを意識した目配せも各所にあります。その背景を、本作の製作中に起きたジョン・ラセターの不祥事による退陣を含めて読み解きます。
※注意:本記事には『トイ・ストーリー4』のネタバレが含まれています。

池田明季哉

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宇野常寛 汎イメージ論――中間のものたちと秩序なきピースのゆくえ 最終回 「汎イメージ」の時代と「遅いインターネット」(1)

宇野常寛 汎イメージ論――中間のものたちと秩序なきピースのゆくえ 最終回 「汎イメージ」の時代と「遅いインターネット」(1)

本誌編集長・宇野常寛による連載『汎イメージ論 中間のものたちと秩序なきピースのゆくえ』。インターネットが生み出す母系的な共同幻想からの自立。かつて吉本隆明が〈文学〉で目指し、ジョン・ハンケは〈テクノロジー〉、糸井重里は〈モノ〉によって目論んだそれを、チームラボはいかにして成し遂げたか。デジタルアートによって試みられる〈境界〉と〈視線〉へのアプローチから考えます。(初出:『小説トリッパー』 2019

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【対談】三宅陽一郎×中川大地 ゲームAIは〈人間の心〉の夢を見るか(後編)(PLANETSアーカイブス)

【対談】三宅陽一郎×中川大地 ゲームAIは〈人間の心〉の夢を見るか(後編)(PLANETSアーカイブス)

今朝のPLANETSアーカイブスは、ゲームAIの開発者である三宅陽一郎さんと、評論家・編集者の中川大地さんの対談の後編をお届けします。日本のゲームとゲーム批評は、なぜダメになってしまったのか。圧倒的な技術力と資金力で成長を続ける欧米のゲームに、日本のゲームが対抗しうる方策とは? 『人工知能のための哲学塾』の三宅さんと『現代ゲーム全史』の中川さんが、日本のゲームと人工知能に秘められたポテンシャルにつ

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『ナイン』の成功と6人の編集者たち(前編) | 碇本学

『ナイン』の成功と6人の編集者たち(前編) | 碇本学

ライターの碇本学さんが、あだち充を通じて戦後日本の〈成熟〉の問題を掘り下げる連載「ユートピアの終焉――あだち充と戦後日本の青春」。第7回では、少女漫画誌から少年サンデーへの復帰、そして『ナイン』でブレイクを果たすまでの時期を語ります。才能はあれど時代に歓迎されなかったあだち充。そんな彼を粘り強く支えたのは6人の担当編集者たちでした。

ユートピアの終焉――あだち充と戦後日本社会の青春
第7回『ナ

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番外編『トイ・ストーリー4』(1)パラダイス・ロスト・オブ・ザ・カウボーイ | 池田明季哉

番外編『トイ・ストーリー4』(1)パラダイス・ロスト・オブ・ザ・カウボーイ | 池田明季哉

デザイナーの池田明季哉さんによる連載『"kakkoii"の誕生ーー世紀末ボーイズトイ列伝』の番外編として、現在公開中の映画『トイ・ストーリー4』を論じます。1995年の第一作目以降、本作の〈男性性の美学〉は少しずつ形を変え、多様な価値観を包括するようになりました。トイ・ストーリーシリーズの24年間の主題の変遷を改めて振り返ります。
※注意:本記事には『トイ・ストーリー4』のネタバレが含まれています

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【対談】三宅陽一郎×中川大地 ゲームAIは〈人間の心〉の夢を見るか(前編)(PLANETSアーカイブス)

【対談】三宅陽一郎×中川大地 ゲームAIは〈人間の心〉の夢を見るか(前編)(PLANETSアーカイブス)

今朝のPLANETSアーカイブスは、ゲームAIの開発者である三宅陽一郎さんと、評論家・編集者の中川大地さんの対談をお届けします。デカルト以降の近代西洋哲学はどのように人工知能を定義するのか。欧米と日本のゲームの背景にある思想的な差異とは。『人工知能のための哲学塾』の三宅さんと『現代ゲーム全史』の中川さんが、ゲームとAIについて徹底的に論じ合います。(構成:高橋ミレイ)
※本記事は2016年10月1

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消極性チームを救う鉄壁のface-work戦術 |西田健志・消極性研究会 SIGSHY

消極性チームを救う鉄壁のface-work戦術 |西田健志・消極性研究会 SIGSHY

消極性研究会(SIGSHY)による連載『消極性デザインが社会を変える。まずは、あなたの生活を変える。』。今回は西田健志さんの寄稿です。誘いたいけど断られるのが怖くて声をかけられない……。傷付きやすさゆえに消極的になっている人々のために、コミュニケーションの場面でお互いを体面を守る「Face-work」のテクノロジーを紹介します。

消極性デザインが社会を変える。まずは、あなたの生活を変える。
第1

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“ことば”こそが、葛藤を「意志」に変える。cotree・櫻本真理が目指す、優しさが伝播する社会 | 長谷川リョー

“ことば”こそが、葛藤を「意志」に変える。cotree・櫻本真理が目指す、優しさが伝播する社会 | 長谷川リョー

編集者・ライターの僕・長谷川リョーが(ある情報を持っている)専門家ではなく深く思考をしている人々に話を伺っていくシリーズ『考えるを考える』。今回は、個人向けオンラインカウンセリングサービス『cotree(コトリー)』や、経営者のメンタルを支えるコーチングプログラム『escort(エスコート)』を運営する株式会社cotreeの代表・櫻本真理氏にお話を伺います。前職時代に自らが体調を崩した際、メンタル

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與那覇潤 平成史──ぼくらの昨日の世界 第5回 喪われた歴史:1996-97(後編)

與那覇潤 平成史──ぼくらの昨日の世界 第5回 喪われた歴史:1996-97(後編)

今朝のメルマガは、與那覇潤さんの「平成史ーーぼくらの昨日の世界」の第5回の後編をお届けします。1997年の「つくる会」発足に端を発する右傾化、その背景には、基軸なきポスト冷戦期における相対主義の浮上など、複雑な世相がありました。一方、カルチャーの世界では、安室奈美恵が女子高生のカリスマとなり、宮崎駿が国民的映画監督としての地位を固めます。

死産した「歴史修正主義」 私が歴史修正主義(者)という用

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