池田明季哉 “kakkoii”の誕生ーー世紀末ボーイズトイ列伝 番外編 ヨーロッパおもちゃ最前線ーー虹色に輝く「うんち」の美学

デザイナーの池田明季哉さんによる連載『"kakkoii"の誕生ーー世紀末ボーイズトイ列伝』。今回は番外編として、ヨーロッパ諸国のおもちゃ事情を報告します。ジェンダー的な中立性が好まれるフランスやドイツでは、児童向けおもちゃの偏向は厳しく咎められますが、一方イギリスでは、「悪趣味」で「下品」なおもちゃが人気を集めているようです。

 こんにちは、池田明季哉です。先日イギリスから帰国し、久々に日本での

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池田明季哉 マンガの国のアリスと二匹のウサギ――大英博物館マンガ展レポート

今朝のメルマガは、池田明季哉さんによる大英博物館マンガ展レポートをお届けします。伝統ある大英博物館で初めて開催されたマンガの大規模展覧会。賛否がある中で、日本のマンガ文化はどのように紹介されたのか。現地の展示の様子を報告しながら、そのキュレーションの意図を読み解きます。

 こんにちは。デザイナー/ライターの池田明季哉です。現在ゆえあってイギリスに在住しており、大英博物館で行われたマンガ展に足を運

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池田明季哉 “kakkoii”の誕生ーー世紀末ボーイズトイ列伝 番外編『トイ・ストーリー4』(3)タイム・アフター・ザ・スペース・レンジャー

デザイナーの池田明季哉さんによる連載『"kakkoii"の誕生ーー世紀末ボーイズトイ列伝』、番外編『トイ・ストーリー4』論のラストとなる第3回です。ジェンダー論的な「政治的正しさ」(ポリティカル・コレクトネス)を体現する本作で、ウッディやバズに代わってマチズモを象徴する役割を与えられたキャラクター・カブーンから「新しい男性性」の萌芽を考えます。
※注意:本記事には『トイ・ストーリー4』のネタバレ

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池田明季哉 “kakkoii”の誕生ーー世紀末ボーイズトイ列伝 番外編『トイ・ストーリー4』(2)シェパーデス・オン・ザ・フロンティア

デザイナーの池田明季哉さんによる連載『"kakkoii"の誕生ーー世紀末ボーイズトイ列伝』の番外編、『トイ・ストーリー4』論の第2回です。今作では、伝統的な男性性の頓挫が描かれ、フェミニズムを意識した目配せも各所にあります。その背景を、本作の製作中に起きたジョン・ラセターの不祥事による退陣を含めて読み解きます。
※注意:本記事には『トイ・ストーリー4』のネタバレが含まれています。

新たな「カウ

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“kakkoii”の誕生ーー世紀末ボーイズトイ列伝 番外編『トイ・ストーリー4』(1)パラダイス・ロスト・オブ・ザ・カウボーイ

デザイナーの池田明季哉さんによる連載『"kakkoii"の誕生ーー世紀末ボーイズトイ列伝』の番外編として、現在公開中の映画『トイ・ストーリー4』を論じます。1995年の第一作目以降、本作の〈男性性の美学〉は少しずつ形を変え、多様な価値観を包括するようになりました。トイ・ストーリーシリーズの24年間の主題の変遷を改めて振り返ります。
※注意:本記事には『トイ・ストーリー4』のネタバレが含まれています

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池田明季哉 “kakkoii”の誕生──世紀末ボーイズトイ列伝 第三章 ビーダマン(2)「炎の魔神」がビー玉に宿した魂

デザイナーの池田明季哉さんによる連載『"kakkoii"の誕生ーー世紀末ボーイズトイ列伝』。『スーパービーダマン』シリーズは、シリーズを重ねるごとにビーダマンに人格が付与され、『爆外伝』において完全なキャラクターとなりますが、同時に、物語からは人間が撤退します。そしてビーダマンは、鎧と人と機械の中間的存在から、それらの境界が完全に融解した存在へと深化します。

『爆球連発!!スーパービーダマン』(

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池田明季哉 “kakkoii”の誕生──世紀末ボーイズトイ列伝 第三章 ビーダマン(1)スナイパーが殺し屋にならなかった理由

デザイナーの池田明季哉さんによる連載『"kakkoii"の誕生ーー世紀末ボーイズトイ列伝』。今回は1993年にタカラ社より発売された「ビーダマン」を取り上げます。ボンバーマンのデザインをベースに、〈銃器〉を暗喩するような機能的進化を遂げた同玩具は、コミックス版において、ある種の倫理性を提示するに至ります。

本稿では、1984年のトランスフォーマーが、アメリカ市場を睨んだ再ブランディングに際して「

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“kakkoii”の誕生──世紀末ボーイズトイ列伝 第二章 ミニ四駆(5)「マグナムに叫ぶようにアレクサを呼ぶ」

デザイナーの池田明季哉さんによる連載『"kakkoii"の誕生ーー世紀末ボーイズトイ列伝』。自動運転車は、なぜ「カッコいいもの」として社会に受け入れられないのか。マシンを手動で操作したい欲望と、AIによる自動運転技術。未来の自動車が抱える矛盾と、それを乗り越える想像力を、ミニ四駆に宿る物語性から考えます。

「かっこいい」自動運転車は可能か?

工業技術によって身体を拡張することで、主体と社会を短

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新しい男性性の探求。

ミニ四駆のファンコミュニティはボトムアップによる理想の成熟を実現したものの、自己目的化した結果社会に作用しなくなってしまう。

そのスポーツマンシップを社会に再接続するには?

http://sp.ch.nicovideo.jp/wakusei2nd/blomaga/ar1692410

“kakkoii”の誕生──世紀末ボーイズトイ列伝 第二章 ミニ四駆(4)「もうひとりのディカプリオ、もうひとつのプリウス」

デザイナーの池田明季哉さんによる連載『"kakkoii"の誕生ーー世紀末ボーイズトイ列伝』。『レッツ&ゴー』における〈成熟〉の失敗は、乗り物を通じた暴力の否定であり、ひいては自動車にまつわる〈男性性〉の拒否を意味します。90年代末に描かれたその想像力は、トヨタ・プリウスに象徴される、00年代の世界的な自動車のパラダイム転換を予見していました。

バトルレースと『レッツ&ゴー』の倫理

『レッツ&ゴ

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