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ワキマル・ジュンイチ blog

202
作曲家・ピアニストであるワキマル・ジュンイチのブログです。
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#アート

三沢厚彦と山本精一の"多次元性"

三沢厚彦と山本精一の"多次元性"

7月末は三沢厚彦さんの展覧会と、その展覧会の一環で行われる山本精一さんのライブへ。場所は千葉市美術館でした。
『リアリズムではなくリアリティ』という言葉が印象的な三沢さんの作品は圧倒的な存在感を放っていました。
言葉社会の密度が増した現代人からは、例えば古代の『像』から、本来持っているものを理解すること、何かを得ることは難しいのかもしれませんが、そう言った時代にあって、現代人である三沢さんが動物を

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WA♭TE♭R(映像付き)

WA♭TE♭R(映像付き)

自分で展示用の作品を作ることになるとは思っていませんでした。
ただ、興味のある分野ではあったのと、今回はテーマもあったので、入りやすかったように思います。

WA♭TE♭R
ミクストメディア
F4キャンバス(333mm×242mm)、
オーディオ・プレーヤー、
モバイルバッテリー、金具

昔、同時にCDプレーヤーで、作った音を同時に流したら面白そうだな、と思っていました。この作品は音が様々に交叉し

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リュック・フェラーリの言葉、引用について思うこと。

リュック・フェラーリの言葉、引用について思うこと。

リュック・フェラーリはフランスの前衛作曲家で、晩年は「あまちゃん」や「いだてん」の音楽を手掛けられた大友良英さんとの共演もありました。
フェラーリは電子音楽の作品がよく知られています。例えば下記リンクのような楽曲です。

 僕がフェラーリを知ったのは、その音楽からではなく、音楽雑誌の記事でした。当時、アルバイトをしていた出版社から発売されていた『ストレンジ・デイズ』という洋楽系の音楽を紹介する月

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水琴窟から影響を受けた音空間

水琴窟から影響を受けた音空間

 昨日、関東を台風が直撃したわけですが、SNSの良い面、と言ったら大袈裟なのかもしれないですけど、そんな一面を見たように思いました。
JR東日本が計画運休をしたところまでは、個人的には良かったと思います。ですが、結局、勤め先が然るべき対応をとらなければ意味がないということが明白になりました。
 都内以外の、川崎駅(神奈川)や津田沼駅(千葉)の状況などは、SNSで市民が発信しなければ既存のメディアは

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10/13 SoloLive用Prototype

 昨日のHIDE×HIDEライブでは、今まで開演前に行っていたピアノ・ソロを本編で休憩後に演奏させていただきました。尾上さん、石垣さん、ありがとうございました。聴いてくださったご来場の皆様も暖かい拍手を本当にありがとうございました。

 昨日はリコーダーの中村さんとのコンサートの告知もさせていただいたのですが、少し先ですが、今年の秋の話を少し。
 今までにもこのブログで書きましたが、10月12日〜

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使う指の数と思考力 & 勝手にシンクロ二シティ

使う指の数と思考力 & 勝手にシンクロ二シティ

 今の時代、人は2本、下手すると1本ぐらいしか指を使わなくなったなあ、なんてことをふと考えました。スマホを使うようになってからの話ですね。
 もちろん実際は、例えばオフィス・ワークなどで指5本(×2)を使いキーボードを打つわけですが、生活では親指と人差し指の2本あれば、まあ暇つぶしはできるわけです(まあ、ゲームでは6本くらい普通に使います、という考えも浮かびますが、それはさて置きます)。

 何で

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マルセル・デュシャンという生き方

マルセル・デュシャンという生き方

 来年の話をすると鬼が笑うと言いますが、去年の話なら、どうなんでしょうね。検索するといろいろ引っかかるのかもしれませんが。
去年でしたが、マルセル・デュシャンの展覧会が上野の東博で行われていました。
 マルセル・デュシャンというと『泉』という作品が有名です。そう、あの便器のです。あるいはチェスと結びつける人もいるかもしれませんし、作曲家のジョン・ケージを思い出す人もいるかもしれません。
『デュシャ

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