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労働に関する拙作

労働の本質
 労働とはさしあたりは人間が自己の内部に存在する肉体的・精神的能力を用いて、目的意識的に外部の自然に働きかけることによってそれらを人間に役だつように変化させる活動のことである。労働を通じて人間は自然界から生存に必要な生活諸手段を獲得することが可能になる。自然についての人間の認識、自然に働きかけるにあたっての目的の確定、自然へ働きかける人間の行為――これら一連の人間の活動が労働である。
 クモやミツバチはみごとな巣をつくるが、これは本能によるもので、人間の労働のように前もって頭のなかで構想していたものを実現するのではないから労働とはいえない。人間はサルから進化したが、サルを人間に変えたのは労働である。サルはもっぱら自然界に存在するものを受動的に受け取るだけであるが、人間は労働手段(道具や機械)を用いて自然に対し能動的に働きかけ、新しい生産物を次々に生み出してきた。最近の研究ではチンパンジーも道具を使用して動植物を獲得することが明らかになっているが、道具のレベルは原始的である。人間は労働手段を改良することで自然へ働きかける能力を飛躍的に高めた。
 言語は人間の本源的な「社会性・共同性」を背景にして生まれたものであるが(尾関周二著『言語的コミュニケーションと労働の弁証法』)、言語の発達は人々が共同して労働するうえで不可欠の役割を果たしている。
 人間は労働を通じて外的自然に働きかけるのみならず、人間自身をも変化させ、肉体的・精神的能力を発達させてきた。それとともに労働の範囲や種類は広がった。情報の生産やさまざまなサービスの供給、教育・保育・介護のように自分以外の他者とのコミュニケーションをとおして他者の成長、発達を促す活動、また文化、芸術、科学の進歩を担う活動も労働のなかで重要な位置を占めるようになった。

労働とは - コトバンク (kotobank.jp)

1 労働問題

 労働問題は、どの国でも存在し続ける問題ですが、ここ日本でも、労働問題は日に日に深刻化しており、そして好き嫌い・賛否両論等に拘わらず、もはや日本は移民大国への道を確実に歩んでおり、外国人労働者の入国はますます激増していくことでしょう。

 そして、日本人の労働問題も、多々あります。その一例として、国家の人材育成の基本にして基礎となる「教育」の現場に、次のような実態が多々存在することです。

 時には、“死”もよぎったという西本武史さん(34)。
 大阪府立高校 現役教師・西本武史さん:「駅のホームで電車を待っている時に、『あっ、今飛び込んだら、楽になれるかな』『ただただ、楽になりたい』と」
  大阪府立高校の社会科の現役教師で、3年前、“長時間労働”をきっかけに大阪府を相手取り、実名を公表して裁判を起こしました。
 発端は、1年生の担任をしていた5年前。新たにラグビー部の顧問を担当することになった西本さんは、海外への研修旅行の担当も任され、次第に仕事が追い付かなくなっていったといいます。
 西本武史さん:「個人情報に関わることは、学校でやらざるを得ない。自分個人でできる授業の準備などは、さらに夜遅く…」
 仕事の量は積み重なり、「時間外労働」は150時間を超えた月もあったといいます。疲労やストレスを感じたため、病院を受診すると、「慢性疲労症候群」で「休養が必要」だと告げられます。
 しかし、校長らに相談した結果、海外への研修に参加するため、診断書を返却しました。
 西本武史さん:「『いつか本当に過労死するのではないかと考えると怖いです』『体も精神もボロボロです。押しつぶされます』(と書いた)」
 西本さんは、校長にメールで訴えましたが、返信はなく、翌日「体を大事に」と言われただけだといいます。
 その後、「適応障害」と診断され、合わせて5カ月休職する事態となり、「管理職が業務を軽減する措置を取らなかった」として裁判へ。
 西本武史さん:「先生が、きょう来たら(病気で)いない。それは『子どもたちにとって良くない』『何とかしないといけない』。その思いで(提訴しました)
 大阪府は、「教員の仕事は、自主性、自発性に委ねられるところが大きく、校長らの対応は、安全配慮義務を怠った違法なものとは言えない」と反論しています。
 西本武史さん:「これから教員を目指そうと思っている学生さんたちのためにも、良い環境を整えられたらなと」

 かくいうも自分も、勤務先の医療機関もまた、その実態は上記のようなものです。人々が健康を維持・向上等や病気の早期発見等ができるように助力するサービスを提供しているにも拘わらず、正社員自身はほぼ全員が不健康であるという有様で、本末転倒・有名無実であること甚だしいものです。

 国家の維持や復興、並びに、発展や進歩等には、人民の健康や自立、並びに、教学活動や経済活動等が、必要不可欠にして重要不可欠です。そのためには、人間の本源的な「社会性・共同性」を背景にして生まれたもの言語を学び直しては、労働手段(道具や機械)を用いて自然に対して能動的に働き掛け、新しい有形並びに無形の生産物を次々に生み出して、まずは己自身を、そして他者並びに社会を、漸進的に着実に善く変化させ、各個人が肉体的にも精神的にも善く発達し、そして、各組織に社会や国家が文明的にも文化的にも善く発展していく、ということが大切であると個人的に思います。

2 拙作『新労働運動 労働観の省察と勤労意欲の向上』

 そんな上記の想いから誕生したのが、以下の拙作です。

 

 こちらの拙作は、労働に関する倫理的や哲学的な考察を加えては、労働を「肉体労働」「頭脳労働」「家事労働」「感情労働」の四種類に分類して新しい労働運動の内容やその有り方を創り出して、労働観の省察と勤労意欲の向上を図っていくことを目的にした書物です。
 なお、「知識労働」という重要な分類もありますが、自分は、どの労働者達や職業でも、「知識」を重視して欲しいとの願いから、「頭脳労働」という分類を設けて、敢えて「知識労働」という分類を設けませんでした。
 我が祖国ベトナムでは「社会主義に基づく急速な工業化」「ドイモイ」、ここ我が第二祖国日本では「高度経済成長」「バブル経済」等をかつて経て今現在に至り、その功績によって今の経済が在る一方で、それらによってもたらされた数多くの弊害や害毒も在ります。それらを克服や解決しては、人欲や時流の変化に善くかつ正しく適応して、人材育成や技術革新等を行っていくべきではないでしょうか?
 拙作がそれに貢献できるように、奮励努力して研究と著述して参ります。

 そして、拙作は次の二つの先哲の遺徳を参考にして著述して参ります。

-書経-

教うるは学ぶの半ばなり
(人に教えるということは半分は自分が学ぶということでもある)
習い性(せい)となる
(習慣が生来の性質のようになっていく)
人を玩(もてあそ)べば徳を喪(うしな)い、物を玩べば志を喪う
(人をもてあそぶようなことをすれば徳を失い、物をもてあそぶようなことをすれば志を失う。 ※成語である「玩物喪志」の出典)
過ちを恥じて非を作(な)すなかれ
(過ちを改めることをためらって、過ちを重ねるようなことをしてはならない)
皇天は親なし。惟(た)だ徳をこれ輔(たす)く
(天は人を選んで親しくするようなことはしない。ただ徳のある人を助けるのである)
百姓(ひゃくせい)昭明(しょうめい)にして万邦(ばんぽう)を協和(きょうわ)す
(広く人民の生活が成り立つように取り計らい、さらに他の国々まで仲よく共存せしめた。 ※「昭和」の元号の由来となった言葉)
地平らかに天成り、六府(りくふ)三事(さんじ)允(まこと)に治まる
(地上は平和に収まり、天は順調にめぐり、六つの府庫は充実して国民は生活に満足している。 ※「平成」の元号の由来となった言葉)
汝(なんじ)、面従(めんじゅう)し退いて後言するあるなかれ
(面前では従うフリをしながら、退席すると陰口を叩くなどあってはならない) 

-ティルックラルதிருக்குறள்-

公正であることをやめ、不正を行わんとするとき、
心の中で、「私は滅びるであろう」と知るべきである。

他人の非を暴く者は、
自らの非を探られ暴かれる。

もしも自分を慈しむなら、
どんな悪行であれ近づくな。

努力は富を生み出す。
努力がなければ貧困に陥る。

幸福の中にあって喜びを求めない人は、
不幸の中にあって悲しみのない人である。

繁栄も衰退も言葉より生ずるゆえに、
語るときには口を滑らさぬよう十分に心すべきである。

私の心よ、何て愚かなの。
愛も優しみもない人と言いながら、行ってしまったあの人を追ってゆくなんて。

私の心よ、誰のことを想い、誰の所へ行くの?
あの人はお前の中にいるのに。

戻るどころか完全に私たちを捨てたあの人を心の中に留めたなら、
今度は[お前の]美しさもなくなるでしょう。

二つの世界(現世と来世)の違いを尋ね、
この世で正義を飾りとして身に纏うものの偉大さは、世に輝き出る

意志堅固な人は正しい行いから身を翻すことはない。
それによって不幸が起こることを知って

自分に降りかかった苦難をぬぐい去ってくれた人の友愛を、
<優れた人は>七回生まれ変わっても覚えている

<言葉に>嘘がないということほど優れた称讃はない。
<それは>労せずして全ての徳をもたらす

 先哲の格言に、「仁言利博」とあるが、仁者の言行は、時空を超越して数多くの人々に利益にもたらすものだと、ますます学べば学ぶ程、感慨深く実感します。その利益を大変有難く享受しては、謙虚にかつ挑戦的に学習して、懐疑心や批判的思考に独創性等を以て、現代的・発展的に継承し、仁を修め行って、新しい利益を生み出すことを、自分は志している。確りとこの拙作にて、上記の先哲の遺徳を学習して継承して参ります。

3 結語

 まだ予定や進捗に迷っておりますが、哲学ニュースのサイトの更新の再開できるように取り組んで参ります。

  なお、拙作『新労働運動 労働観の省察と勤労意欲の向上』の前に、『商量録 時の推量・徳の行商・自力更生』を完成させます。

ありがとうございます。心より感謝を申し上げます。