自分を取り戻すための日記　24

2022.5.18　ここではないどこかへ

いつもここではないどこかへ行きたいと思っていた。
いまの私は仮の姿でいつか本当の私になれるんだ。
これは世を忍ぶ仮の姿だ。
と、長い間思ってきた。

小さい頃は自分の周りの現実があまりにも辛すぎて、そう思わないと生きて行けなかった。
生き延びるために先の希望が必要だった。

いつか、いつか、この地獄から抜け出せる。
いつか私を救い出してくれる人が現れる。　
あと少し痛みを我慢したら、私は楽になれるし、愛され大切にされ「ここにいてもいいよ」と言われるんだ。
と、そう思っていた。

でも、いつまでたっても私はどこにも行けないし、いつまで待っても誰も助けに来てくれない。
本当の自分になれない。
いつまで我慢しても痛みはなくならないし、より一層傷は大きくなり、痛みは全身に広がっている。

私が行ける場所なんて、受け入れてくれる人なんて、そんなもの初めからなかったのだ。

目的地もわからないのに、行けるはずがない。
本当の私なんかどこにもいない。
真の姿なんか最初から存在しない。
いまの私が、私の全てだ。

子どものときは自分の居場所を選べない。
でも、大人になったら、自分の居場所は全部自分で選択しているのだ。
いま自分がいる場所がどんなに嫌な所でも不快な所でも、そこを選んでそこにいるのは自分なのだ。
地獄に座り続けているのは自分の意志なのだ。

ここではないどこかは存在しない。
待っていても誰も助けてくれない。
自分の足で立ちあがり、自分の足で踏みださなければ、永遠に道は開けない。

みんなもう遠くに行ってしまった。
私だけが取り残される。
泣いても悔やんでも怒りに震えても仕方がない。
全部自分のせいだ。

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