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夢と現実の間

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#小説

吸い殻

彼女が残した吸い殻を思わず、写真に撮った。

僕が吸っていた銘柄とはまたちがう彼女の煙草。

そこに彼女が確かに存在したことをのこしたくて、写真を撮った。

その数ヶ月後、彼女は別の男のところへいった。

その頃にはもう覚悟していたのもあって、そこまでつらくはなかった。

ただ涙がもう枯れていただけかもしれない。

しあわせになってくれればいい。

そんなふうに自分に言い聞かせて。

最後に残った

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ぬくもり

あたたかいものに触れずに育つとじぶんの体がつめたいことなんて知らずに大きくなる。

一度でもあたたかいものに触れると、なぜだか知らないが涙がでて、じぶんは人間だったんだと思い知る。

そしてあたたかいものを知った体は、つめたいままでは満足できない体になってしまう。

それがいいのかわるいのかはわからない。

いちど知ってしまったぬくもりを求めつづけてしまう。

それが人間というものなのかもしれない

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昼下がり

超ってことばを使わなすぎて、蝶が先に来て、超って言葉を探すのに時間がかかった。

そんな昼下がり。

お昼寝したくなる時間。
さっき食べたはずなのに、小腹がすいてくる時間。
昼下がり。

ぼーっとする昼下がり。
今日はすこし寒いけど、春とか秋ならぽかぽか陽気でピクニックに最適な昼下がり。
ピクニックしたいな。
ピクニックは本気だすスタイルなので、ブルーシートではなく、布を持って行って、公園の近くの

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モーニングルーティン

お風呂いれて、せんたくして、お湯沸かして、ご飯たいて、それだけで仕事できる感だしてる大人はこちらです。えっへん。

そんなことを書いて調子に乗ってたら、ラグがすべりコーヒーがこぼれ、ティッシュを取ろうとテーブルの上のコップの中に入った少量の水に気づかず、そちらもこぼしました。

今日もいい天気ですね。こちらは白と青の世界が共存しているすこし切ないような、その先にはあたたかいものが待っている、そんな

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もうふとおふろ

めっちゃおおきなあくび。誰かさんのがうつったかな。
もうふとおふろに呼ばれている。
おふろと付き合ってから、もうふと結婚かな。
よりもうふの必要性、もうふへの愛を感じるためにおふろを経由する。
過去にすきだった女性たち、憧れていた男性もそのひとたちのおかげで今の僕がいる。
今だからこそ好きになるひともいるだろう。
だからこそすきなひとの過去のパートナーの話を聞いてもその人たちのおかげであなたと出会

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