吸い殻

彼女が残した吸い殻を思わず、写真に撮った。

僕が吸っていた銘柄とはまたちがう彼女の煙草。

そこに彼女が確かに存在したことをのこしたくて、写真を撮った。

その数ヶ月後、彼女は別の男のところへいった。

その頃にはもう覚悟していたのもあって、そこまでつらくはなかった。

ただ涙がもう枯れていただけかもしれない。

しあわせになってくれればいい。

そんなふうに自分に言い聞かせて。

最後に残ったのは僕だった。

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