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宛先のない手紙 vol.2

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ほぼわたしの考えを垂れ流すエッセイのようなもの。その2。
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#雑記

「つらい」は誰にも侵されない

「つらい」は誰にも侵されない

書き上げては下書きに放り込むことを繰り返していた。思考回路がブツ切れで、靄の中にいるみたいだ。小さな虫が頭の中を這いずり回って、回路を食い散らかしているような気がする。ブツン、ブツンと遮断され、スムーズに思考が働かない。リハビリがてらnoteを書き、下書きに送り込む。今日は公開できたらいい。



以前よりも音に弱くなった。特に子どもたちが騒いだりはしゃいだりする声がダメで、母親なのに我が子の声

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新年、厄祓い、友人のこと

新年、厄祓い、友人のこと

年末、「年明けに厄祓いに行こうや」と友人に誘われた。数え年で33歳。女性の本厄なのだと聞かされる。

昨年が前厄だったことも把握していなかった体たらくなのだけれど、「行く行く」と返事をする。厄祓いは父のときに家族で行った以来だ。

厄年を信じているわけではないのだけれど、父のときに聞いた「何かあったときに“行っていたら”と思わずに済むため」の言葉が記憶に刻み込まれていた。

父も「後悔するよりまし

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年末年始、ハレとケ。

年末年始、ハレとケ。

紅白を見るでもなく、年末特番を見るでもなく、ただあてがわれた寝室で過ごす大晦日。今年も義実家に滞在中だ。

年末感がないままに、2018年も終わりを告げる。来年は本厄らしい。正月早々、友人の誘いに乗り厄祓いに行く予定だ。ただ、それも別に年始感のある予定ではない。大阪に実家がある東京在住仲間ゆえに久々の再会ですらない、ただの日常なので。

精神的な浮き沈みが激しいため、なおのこと淡々と日々を過ごして

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サンタクロースがくれたもの

サンタクロースがくれたもの

クリスマスイブが終わり、クリスマスが終わった。今年もいよいよ年末だ。そんな実感は1ミリもなく、帰省の準備もまだ何もしていないのだけれど。

サンタクロースについて、「○歳まで信じていた」「信じていなかった」「そもそもはじめからサンタは来なかった」など、いろんな人の話が飛び交っていた。なかには、「サンタシステムの意味は?」みたいなものも。

わたしのなかでは、今でもサンタクロースは「いる」ことになっ

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夜に滲む

夜に滲む

深夜のマクドナルド。

午前2時過ぎだというのに、2、3歳くらいの子連れの男女が来店して目を見開く。

子どもをこんな時間に蛍光灯の下に連れ出す是非はおいておく。夜泣きに参って外に連れ出さざるを得ないことがあると知っているから。(夫が連れ出さないとダメな子どもだったらしい)

年の差夫婦なのかなあと思っていたら、男の子が「○○さん」と名前呼びをしているのが聞こえる。テーブルをひとつ挟んだ向こう側か

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たった5年、されど5年

たった5年、されど5年

先日、次男が5歳になった。生まれてから5年経ったという事実にぞっとする。

この5年はあまりにも早かった。突風のように過ぎ去った5年の間に、わたしは彼に母の役目を果たせていただろうか、と思う。

次男が生まれて半年後に、わたしは子連れでポスティングを始めた。長男がベビーカーで、次男が抱っこ紐。毎週1、2日ちらしを配って、およそ5,000円。その後エリアが増えて1万円ほどになったけれど、微々たる額だ

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勝手に救われる

子どもの体調不良がとうとうわたしにうつり、そこに生理が重なった。気分は最悪。

そこに追い打ちをかけるようにして、子どもがとあることをやらかした。この出来事について、まだわたしは消化しきれていない。どうすればいいのかわからずに、最後は訴えながらはじめて子どもの前で涙を流してしまった。伝わってくれていたらいいのだけれど、それもまだ、わからない。

こうした諸々が重なって、フィジカルもメンタルも倒れ伏

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腹痛と暗黒の狭間で

腹痛と暗黒の狭間で

目覚めたときの雰囲気で、「あ、今日はイマイチだな」と思う日がある。今日はそんな日だった。

みるみるうちに黒い雲が立ち込めて、体も頭も重くなる。まいったなあと思いながら、睡眠不足でもないのに椅子の背もたれに身を預けてまどろんだ。

ぱちりと目を開ける。30分も経っていない。寝て起きてもやっぱりダメで、はたと「ああ、PMSの時期なのか」と思い至る。たぶん、だけれど。

たいがいメンタルが激しめに上が

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受容と我慢と諦め

受容と我慢と諦め

「女性の方が順応性が高い」という言葉を目にしたのは、どこでだっただろう。

真偽はともかく、今の日本では、まだまだ女性のライフスタイルの方が大きく変わりやすいのは事実だろう。女性側に意識がない限り結婚して姓が変わるのは女性だろうし、出産は女性にしかできない。否応なく体の内部も見た目も変わるし、体質の変化は出産後にも訪れる。

だから、「女性の方が順応性が高い」のだ。……と読んだ記憶がある。聞いた、

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「当てはめる」ことで失う自由

「当てはめる」ことで失う自由

相変わらず、わたしのメンタルは七転八倒を繰り返している。かろうじて起き上がり続けられているので、八転び九起き。でも七転び八起きとは言えない、そんな感じだ。

「これはあかんやつだなあ」と思いながらも、最終的には浮上してくるので、何だかんだと原因はわからないままだ。原因というか、時として病名というか。

「メンがヘラって」たり、「メンタルがおぼろ豆腐」だったり、「キャパオーバー」だったり、「ジェット

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「〜なんだって」に揺らがない

「〜なんだって」に揺らがない

素直さは美点とされる。「素直だね」と言われて、その言葉をネガティブに捉える人は少ないだろうと思う。

でも、ただ素直であることと、鵜呑みにすることとは異なる。

他人が言う誰かの評判をそのまま信じ込むのは、時として危険であり、またもったいないことだ。特に、「いい人」「悪い人」のような根拠がはっきりしないことは、主観によって変動する。周りの人間がみんな「よくない」と思っていたとしても、自分にとっては

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そこそこ、それなり、ある程度の「先」

そこそこ、それなり、ある程度の「先」

ピアノの即興演奏が得意だ。正確には、「だった」かもしれない。今、家にはピアノがないから。

わたしが習っていたのはヤマハで、ヤマハには資格として「グレード試験」というものがあった。即興演奏は、試験内容のひとつでもある。

試験としての即興演奏は、その場で見せられた楽譜を定められた時間見て、制限時間を終えたタイミングで「はい、弾いてください」と言われていきなり弾くことだ。初見とも呼ばれていた。

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倒れ、お粥から固形食、そして復活(仮)

倒れ、お粥から固形食、そして復活(仮)

地下鉄の揺れを心地いいと感じられるのは、きっと座れているからであり、揺れがさほど大きくないからだ。

何事も加減が大切であり、何も揺らぎがまったくない状態でいたいと思ってはいない。それはそれで、ただの「無」に近いものだから。機械的には生きられるけれど、生きたいとは思えない。ただ、波形が緩やかであってほしいと思う。

急転直下したメンタルを引きずって、どうにかせねばと岩盤浴に駆け込んだ。5分うつ伏せ

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見えるもの・見えぬものへの配慮

見えるもの・見えぬものへの配慮

「健常者はエレベーターに乗るな!」

改札前にあるエレベーターの扉が開いた瞬間、高齢女性の怒号が聞こえた。次いで、わたしの前にいたおじいさんが振り返り、「うるせえ!」と叫び返す。今朝の出来事だ。

ふたりの間に何があったのかはわからないけれど、朝から嫌な気持ちになった。

エレベーター乗り場を横目に見ながらエスカレーターに乗ったけれど、エレベーターに待ちができていたわけではなかったし、降りてきた人

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