逆噴射1分差

【餅】「逆噴射小説大賞私的ピックアップ」DAY1-DAY3(2018.OCT.08-10)

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初速だ。全ては最初の一撃で決まる。逆噴射プラクティスを学んだ「銃撃」「ハードボイルド」「人が死ぬ」の三拍子に対して一発目に「魔法力士」をぶちかまして上書きしてやる。

俺は「弾薬庫」から20世紀最高の「140文字文学」を運び出し磨きに磨いた。4クールアニメの最終回1つ前くらいのフォーマットをなぞることで語り過ぎずに芳醇なバックグラウンドを醸し出す。いつもの手法。それは簡単な仕事になるはずだった。

2018.OCT.07 23:55。

「実弾」をスタンバイ。
あとは狙いを定め引き金を落とすだけ。
Noteのモバイル版は信用できない。昔ながらのやり方(デスクトップ)が一番だ。

2018.OCT.08 00:00。

逆噴射小説大賞の応募開始。デジタル時計とサーバ時差を考慮して1分待ち、引き金を落とす。終わった。

00:00

えっ。

「銃撃」「ハードボイルド」「人が死ぬ」の三点バーストで俺は撃ち抜かれ死んだ。全ては水泡に帰し、復讐心だけが残った。

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ここまで約400字。改行と画像を除く。「逆噴射小説大賞」はこのような400文字パルプを撃ち合う真の男のメキシカンスタンドオフだ。

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#逆噴射トーバー を堪能してますか? 

どうも、お望月さんです。
「逆噴射小説大賞」には3日で100件を超える投稿があり、さすがに読み切れないという人もいると思います。今回は特に投稿が多かった最初の三日間に絞って私的なピックアップ作品を紹介していきたいと思います。

逆噴射小説大賞 #とは

ピックアップは極少数で完全に「私の好み」の独裁制です。必然的に「ストレートな銃撃MEXICO」は外れていきます。(質ではなく選者の好みの問題です)そのため多数のピックアップ漏れがあるので読者のみなさんの「推し」も教えてください。よろしくお願いします。

DAY1(2018.OCT.08)「狂乱と銃撃の初日」

一部のおすもうを除けば、逆噴射風にハードな銃撃のMEXICOが多くラインナップされた。

トップランナー アロハ天狗氏の「アリシア・スノウが死ぬまでの48時間」は、読者の要求に完全に応えたハードボイルド作品でストレートな要素の並べ立てひねりの効いた首がもげるようなフックをお見舞いしてくれる。

◆TAI2.kX92wさんの「巣に就く者」は非常にユーモラスな作風でハードな設定とのギャップが効いている。「子連れ●●」はギャップが大きいほど効果的であるという学説通りの一撃で一発目にコレを持ってくるセンスにすっかりTAI2さんのファンになってしまった。(ファンのひいきになるので他の作品はこの場では紹介しません)

唯野さんの「爆弾魔女の取扱方(失敗例)」は問題作だろう。完全にオチまでついているので「続きが気になる長編小説の一部」という点では評価しにくい。ただ、抜群に面白いのは間違いないので何らかの敬意を表したい作品だ。

DAY2(2018.OCT.09)「おっ、盛り上がってるじゃん俺らも混ぜてよ(クッチャクッチャ)の二日目」

初日の勢いのまま次々と参戦者が出現する。出場者枠が増えるとジャンルの幅が増えて健全に逆噴射のすそ野が広がっていく。パルプだ。

とう腐さんのメタフィクションファンタジーは、筆者の元に時空を超えて創作物のキャラクターが出現するタイプの世界大戦だ。本気で完結まで書けるのか、とんでもないスケールに手を出した勇気をピックアップします。

「ロボラヴ!!」はふらっとさんの持ち味を活かした微笑ましい作品で主人公とロボの関係性に悶えることになる。「行き過ぎたサイバーパンクは日常モノと区別がつかない」たしかリドリー・スコットの至言だったと思う。

「粉ふるいは今日で終わり」はzealotofBWさんの一見してジャンル不明の作品だけど、よく読むと小麦粉と共にバイオレンスとリベンジの香りがしてくる。ムカつくヤツとの急造バディアクションだ。みんなも好きだろ?
そして筆者コメントで作品のモデルとして「日の出通りいきいき商店街」が挙げられていたので、当然私が好きにならない理由がなかった。

DAY3(2018.OCT.10)「ラブコメとネコちゃんと狂気人形の三日目」

3日目。主流派が伸長したことでオルタナティブが発生し始める。一筋縄ではいかない作品やすでに投稿した作者の2作目、3作目が火を噴き始める。サンダンウチ・タクティクスである。

篠田恵さんの「運命の相手が届きました。」は、ついに逆噴射パルプ誌に出現した完全なるラブコメであり、一発で好きになってしまった作品だ。小道具が効いていて「Amazonで婚活」「冷凍された未来人」「過去に発送」「全裸成人男性※」が最小限の言葉でアリアリと目に浮かんでくる。※ご本人よりTwitter上で「全裸ではない。たしかに書いてないけど!(笑)」とご指摘を受けました。申し訳ございません。
格別なのはハーゲンダッツの描写で「黙って冷蔵庫を漁って、よりによってハーゲンダッツを選んで勝手に食う」という凄まじい情報量の性格描写が詰まっています。

「スパイン・ザ・リベンジャー」は牧野さんが「猫好きである」ことは当然すぎて意識をしていなかった。ので意外な展開に打ちのめされた。視点の転換が見事で這いまわった「人物」の視点が別のモノの視点であったことや「見下ろしているはずが睨み上げられている」という転換が巧みで小説体験をしてしまった。

へるまさんの『無機物マン』は1行目で10億点なのに1行ごとに点数が倍になっていく凄まじいパワーの持ち主だった。このまま連載をしてもらって「無機物マンたち」の辿り着く場所を読みたい。

私はただの餅辺さんファンなのでエコひいきしないように気を付けていますが「パパラッチ・ヴァーサス・ロボ総理」を紹介しないわけにはいかないでしょう。タイトルと設定と無機物マンじゃなかった。ロボ総理。論理と倫理の闘いが幕をあける。完璧じゃん。

以上です。

未来へ

もういいだろ……これでまだ3日目ってところだよ。
わかるだろ!?めちゃくちゃにやられたんだよ!!めちゃくちゃに!

これ以上は我慢できねえ!
俺たちにできることはヤリ返すことだけだ!!

「「「押忍!!」」」

まだまだ逆噴射小説大賞は続く。
2018年は10月は「逆噴射トーバー」であることがますます証明された形だ。ここでピックアップしていない猛者もたくさんいるので、みんなも推し逆噴射を探してみてくださいね。教えてください。

※私は逆噴射開始時にこんなことを言っていましたが、ここまでパンデミックすると思わなかったので申し訳ない気持ちでいっぱいです☆


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