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豊かさを放てる人。

このnoteを始めて、今日でちょうど1年。

記事数は少ないが
途中でやめずに続けられたことを誉めたい

夏休み最終日。

昨日、夏休みが終わるってことで
家族で夜景が素敵なお店へ
ディナーに行ったときのこと。

その前に寄った場所に
夫が忘れ物をしてきたことに、
ソファに座る段になって気づいた。

貴重品だ。焦りまくる夫。

電話をしたら、
そこで預かってもらえてることが分かった。

「ちょっと今から取ってくる」

と、呆然とする私たちを置いて
夫はひとりタクシーに飛び乗り、
取りに行ってしまった。

残された私と子どもふたりは、
まだ料理も頼めていない状態だ。

さて、どうしよう。

待ってても仕方がないので
女性のスタッフさんに事情を伝えてみた。

それを聞いた若い女性のスタッフさん、
明らかに不機嫌だ。

なんで?

注文を待たされるのが嫌なのか、
子ども連れで
ワチャワチャしてる感じが嫌なのか。

もちろんファミリーOKのお店を
選んでるから
そこらへんは不機嫌になられても、なんて
こちらまで腹立たしくなってきた。

感じ悪いわあ。
このお店、失敗?

なんて。
こういうとき、無意識に思ってしまう。

しばらくして
夫がハーハー息を切らしながら
戻ってきた。

「ほんとにごめんね」

と私たち家族に即謝る。
そしてすぐスタッフさんに

「ほんとご迷惑かけて申し訳ない。
すみませんでした」

と、ものすごく自然に謝った。

それを見た私、ついつい

「いや、その人、
我々のこと嫌いっぽいから。謝っても無駄だよ」

なんて意地悪なことを
思ってしまうんだよなあ。

でもね、それを聞いた女性スタッフさん、
一気に表情と声が変わったんだ。

「無事に見つかって良かったですね」

とほんとに嬉しそうに言ってくれてる。

「ああ、これが
彼女本来の接客スタイルだ」と分かる。

その後は大変に感じが良く、
私もそのあとは
素直に会話ができるようになった。

「なんかよく分からんけど夫、すげー」
と、夫を尊敬のまなざしで見てみたら

夫はお肉を一口一口噛み締め、
「幸せだなあ」
と呟きながら目を閉じていた。

帰ってきてから
このことを再度考えてみた。

そしたら分かった。

不機嫌になったのは、私の方が先だった。

ワクワクしながら入ったレストランで
いきなり「忘れ物した!」と言われ、

すべてがぶち壊しになった気分。

たぶん私はスタッフさんに
「ごめんなさいね」という言葉さえ
かけていない。
不機嫌なままに、用件だけを
ワァ―ッと伝えたんだろう。
そりゃあ、彼女もイラつくよなあ。

と猛省した。

こういうときこそ。
「豊かさ」を放てる人間で在りたいと
つくづく思う。

忘れ物をした夫に腹を立てる、とか
不機嫌なスタッフに腹を立てる、とか

そういった感情に呑まれる前に
状況を俯瞰した上で
振る舞い、
言葉を発せられる人間で在りたい。

良い人であろう、とか
場の空気を読もう、とかいう
偽善的なものではなく。

私のご機嫌は、どんな外界の事象にも
傷つけられることはない。
なんなら私のご機嫌で
相手の不機嫌を呑み込んでみせよう。

という、肝の座り具合の話だ。

とりあえず今、
まだ夏休みの宿題が終わっていないのに
一向にする気配を見せない息子に

つい口を出したくなるシチュエーションにいる。

だがここは肝を座らせ、
黙って見守ることにしようと思う、

夏休み最終日、

なのだな。

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