【SLAM DUNK GI】124話「新たな挑戦」
河田雅史、24歳シーズンはルームショー埼玉の連覇で幕を閉じた。公約通りの連覇を果たした河田はいよいよ海を渡る。
オフシーズン、河田雅史海外挑戦プロジェクトの支援者をむかえ、壮行会が開催された。
「ルームショー埼玉の河田雅史は、オーストラリアリーグであるNBLの下部リーグABA Coca Colaリーグ、通称ABA Cリーグ所属、メルボルン・キングスのゲストプレーヤー枠としてレンタル移籍をします。またこのABA Cリーグの魅力的な部分としては、NBLからオファーがあれば10日間契約が可能であり、個人昇格も可能な点です。」新田
司会:河田選手、いまの率直な気持ちは?
「JBAリーグ連覇を果たし、すっきりしていますし、わくわくもしています。このプロジェクトを提案してくださった新田裕一さん、受け入れて頂いたルームショー埼玉、支援してくださった全ての人達に感謝しています。」河田
司会:NBLへの個人昇格も魅力的だが?
「オーストラリアはレベルの高い国です。そんな簡単ではないと思っています。2年前、財産は貯めたほうがいいと感じ悩んでいましたが、今まさにその財宝を求め、海を渡る気持ちです。その財宝が何なのか?負けるという経験だけが、それにあたるとは思っておりません。その答えをまた2年後、還元できるようにと思っています。」河田
司会:レンタル終了後、またルームショー埼玉でプレーを披露していただけるのですね?
「2年がかりでプロジェクトを進めていただき今があります。その恩返しはするべ、、。です。」河田
その間、
日本ではテルノン会長の国際試合、国際大会禁止宣言が唱えられ、バスケット界は大きく動いていた。
その象徴と言えるのが、
ユナイテッド・ジャパン・リーグ、
三田良佑のチェアマン就任とUJBリーグ開幕である。
UJBリーグ設立補佐官として奔走する木暮公延と三田良佑は、アメリカにいた。
三田良佑がオーナーとなり新規参入させるプレパラシオン東京に流川楓を招聘しようと会談をしていたのである。
「木暮さん、流川さん どんな感触だと思いますか?」三田
「三田さんの言葉、響いたと思いますよ。私も流川がプレーするのを見たい。本人もプレーに飢えていますよ。きっと。」木暮
「私もそう思います。流川さんが日本でプレーすることで遅れていた日本バスケット界の針を急速に進めていきたいですね。」三田
「サッカーJリーグ開幕は急速にサッカーの歴史を進化させた。その象徴が三浦知良選手ですよね。」木暮
「みんなが憧れましたからね。そういうスターが必要です。世界的知名度のある海外のスターも来日しましたし、ヴェルディっていうスター軍団があったというのもよかった。そういうチームも必要だとおもったんでね。自らオーナーになるなんてびっくりですけど(笑)」三田
「そういうことならぜひ三田さん本人がくどいてほしい選手がいますよ。」木暮
「ほんまですか? 誰です?」三田
「メルボルン・キングスの河田雅史選手です。」木暮
「三田さん、オーストラリア、メルボルン・ビクトリーでプレーしていましたよね?ついでに観光案内お願いしますよ(笑) オーストラリア行ったことないなぁ(笑)」木暮
「メルボルン。 久しぶりやなー。 いいっっすね。」三田
木暮と三田は、UJBリーグのスター選手として流川楓に続いて河田雅史に目をつけた。
まずはルームショー埼玉のチーム関係者とアポイントとり、三田良佑は新田裕一と会談の機会を設けた。
三田の思惑と新田の展望が必ずしも交わるとは限らない。
事実、ルームショー埼玉に籍がある河田雅史を手放すなんて考えたくはない。
河田がメルボルン・キングスにレンタル移籍後、ルームショー埼玉は3連覇を逃した。
そして今シーズンも王者奪回が難しい現状だ。
来シーズン以降の河田の去就がチームを担っていると言っても過言ではない。
しかしクラウドファンディングを取り入れる等、新しいビジネスシーンを開拓してきた新田にとって、UJBリーグの開幕、三田良佑の考えには賛同する気持ちもあったのは事実だ。
「三田さん、当然、私の一存で決められる案件ではありません。何より河田さん本人の声が必要でしょう。ビデオ通話もありますが、オーストラリアに行きませんか?」新田
「その通りですね。オーストラリア、メルボルンはよく知っています。行きましょう。」三田
シーズンが終盤に差し掛かる頃、新田は河田に今後の契約について、交渉の場を設けたいとアポイントをとり、オーストラリアに飛んだ。
ルームショー埼玉のスポンサー、何より河田雅史のよき理解者であり、プロジェクトを立ち上げ、
河田雅史を支援する新田裕一、
UJBリーグ設立補佐官、JBA理事でもある木暮公延、
様々な顔を持つが今回、
プレパラシオン東京のオーナーとして交渉の席につく三田良佑、
4者会談が開催されようとしていた。
続
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