「歩く」というのは最高の趣味なのだ♪24
「脳」に刺激が伝わるように歩く方法
剣道や柔道、相撲、あるいは能、狂言や日本舞踊など、日本古来の武道や芸事の足さばきは「すり足」が基本になっている。
つま先を大きく上げずに、床と平行にすっすっと足を運ぶ。
これは脳を刺激し、活性化させる素晴らしい歩き方だ。
人間の遠い祖先が二本足で立ち上がったときのことを想像してほしい。
想像するよりも実際にやってみる方が簡単だ。
四つん這いになって、そのまま立ち上がってほしい。
二本足で立つときにどこに力がかかるだろうか?
やってみるとわかるのだが、それはつま先なのだ。
我々の遠い祖先が、あえて安定性のある四つん這いの姿勢を捨てて、二本足で立ち上がろうと努力を始めたとき、懸命になってつま先で立つ練習をしたはずだ。
その進化の過程は、「はいはい」から立ち上がろうとする、一生懸命の赤ちゃんに見ることができる。
つかまり立ちをしている赤ちゃんをよく観察すると、足先がぎこちなく下を向き、つま先立ちしていたのかもしれない。
しかし、こうしてつま先に神経を集め立ち上がる努力をしているうちに、つま先と脳が太い神経で結ばれることになった。
脳への刺激はかかとよりつま先の方がはるかに大きいのだ。
だから日本古来の歩き方であるすり足は、脳への刺激がかなり大きく、脳を活性化させる歩き方と言えるのだ。
建築現場で働くとび職の人たちは、地下足袋を履いている。地下足袋のゴム底はかなり薄く、地面や足場の感触が足裏に伝わりやすくなっている。
この方が細い梁の上などを歩き安いのだそうだ。
足裏に神経を集中してすっすっと歩く。
建築現場は、釘が突き出た板が落ちていたりして、危険もある。
しかし、ネコのように足裏に神経が行き渡っているので、危険物に軽くふれても踏み抜かないという話を聞いたことがある。
だから私たちも歩くときはとび職の人たちのように、つま先を意識したい。
ドスドスとかかとから歩く人がいるが、膝への負担が大きいばかりか、つま先からの刺激がほとんど脳に伝わらない。
もう少しつま先にも意識を集めるようにすると、歩きながら脳も活性化させることができるはずだ。
つま先に神経を行き渡らせると、足先がピッと伸びて歩きも美しくなる。
筋肉の伸縮が脳に刺激を与え、脳を活性化させるのだ。
つま先に神経を行き渡らせるのが難しければ、階段や坂道を上がるときにちょっと意識してみてほしい。
これだけでも十分効果があるはずだ。
・・つづく・・
次の記事 『歩くスピードを変えると脳が活性化するのだ』
【参考書籍】『歩くとなぜいいか』(PHP文庫)大島清著
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