《政界細片》安倍政権の継承者が敗れて回避された国難
◎自民党総裁選で石破茂氏が決選投票の末、高市早苗氏を破り5度目の挑戦で悲願の総裁に就いた
これだけ党内で冷遇され、総裁選に4度挑戦し敗れてもなお初志貫徹する石破氏の強靭さに驚いた昨日の選挙結果だった。
少ない議員票に対し強いといわれた地方票でも高市氏にリードを許したが、小泉氏の大失速により2位で決選投票に臨んだ石破氏。高市氏の地元は万歳三唱で余裕の空気、筆者も彼の善戦はここまでで万事休すかと思ったが、フタを開ければ結果は大逆転で石破氏が新総裁に選出された。
選挙戦をライブ中継していたテレビ開局のキャスターや政治評論家もこの結果に驚きを隠せず、何よりも地元鳥取で見守る夫人が信じられないと戸惑う表情が印象的だった。
ルールを守れない人にルールを守る政治が出来ないと指弾された高市氏
今回の敗因は私の力不足と語り、意気消沈した表情の高市氏。1回目で議員票・地方票共に1位だったから無念は相当なものだろう。しかし、「カネのかからない選挙」をめざし総裁選の告示日の前後を問わず、期間中に政策パンフレットの送付を禁じた党選管の通達を無視して大量の文書を配布した高市氏の開き直る態度が票差にもつながったかもしれない。幹事長ながら総裁選では泡沫候補だった茂木氏が、いみじくも「ルールを守れない人にルールを守る政治は出来ない」と述べたことが、他陣営の気持ちを代弁し高市氏決選投票敗北の一因とも言えるだろう。
辛うじて良識は自民党にもあった
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