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制作日記:詩画集「胡蝶の夢」掲載作品について

詩画集「胡蝶の夢」を掲載して1週間が過ぎました。
少しずつですが、ご興味を持っていただいているようで嬉しいです。
制作日記で〈詩画集制作過程〉の事は書いてきましたが、今回は掲載作品の事について触れたいと思います。


庭に止まっていたアゲハ蝶


掲載作品について

*は原画掲載第一弾としてウェブショップに掲載しています。
9月上旬に第二弾掲載を予定しています。
簡潔に作品について書いてみました。

胡蝶の夢・黄昏*


この作品は〈胡蝶の夢〉という言葉が浮かんだ、詩画集制作のきっかけになった作品です。父を見送った後に自身を振り返り、今までの事や後悔を抱えながら明日に思いを馳せる心象を描きました。

「胡蝶の夢」PDF版表紙(胡蝶の夢・黄昏)

啓示*


「〈蝶〉をテーマにペン画で何か描こう」と思い立ち制作した作品の一つ。
ヒラヒラ舞う姿は漂う魂や思いに似ていてるような気がします。
〈虫の知らせ〉という言葉は【よくいない事が起こりそうなことを感じる事】と言いますが、不意に何かが起こる様な予感がする感覚だと思うのです。そんな自身の体験を制作しました。

戯れ*


「啓示」と共に描いた一枚。子供の頃に同年代が蝶や蜻蛉をむやみに傷つける場面を思い出し、〈自分以外の人の気持ちを分かる事が出来なかった〉当時の自分とその事に気が付いた今の自分の心情を制作しました。

夢幻*


6月に参加した「幻想の扉」に参加した作品。
夢や幻、思い浮かぶのは〈悪夢〉なにか辛い環境にある時や悲しみに暮れた時に見るのは悪い夢。いつもは目が覚めると忘れるものですが、感覚的に覚えているモノのがあります。感触だったり心に圧し掛かる重いものと言えばいいのでしょうか?そんな夢ほど、自分の認めたくない願望や幼い頃の記憶が混ざっているものが多いのではないかと振り返ります。
自身の〈悪夢〉の感覚を思い出して制作しました。

彼岸


この作品では短編を書きました。
「啓示」「戯れ」を見ていて浮かんだもので、自身の後悔を詩にしてみようとしたら短編になりました。
「なくしてはじめて気が付く事」そんなことを体験する事が少なからず人生にはあるのではないのでしょうか?
私の場合は介護を経験し後悔や自身の限界に気付いた経験があります。
命日が来るたびに、お盆が来るたびに振り返る事が多いです。
振り返り思う事は「分かり合うのには努力が必要だったこと」これは、介護以外の日々の生活でも感じる事だと思います。
〈故人を思い気付く事〉
長年、抱えていた悩みが気付く事で姿を変えた自身の経験を織り交ぜて制作しました。

羽化*


水彩画をはじめて〈自身の気持ち〉をはじめて描いた作品です。
色彩心理を受講して自分を掘り下げいろいろな事に気付き認めてきました。不思議な事に〈自分〉というものを認めるといろいろな変化が起こりました。
モノトーンの世界で制作してきたのに色がついてきたり、今まで拘ってきたことがもう自分には必要が無い事に気がついたり。
少し体が軽くなり明日を見れるようになった、そんな自分を描きました。

追憶*


「私はあまり愛されていない」思えば過去に何回かそんな思いに心を患っていた事があります。自分以外の人と比較して「自分は違う」と卑屈になったり、優しく諭されたことを否定してしまったり。
そんな卑屈な時間でどれほど〈大切な事〉を見失ってきたかを振り返り、思う事を制作しました。

胡蝶の夢・風青し


〈風青し〉とは初夏の青葉の頃に吹きわたる爽やかなやや強い風の事。
「今年は私にとってリスタートの年」
価値観が変わって新たに生き直す年であると記事などでも書いていますね。価値観が変化して心が軽く思える今と、これからを想像できるようになった今の気持ちを制作しました。

献花


この作品の副題が〈別れる為に、思い続ける事〉としました。
これは自身の経験を綴った短いエッセイです。
病気の母を10年以上前に見送り、今度は父の介護をする事になった2019年。父の事を深く知ろうとせずに上辺だけで生活をしてきたので、戸惑いも多かったです。しかし2020年のコロナ過で在宅介護を余儀なくされ、父とぶつかる事が多くなりました。
「この人の事を知らなければ」と思った時に父は他界。
母の時は後悔で絵が描けなくなり心を病みましたが、父の時も後悔と悲しみを抱え日々過ごしていましたが、自身を傷つける事はしなかったように思います。
何故だろうと考えた時に「父を知って認めよう」と思えたことが挙げられます。「後悔で故人を縛るのではなく、後悔を認めてしっかり別れを言おう」
そんな自分の今を書き、心に住む後悔を描きました。

胡蝶の夢・朝焼け

「空が青い」と気付いたのは、父の介護中。
一人で考える為に、散歩へ出かけた時でしたでした。
何ををしてもうまくいかず、自分の存在自体を否定しかけた時に見た空はとても新鮮で泣いた事があります。
自身の力の限界を知るのは辛いですが、限界を認めた先に見えた事柄が多くありました。その思いと共に気付いたのは、自分がどれだけ長い時間、下を向いてきたかという事。
もう少し自分の殻の中から出る勇気を持てたら、違う風景が見えたかもしれない。空を見るたびに良く思います。
価値観が変化した現在、これからは後悔を作らないように生きていこうと思う気持ちを制作しました。

掲載作品抜粋

ここ最近


詩画集の掲載が終わりホッと一息「少し制作を止めて頭を休ませよう」と思っても、休むこと自体が不得手なのが困ったところ。
最近、Instagramで人物画制作をよく見ます。
白い画面にだんだんと個性豊かな表情が描かれていく様は感動さえ覚えます。
「思えば、ペン画制作の中で〈表情〉を描いてこなかったな」

最近は〈よく笑うようになった〉
と言われることが多く、昔との表情の変化に気付かれることが多くなりました。もしかしたらその言葉がきっかけで〈表情〉を描いてみようと思ったのかもしれません。
現在は〈豊かな表情〉を描く練習をしています。
またそれを生かした制作が出来ればと思いを馳せています。

使っていなかったデッサン用紙を見つけたので

詩画集「胡蝶の夢」は、note版とウェブショップのPDF版とあります。
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今日は台風のお陰で朝から夜半にかけて外があれています。
家の中でも豪雨の音で気が滅入ってしますね。
危険な強風の予想も出ているので、お気を付けください。
私事、強風や豪雨の日は具合が悪くなることが多く今日も少し横になりました。偏頭痛もあるので気圧の変化にも敏感です。
台風の予報に注意しながら、安静に過ごす一日になりそうです。
皆様も、お気を付けください。


gallery卯月:PDF版掲載/原画第一弾掲載

制作日記


詩画集(過去作品掲載)



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