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Photographer/東京/写真撮りたい人/格好いい写真愛好家。 ギャラリー行った…

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Photographer/東京/写真撮りたい人/格好いい写真愛好家。 ギャラリー行ったり、美術館行ったり、舞台見に行ったり、自転車乗ったり、散歩したり。 https://tune28.wixsite.com/index

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竹芝 その2

最近はウォーターズ竹芝という、ホテル、オフィス、店舗、劇場などからなる複合施設が完成し、人の流れも変わった。もともとは汐留の貨物鉄道ターミナルに隣接するJR以前の…

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4日前

長者丸3

この辺りは90年代のいわゆるトレンディドラマの嚆矢とされた「東京ラブストーリー」(1991年フジテレビ系列)のロケ地としても知られている。これは渋谷や目黒に撮影スタジ…

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11日前
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王子

治水対策により近年では石神井川が氾濫したと言う話は聞かない。本流は水害対策として飛鳥山の地下を貫通しているバイパストンネルを通り隅田川に注いでいるが、かつての複…

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2週間前
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新宿歌舞伎町

世界的にも良くも悪くも知られた観光地、飲食街ではあるが、かつては巨大な劇場、新宿コマ劇場があった。”演歌の殿堂”とも呼ばれ、多くの昭和の演歌、歌謡スターのショー…

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3週間前

銀座の裏道

あまり知られていないが、銀座には多くの「裏道」がある。 そもそも銀座の区画は細長く、建物は通りに面して建てられており、区画の間にある建物の裏側には路地が多数存在…

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1か月前

四谷荒木町

四谷三丁目駅からほど近い北東側に荒木町はある。そもそも四谷は四方に谷があるから四谷ということだったらしいが、その一つがここなのかは定かではない。もっとも荒木町は…

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1か月前
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由比、田子の浦(静岡県)

富士川から清水にかけて、車やバイクでバイパスを行くと景色を楽しむ余裕がない。しかし当然ながらバイパス以前の道はあるし、そこは比較的交通量も少なく、側道を歩いてい…

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1か月前
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長者丸2

長者丸の北側は、港区、品川区、渋谷区の区境が複雑なのだが、それはかつての川の流路をベースにしているからに他ならない。現在でもかつての暗渠跡を見ることが出来るのだ…

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1か月前

山中湖

出かけないと後悔しそうな陽気の日、急遽思い立ってバイクでソロツーリングに出かけた。荷物も少なめ、カメラも忘れた(スマホは持った)。 多摩川沿いから多摩ニュータウ…

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2か月前
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長者丸1

長者丸はJR山手線目黒・恵比寿間の東側、首都高速2号目黒線との間に挟まれた一帯の古い町の名前で、北は小さな谷を挟んで恵比寿ガーデンプレイスに、南は目黒通りに隣接…

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2か月前

桐ヶ谷

この辺りは西五反田ではあるが、古い地名は桐ヶ谷である。今も桐ヶ谷斎場があるし、第二次世界大戦前までは、五反田から出発する東急池上線に桐ヶ谷駅というのがあったそう…

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2か月前

川崎大師

京急大師線は京急川崎で乗り換える必要がある。京急本線は高架を通っているが、大師線は地面に敷設されており、2階のホームから一階に降りるとこじんまりとしたホームに電…

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2か月前

玉の井

現在その地名はないが、玉の井で思い出されるのは永井荷風著「濹東綺譚」だろう。二十世紀初頭当時の東京の風俗を描き、また荷風の分身たる小説家と娼婦との出会いと別れの…

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2か月前

川崎駅前

会社勤めをしていた頃、川崎は職場の最寄り駅だった。その頃には既に駅ビルは完成しており(今のアトレ)、東口の駅前はキレイに整備されていた。少し離れた京急川崎駅への…

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2か月前

札の辻

皇居、東京駅方面から南に降りてきた道が南西に曲がる辺りに札の辻はある。JRの線路も浜松町から田町にむかって南西にカーブし、田町を出た辺りで品川の方に南に向かう。 …

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2か月前

五箇荘(滋賀県)

「何にもないでしょ、この辺り」 案内を頼んだHさんは少し気だるそうに話した。 「いや、そんな事ないですよ。建物素敵だし」 「大きい駅もないしね、周りは山だし、琵琶…

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2か月前
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竹芝 その2

竹芝 その2

最近はウォーターズ竹芝という、ホテル、オフィス、店舗、劇場などからなる複合施設が完成し、人の流れも変わった。もともとは汐留の貨物鉄道ターミナルに隣接するJR以前の国鉄の施設が立ち並ぶ施設だったので、そのため現在も変電所が残り、エリアを通過するゆりかめもの軌道はかつて汐留から分岐して湾岸に至るルートに敷設されていた貨物路線の軌道跡の直上にある。

国鉄の施設はJRに移管された後、90年代にJR東日本

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長者丸3

長者丸3

この辺りは90年代のいわゆるトレンディドラマの嚆矢とされた「東京ラブストーリー」(1991年フジテレビ系列)のロケ地としても知られている。これは渋谷や目黒に撮影スタジオがあり、ロケに便利だったからかもしれない。

主人公、ヒロインの二人の住居とされた建物は現存しているし、なによりドラマ史上に残る名ゼリフが記憶される白金桟道橋、国内に現存する数少ない古レールを構造材に利用した人道橋も健在である。ちな

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王子

王子

治水対策により近年では石神井川が氾濫したと言う話は聞かない。本流は水害対策として飛鳥山の地下を貫通しているバイパストンネルを通り隅田川に注いでいるが、かつての複雑な流れは公園として、また飛鳥山下では音無親水公園として今もその姿を残している。音無親水公園の細々とした流れはJR王子駅の下をぬけて南にカーブし、都電荒川線のホームにそって流れ、トンネルの下を流れてきた本流と合流する。

音無親水公園の辺り

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新宿歌舞伎町

新宿歌舞伎町

世界的にも良くも悪くも知られた観光地、飲食街ではあるが、かつては巨大な劇場、新宿コマ劇場があった。”演歌の殿堂”とも呼ばれ、多くの昭和の演歌、歌謡スターのショーが行われていた他、サザンオールスターズやYMOなど昭和のポップスターのコンサート、平成に入ってからはモーニング娘。のミュージカルなども行われていた。コマ劇場の「コマ」は、舞台上の円形の回る舞台装置がコマのようということで名付けられたそうであ

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銀座の裏道

銀座の裏道

あまり知られていないが、銀座には多くの「裏道」がある。

そもそも銀座の区画は細長く、建物は通りに面して建てられており、区画の間にある建物の裏側には路地が多数存在した。その残りが今だにいくつも残っている。多くは日が当たらず薄暗く、またビルの配管などが配され、人通りはほとんどない。場所によっては働く人の休憩スペースになっている所もある。しかし小さな社が残っていたり、また表通りとは趣を異にする小さな居

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四谷荒木町

四谷荒木町

四谷三丁目駅からほど近い北東側に荒木町はある。そもそも四谷は四方に谷があるから四谷ということだったらしいが、その一つがここなのかは定かではない。もっとも荒木町は都内でも地形マニアには知られた場所で、都内有数の窪地である。その窪地がどうやってできたのかというのはwikiや知見のある方が書かれているので割愛する。

現在の荒木町は飲食店街に住宅街が隣接している。かつては花街・三業地の一つとして知られた

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由比、田子の浦(静岡県)

由比、田子の浦(静岡県)

富士川から清水にかけて、車やバイクでバイパスを行くと景色を楽しむ余裕がない。しかし当然ながらバイパス以前の道はあるし、そこは比較的交通量も少なく、側道を歩いていても心配はない。

由比駅で降りて一駅歩いた。この辺りだと駿河湾にせり出している薩埵峠が名所として有名だが、その前後は海側になだらかに下がっていく地形の場所に街がある。地域の鎮守の神社も階段登っていった先に社があり、昔から変わらない、そこか

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長者丸2

長者丸2

長者丸の北側は、港区、品川区、渋谷区の区境が複雑なのだが、それはかつての川の流路をベースにしているからに他ならない。現在でもかつての暗渠跡を見ることが出来るのだが、つまりこの辺りは川が流れる低地になる。東側は東京都庭園美術館、国立自然博物館付属自然教育園の森が広がり、これらは現役の水源である。

この水の流れは現在の首都高二号線の下辺りをいくつかの筋となって流れ、天現寺交差点で渋谷方面からの渋谷川

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山中湖

山中湖

出かけないと後悔しそうな陽気の日、急遽思い立ってバイクでソロツーリングに出かけた。荷物も少なめ、カメラも忘れた(スマホは持った)。

多摩川沿いから多摩ニュータウンを抜けて道志みち(R413)へ入るルート。通るのは久しぶりだけど、慣れた道だ。城山湖を過ぎた辺りからライダーが目に見えて増えてきた。事故も一件目撃、気を引き締める。

途中の多摩センター通り辺りでは散ってる桜も多かったけど、山間を走る道

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長者丸1

長者丸1

長者丸はJR山手線目黒・恵比寿間の東側、首都高速2号目黒線との間に挟まれた一帯の古い町の名前で、北は小さな谷を挟んで恵比寿ガーデンプレイスに、南は目黒通りに隣接している高級住宅街だ。室町時代に移り住んだ白金長者と呼ばれる豪族の子孫の居住地から長者ヶ丸と呼ぶようになったらしい。由来は白金長者の「長者」と中近世の城郭(館)を意味する「丸」から名付けられたものらしく、長者丸に隣接する地区には「中丸」とい

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桐ヶ谷

桐ヶ谷

この辺りは西五反田ではあるが、古い地名は桐ヶ谷である。今も桐ヶ谷斎場があるし、第二次世界大戦前までは、五反田から出発する東急池上線に桐ヶ谷駅というのがあったそうだ。

落語の「黄金餅」の話の中で亡くなった人を運ぶくだりがあるのだが、下谷山崎町(現在のJR上野駅東側)から上野広小路に出て神田、日本橋、京橋、新橋を経て愛宕下、神谷町、飯倉、麻布十番を通り、今の南麻布あたりのお寺での読経を経て桐ケ谷まで

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川崎大師

川崎大師

京急大師線は京急川崎で乗り換える必要がある。京急本線は高架を通っているが、大師線は地面に敷設されており、2階のホームから一階に降りるとこじんまりとしたホームに電車が佇んでいた。もともと川崎大師へ向かう参詣路線だったそうである。JR川崎駅、京急川崎駅より海側は工場地帯の印象が強かったのだが、今やその工場が撤退、その跡にはマンションが立ち並び、沿線人口が増加しているそうだ。

川崎大師に近い廃工場で撮

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玉の井

玉の井

現在その地名はないが、玉の井で思い出されるのは永井荷風著「濹東綺譚」だろう。二十世紀初頭当時の東京の風俗を描き、また荷風の分身たる小説家と娼婦との出会いと別れの一遍は永井荷風作品の中でも言うまでもなく傑作だ。

もちろん現代となっては玉の井はその面影もなく、それもそのはずで荷風が訪れた私娼窟街は太平洋戦争の空襲の戦火に焼かれ、戦後のカフェー街も廃れてほとんど見る影もない。しかしながら土地の記憶は道

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川崎駅前

川崎駅前

会社勤めをしていた頃、川崎は職場の最寄り駅だった。その頃には既に駅ビルは完成しており(今のアトレ)、東口の駅前はキレイに整備されていた。少し離れた京急川崎駅へのアクセスも不便ではなく、各方面に散っていくバスの乗り場もきれいに振り分けられていた。

アーケードのある商店街銀柳街が駅前にあるものの、そこから先へは明らかに違う雰囲気の残るエリアだったし、チネチッタやクラブチッタ、川崎ロック座などもあり妖

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札の辻

札の辻

皇居、東京駅方面から南に降りてきた道が南西に曲がる辺りに札の辻はある。JRの線路も浜松町から田町にむかって南西にカーブし、田町を出た辺りで品川の方に南に向かう。

江戸時代は高札がかかった場所だったそうで、それで「札」の「辻」だそうだ。もともと芝浜と呼ばれていたエリアで、かつては芝浜とよばれたエリアも近く芝浜中学という学校もあった(現在は近隣の港中学と合併して三田中学となっている)。また戦前は旧浅

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五箇荘(滋賀県)

五箇荘(滋賀県)

「何にもないでしょ、この辺り」
案内を頼んだHさんは少し気だるそうに話した。

「いや、そんな事ないですよ。建物素敵だし」
「大きい駅もないしね、周りは山だし、琵琶湖は山の向こうだしさ。しかし何で、こんなとこよ?」
「昔見た好きな映画の舞台だったんですよ此処。」

滋賀県の東にある五個荘はHさんの地元という話を聞いたので案内を頼んだ。五個荘は北側に開けた平地で、その真ん中あたりに金堂町がある。琵琶

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