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新宿歌舞伎町
世界的にも良くも悪くも知られた観光地、飲食街ではあるが、かつては巨大な劇場、新宿コマ劇場があった。”演歌の殿堂”とも呼ばれ、多くの昭和の演歌、歌謡スターのショーが行われていた他、サザンオールスターズやYMOなど昭和のポップスターのコンサート、平成に入ってからはモーニング娘。のミュージカルなども行われていた。コマ劇場の「コマ」は、舞台上の円形の回る舞台装置がコマのようということで名付けられたそうである。
青梅街道の方に向かって正面口があり、建物左手側、西武新宿側にも出入り口があった。歌謡ショーなどの公演時には劇場横の道路に多くの観光バスが横付けされ、地方からのバスツアーの客も飲み込んでいた。建物右手側には楽屋口があり、角には荷物の搬入なども行われる出入り口があった。
正面入口の少し左手には地下に降りる階段があり、そこは併設されていたのは小劇場「シアターアプル」である。りんごのロゴマークがある劇場は、小劇場とはいえ規模で言えば中劇場クラスであり、カンコンキンシアター、WAHAHA本舗、演劇集団キャラメルボックスを始め、多くの人気の劇団、グループが公演を行っていた。
今だから言える話なのだが、コマ劇場、アプルともに90年代に入ると老築化が顕著になっていたのだが、演者やスタッフの方から当時聞いた話では一番の問題はネズミの被害だったそうだ。楽屋に食べ物を置いておくとすぐ持っていかれる、それどころか衣装も齧られる、特に女性の化粧品などは被害が大きくて本当に困っていたとのこと。
08年に隣接する新宿東宝会館と共に閉館。再開発が行われ、現在ではゴジラヘッドでも有名な新宿東宝ビルとなっている。ネガティヴなイメージがつきまとう「トー横」は「新宿東宝ビルの横」の略である。
(撮影 2023/5)
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