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浅草橋
やはり間違う人が多いようで、地下鉄の案内には「ここは浅草ではありません」と書かれている。浅草橋はいわゆる浅草、雷門あたりから2kmほど南にある神田川にかかる橋だ。イメージとしては秋葉原の東側の隣町である。JRと地下鉄が通る浅草橋駅前は人が多く、特に正月明けから夏にかけては雛人形、五月人形を買い求める人々で賑わう。
仕事の用事でよく訪れる町なのだが、私はいつも落ち着かない。自分なりに落ち着かない理由を考えてみたのだが、やはり一番なのは平坦な町だからだろうと思う。山の手とよばれる台地から離れた隅田川の西岸でありそれゆえに坂や山がない。震災や戦災被害もあったであろうが、町割りと街並みは近現代的な建物で角を曲がっても平坦な道なのである。隅田川沿いには壁のように高いビルが立つ。
それでもかつての名残というか、街の記憶のようなものを見つけると嬉しい。大きな神社だけではなく小さな稲荷社、中学校や高校が立ち並ぶエリアが東京高等工業学校(現東京工業大学、)の敷地であったという記念碑、また不忍池から隅田川に注ぐ鳥越川の跡なども不自然な交番の位置などからも見ることができる。
最近は北側の蔵前からのトレンドなのか、コーヒーショップをいくつもみかけるようになった。ただショップから見る景色はビルの壁なのである。
(撮影 2021/7)
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