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長者丸2

長者丸の北側は、港区、品川区、渋谷区の区境が複雑なのだが、それはかつての川の流路をベースにしているからに他ならない。現在でもかつての暗渠跡を見ることが出来るのだが、つまりこの辺りは川が流れる低地になる。東側は東京都庭園美術館、国立自然博物館付属自然教育園の森が広がり、これらは現役の水源である。

この水の流れは現在の首都高二号線の下辺りをいくつかの筋となって流れ、天現寺交差点で渋谷方面からの渋谷川、青山方面から流れてくる笄川と合流し、下流は古川となる。渋谷川以外は暗渠なので、今でも渋谷川以外の2つの流路の暗渠が天現寺橋のたもとで口を開けているのを見ることができる。

昭和初期、都電恵比寿線というのが走っていたそうだ。天現寺橋から分岐し白金と恵比寿の境を通って現在の恵比寿ガーデンプレイスの裏までの短い路線だ。昭和19年に廃止されるが現在でもその停車場の跡地らしい場所は見ることが出来る。池上の方まで延伸計画があったらしいが、山手線の向こう側、目黒不動の辺りまでは地図を見れば直線的に準備された計画路線跡をうっすらと見ることができる。(しかしJR山手線やその先の高台をどうやって超えるつもりだったのだろうか。終点跡を見る限りやはりトンネルの計画だったのだろうか。)

白金トンネルの横は歩道が整備されている。首都高二号線という「天井」があるため薄暗い部分もある。施設の飛び地があったりと境界が複雑なためか人通りは多くない。

(撮影; 2023/11)

model;水百合(Instagram)


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