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美術館のすすめ

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美術館の展示レビューです
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#アート

旅に出て、そして日常に戻るということ(中之島美術館にて)

旅に出て、そして日常に戻るということ(中之島美術館にて)

帰ってきた。東京に。
私も夫も、東京生まれではないのにすっかり東京がホームになっていることにふと気付く。私はしょっちゅう実家が引っ越していたこともあり、あまり「地元」という感覚がないまま大人になったのだけれど、社会人になって自分で選んだ街に住み、家族ができて初めてようやく東京の片隅に「自分の居場所」ができつつあることにちょっと嬉しくなる。

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旅から帰ると毎回数日間はふわふわした気持ちで過ごす

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実はずっと前から始まっていたのかもしれない、旅のこと(DIC川村記念美術館にて)

実はずっと前から始まっていたのかもしれない、旅のこと(DIC川村記念美術館にて)

「行きたいなぁ、でも遠いしなぁ」
「行きたいなぁ、でも仕事があるから」

人は、つい行動しない言い訳を作ってしまう。そして、今日も昨日と変わらぬ1日を過ごしてしまう。もし、あのとき、あの日、行動していたら。そんな瞬間は誰にでもあるものなのかもしれない。

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繁忙期真っ只中の前職での昼休み、サンドイッチを片手にスマホでとある美術館のHPを眺めていた。

「明日、有給を取れば行ける、、、。でも無理

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深い深い青に魅せられて(長野県立美術館にて)

深い深い青に魅せられて(長野県立美術館にて)

ゴールデンウィーク、街はいつもより行き交う車の数が少なく、のんびりとした雰囲気が漂っている。反面、東京駅はものすごい数の人が行ったり来たりしていた。

みなトランクや大きな荷物を抱えて改札口を通っていくけれど、私は小さな鞄一つ、一人で新幹線のホームへ向かう。

このタイミングで新幹線のチケットを取っておいて良かった、と思う。今後のキャリアやプライベートのことなど、ゆっくりと一人で考えたいことがたく

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一瞬のきらめきを掴む

一瞬のきらめきを掴む

いつからか、私のスマホのメールボックスは仕事関係か、あるいは銀行やカード会社からのお知らせのメールだけになった。大抵の友人とはLINEでつながっているし、メールの受信トレイを開くのが楽しみなんてことはもうないのか、と思うとちょっと切ない。

私はあえてこの時代にポストカードやクリスマスカードを書くことが好きなのだけれど、久々にメールなるものを書いてみてもいいかもな、なんて思う。

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