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阿寒湖の植物たち

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2021年の阿寒湖キノコベスト4 <キノコとの出会いは奇跡>

2021年の阿寒湖キノコベスト4 <キノコとの出会いは奇跡>

今年も阿寒湖のキノコたちを楽しませてもらいました。
秋も深まり、葉が落ちだすとキノコシーズンが終わります。

というわけで、2021年、今年のキノコショットベスト4の発表です!
今年はキノコアンテナが冴えていたせいか、出始めのキノコたちを見つけることができました。
キノコはもともと菌なので、人目に触れる形を成形した時点で大人の階段を登り始めているそうです。(ネイチャーガイドの友人から聞いた話です)

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キノコとの出会いは奇跡。

キノコとの出会いは奇跡。

この出会いは奇跡。
キノコを見つけるたびにそう思うんです。

阿寒湖の森は雪解けが終わる6月頃からキノコが生えだして、10月の終わりにはその姿が見られなくなります。
その間、さまざまなキノコ達との出会いがあります。

キノコって、条件が合えばどこにでも生えてくるんですよね〜。
それが枝の先っちょでも。

これを見つけた時はめっちゃ笑えました。
「しまった!生えてくる場所を間違えた!」
きっとそう思

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「準備を重ねて時を待つ」 森の貴婦人と呼ばれるオオバナノエンレイソウ

「準備を重ねて時を待つ」 森の貴婦人と呼ばれるオオバナノエンレイソウ

春の弟子屈町〜清里町ルートの森の中に白い花の群落をよく見かけます。
これは「オオバナノエンレイソウ」と呼ばれる花です。
かなりの広範囲で咲くので「春の妖精」とか「森の貴婦人」と呼ばれるそうです。

オオバナノエンレイソウは変異が多く、北海道内だけでも9種類ほどあるんだとか。根付く土地の環境によって変わるみたいです。

この変異にはちゃんと訳があります。

オオバナノエンレイソウは発芽から開花まで1

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小さな小さな一輪咲きの「ヒメイチゲ」

小さな小さな一輪咲きの「ヒメイチゲ」

フクジュソウから始まり、エゾエンゴサク、ミズバショウの次に花を咲かせるのが「ヒメイチゲ」です。

イチゲで調べてみるといろんな種類があるんですよね。
特に北海道ではエゾイチゲと呼ばれるものもあるそうなんですが、阿寒湖近隣で咲いているのはヒメイチゲでした。

イチゲは「一花」と書き一輪咲きを表すそうです。
ヒメイチゲは漢字では「姫一花」と表されます。

(2021.5.6撮影)

うっかりすると見落

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可憐な花なのに荒々しい由来を持つ「キタコブシ」

可憐な花なのに荒々しい由来を持つ「キタコブシ」

北海道の動植物には「エゾ」がつくことが多いんですけど、たまに「キタ」がつきます。
キタコブシを見るたびに、エゾとキタの違いはどこにあるのか気になります。キタキツネもそうですよね。

北海道では「マンサク」と呼ぶ地域もあるそうです。
その由来は「(春に)まず咲く」と「満作」からだとか。
キタコブシの花付きが良い年は豊作になると言われ、収穫の目安にしたそうです。

2021.5.10 道の駅丹頂の里

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湿地帯を美しく彩る「ミズバショウ」

湿地帯を美しく彩る「ミズバショウ」

ミズバショウは葉が大きく、水辺(湿地帯)に咲くことから「水芭蕉」の名がついています。

春先の咲き始めの頃の姿からはその名の由来は想像しきれないのですが、花が終わり始めると一気に葉が成長します。

(2021.5.26 弟子屈町 水郷公園)

あまりのデカさにびっくりです!

一ヶ月前はこんなに小さくて可愛かったのに〜(笑)

(2021.4.23 阿寒湖畔エコミュージアムセンター)

ミズバショ

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春の訪れを知らせる花「フクジュソウ」

春の訪れを知らせる花「フクジュソウ」

力強く金色に咲く「フクジュソウ」
草花が芽吹き出した頃、一番先に花が開きます。

阿寒湖の雪溶けは4月に入ってから。
地表が見え始めるとフクジュソウは咲き出すので、比較的暖かい場所を探しに行ったら咲いていました。

(2021.4.2 森の小道にて)

フクジュソウが咲き始めると幻の川魚「イトウ」が川を登ってくるとされ、漁の準備を始めることからあいぬごでは「チライ・アパッポ(イトウの花)」と呼んだ

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縁起の良い名を持つ「フッキソウ」

縁起の良い名を持つ「フッキソウ」

雪溶けが始まった途端に青々とした葉が起きてくるのが「フッキソウ」です。

(2021.3.31撮影)

ムクムクっと起き上がるさまは冬眠からの目覚めを思わせ、他の植物たちの目覚めを促しているようにも見えます。

フッキソウの花が咲くのはいくつかの野花が咲き終わったあと。
控えめな白い花を咲かせます。

フッキソウはその繁殖力の高さから「富貴草」と呼ばれ、別名「吉事草」とも呼ばれます。

富・吉とか

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ハート型の葉がかわいい「コミヤマカタバミ」

ハート型の葉がかわいい「コミヤマカタバミ」

阿寒湖畔の遊歩道は陽当たりが良いので、雪が溶けると週替わりで草花が咲き出します。

最初はフキノトウが幅をきかしていましたが、段々と他の草花も芽吹いてきました。

その中で早々に花を咲かせるのは「コミヤマカタバミ」です。

高さが10センチ前後の小さな白い花です。
花びらにはほんのりとした紅色の筋が入っています。

この花は固まって咲くのですが、特徴的なのはその葉の形。
ハート型の葉がとってもかわ

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見つけると思わず嬉しくなる「エゾエンゴサク」

見つけると思わず嬉しくなる「エゾエンゴサク」



エゾエンゴサク青紫に房状に咲く姿がかわいい花です。
高さが15センチ前後と小さいので注意深くみないと見落としてしまいがちです。

群生して咲くことが多いので、最盛期には細かい青紫の絨毯になります。

上記の写真は4月20日にサロマ湖近郊で撮ったものです。

阿寒湖近隣は10日ぐらい遅れて咲き出します。
こちらで咲くものの方が紫が強いような気がします。

上は阿寒湖のボッケ遊歩道で撮ったもの。

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阿寒湖の春 〜フキノトウ〜

阿寒湖の春 〜フキノトウ〜

厚く地表を覆っていた雪が溶けて真っ先に顔を出すのが「フキノトウ」です。春の訪れが遅い阿寒湖の周辺では、4月の上旬ごろからみることができます。
今年は雪解けが早かったので3月の下旬にはもう出てきていました。

遊久の里鶴雅の玄関前にて。

アイヌ語でフキノトウは「マカヨ」葉が何枚も重なっているフキノトウ、その姿を「マカヨ」というそうです。フキノトウに纏わるアイヌの昔話があるそうです。

フキノトウに

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