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阿寒湖の春 〜フキノトウ〜

厚く地表を覆っていた雪が溶けて真っ先に顔を出すのが「フキノトウ」です。春の訪れが遅い阿寒湖の周辺では、4月の上旬ごろからみることができます。
今年は雪解けが早かったので3月の下旬にはもう出てきていました。

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画像2遊久の里鶴雅の玄関前にて。

アイヌ語でフキノトウは「マカヨ」

葉が何枚も重なっているフキノトウ、その姿を「マカヨ」というそうです。フキノトウに纏わるアイヌの昔話があるそうです。

フキノトウに纏わるアイヌ民話(ユカラ)
カムイモシリ(神の国)で暮らしていた女神は、アイヌモシリ(人間の国)をどうしても見たくて、家族の留守中に何枚も晴れ着を重ねて羽織り、帯を締め、人間の国へ下りていった。美しい高い山の上に立ってあたりを眺めているうちに心が浮き浮きして舞い始めた。興にのって激しく舞っていると、振り上げた手の先から風が巻き起こり、大地を転げまわったかと思うと、人間の国は掘られたように荒れ果ててしまった。
女神はびっくりして家へ帰り、寝床へはいって泣いていた。しばらくして人間の国から言伝があり、すっかりそのことが兄に知られ、叱られているうちに気を失ってしまった。
はっと正気にかえると、ティネポクナモシリ(湿った・下方の・国)にいた。
父母の名を必死に呼び、上の方へ上の方へと進んだ。夏の年を6年、冬の年を6年過ごしてやっと地上へ出てみると。私の姿はマカヨになっていた。

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私はこのフキノトウの出始めをみると、蕗味噌にしたのを食べたくなりますが、天ぷらにしたり焼いて鍋に入れたりと、フキノトウの食べ方はいろいろとあるようです。
山菜料理はアク抜きが大変なので自分では作らないのですが、今年はカルディでフキノトウの醤油漬けを見つけたので、それを使ってアレンジしてます。

そうそう、フキノトウを食べるのは人間だけではなく、冬眠から目覚めた熊も食べます。熊が冬眠から目覚めた時は身体には毒素がたまっていて、それを体外にだすために食べるとされています。
デトックスのために食べるんだそうですよ。

人間も冬は動きが鈍くなるので、春はその溜まったものを出す必要があるんだそうです。

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フキノトウは芽が出てからの成長がとても早いんです。
あっという間に花が咲きだしました。

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今まで茶色だった地表がどんどんフキノトウのもつ浅葱色に染まっていきます。

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