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縁起の良い名を持つ「フッキソウ」

雪溶けが始まった途端に青々とした葉が起きてくるのが「フッキソウ」です。

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(2021.3.31撮影)

ムクムクっと起き上がるさまは冬眠からの目覚めを思わせ、他の植物たちの目覚めを促しているようにも見えます。

フッキソウの花が咲くのはいくつかの野花が咲き終わったあと。
控えめな白い花を咲かせます。

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フッキソウはその繁殖力の高さから「富貴草」と呼ばれ、別名「吉事草」とも呼ばれます。

富・吉とかがつくと縁起が良さそうですよね。

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(2021.5.15撮影)

フッキソウの花は春の暖かさが安定した頃に咲き出します。
小さくても固まって咲くので存在感バッチリ。すぐ目につきます。

阿寒湖周辺で見かけるフッキソウは絨毯のように森を埋めますが、オンネトー周辺で咲くフッキソウは密集度が高く、ギュッと丘のように咲いていました。

場所によって群生の形の違いがあるのも面白いです。

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フッキソウのびっしりとした生え方から、また、雪の下でも枯れないことで冬は鹿がこのフッキソウを探し求めることから、アイヌ語で「ユクトパキナ(鹿・群れ・草)」と呼ばれます。

フッキソウには強い薬効があるとされ、風邪をひいた時に茎葉(けいよう)を鍋で煮立て、湯気のあたるところへ衣類をかぶって頭を突っ込み、発汗させるといいとされているそうです。この行為をアイヌ語では「ヤイスマウカラ(自ら<薬湯入り>・鍋の<湯>気に・当たる)といったそうです。

肝臓や腎臓の体毒出しにも利用されたとあり、本州の民間療法で使われるアケビやドクダミに近いものがあるのかもしれないですね。

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(2021.5.27撮影 オンネトー)

花が終わると艶のある白い実がなるそうです。
その実の味は葡萄のように甘いのだそうですよ。

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