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シネマ・エッセイ 〜暮らしに映画のエッセンスを

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人生の旅路という表現が意味するように、時に人生は旅に例えられる。映画は、さまざまな人生の縮図。旅をするように楽しむ。日常の、または非日常の暮らしにもっと映画のエッセンスが注がれた…
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#監督

映画『水平線』

映画『水平線』

偶然は重なる

監督の舞台挨拶付きの上映を観るために シネマポストへ
近ごろ 下関には足繁く通っているように思う

まずは 当日で6周年を迎えた喫茶むぎまめ舎にて
特製のプリンアラモードを 珈琲とともにいただく
偶然にも食パンがあり 予約なしで購入できた

途中で 2階にあるツグさんのアンティークのお店cipollaさんに行ってみる
次の日の蚤の市の準備中 突然登場した私のために大切な時間を分け

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映画『夜明けのすべて』

映画『夜明けのすべて』

2022年12月初旬 私は鳥取に向かった
バスを乗り継いで13時間30分
到着した時はすでに深夜前
降り着いたバス停のあたりには 街灯がなく
天上に輝く星たちが 旅の道先案内人となった

2023年12月に故・青山真治監督展覧会のトークイベントにて
三宅唱監督と出会う
『ケイコ目を澄ませて』も鑑賞したが
実は私が三宅唱監督を知ることになったのは それよりも前
コロナ禍で開催されていた『現代アートハ

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映画『都会のアリス』『まわり道』『さすらい』

映画『都会のアリス』『まわり道』『さすらい』

ヴィム・ヴェンダース監督最新作『PERFECT DAYS』を観て以来

この監督の映画思想が気になった

『都会のアリス』
『まわり道』
『さすらい』
ヴェンダース監督ロードムービー三部作

人生🟰旅🟰映画🟰芸術

こんな哲学方程式が
どの作品からも、ちらつく

“変化は必然だよ
また会おう ローベルト“
(『さすらい』より)

半世紀ほど前のヴェンダース監督は言葉に頼っていた

しかし最新

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映画『ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地』

映画『ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地』

シャンタル・アケルマンという一人の監督に強く惹かれる

鑑賞しながら書き留めた言葉
「外側の変化は内側のゆらぎ(あるいは変化)の映し鏡にすぎない」

そして、最後の場面でジャンヌの上半身がテーブルの盤面に映し現れる

これが映画の隅々まで覆い、確証した

「すべては自分の内側にある」と

アケルマン監督、若干25歳の時に発表した作品
その年齢で、この境地に辿り着いていた

至臨である

私の貧弱な

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映画『パラダイスの夕暮れ』『真夜中の虹』『マッチ工場の少女』

映画『パラダイスの夕暮れ』『真夜中の虹』『マッチ工場の少女』

『パラダイスの夕暮れ』
『真夜中の虹』
『マッチ工場の少女』
※サブスクのザ・シネマにて鑑賞

アキ・カウリスマキ監督の“労働者3部作“

『枯れ葉』の原点が凝縮されている作品たち

どの作品にも、映画館あるいは映画鑑賞をする場面が映る
まるで、空気や水のように、暮らしの必需品であるかのように

昨晩、小倉昭和館の樋口館長の著書「映画館を再生します。」を再読していると、故佐々部清監督の言葉が目に入

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