つきの

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くだらない短い文章や日記みたいなものをのせます。ひとつずつの記事がかなり長いはてなブログはこちら→ http://tskmrso.hatenablog.com/

マガジン

  • 音note

    音の話まとめ

  • ぴよ日記、転職活動篇

    転職中のぴよ日記をまとめています。転職できました。

  • ぴよ日記

    制限時間:帰宅時間30分で書く日記。ということで始めましたが、現在超絶フリースタイルです。はてなブログに書くには少なすぎる分量のものを書きます。そのせいで最近はてなブログは更新できていません。

記事一覧

推し

好き。大好き。私の神様。 他のどんな人たちを見ても、あなたより素敵に見える人なんていないの。 他のどんな人たちがこちらを見てくれても、あなたをステージの下から見つ…

つきの
6か月前
2

上司と私

私は直属の上司と死ぬほど仲が悪い。 上司が私のことを嫌うので、私も嫌いになった。 上司はいつも、私にだけ挨拶を返さない。 目が合って、流石に返さないと人間としてま…

つきの
1年前
7

私が逃していく一篇

この前ムビチケをもらって じゃあお礼にお昼でも行きましょうって 言ったところまではよかった よかったんだけど 正直時間を合わせるのはめんどくさいし 二人きりってち…

つきの
1年前
6

クズはどちらも

 以前からセックスができないこととその理由は説明していた。自分を触られる感覚も耐え難いし、人のものに触れるのもゾッとする。手を繋ぎキスをすることはできるけれど、…

つきの
1年前
7

逃げて、そんなところにいたら愛してしまうよ

どうしたって愛おしい、私の四天王たち。 愛してやまない四天王たち。 思い起こすと「好きだよ」と溢れてしまう、四天王たち。 ずっとずっと愛せてしまうよ。 大事な友人…

つきの
1年前
5

ショーケースには並ばない夜

「ねえマカロン食べよ」 「先輩に買ってきたやつですか?」 「うん、いっぱい買ってきてくれたから」 「いや、いいですよ。先輩用なんですから」 「なんで」 「一個ずつし…

つきの
1年前
7

汚れなかった白

 百貨店の最上階、大催場にずらりと並ぶ市内全ての高校の制服の中で、私が三年間着続けることになる真っ白の夏のセーラー服と真っ黒の冬のセーラー服がいちばん美しかった…

つきの
1年前
7

意志を持って忘れてしまっていいこと

2年前に書いたnoteがめちゃめちゃ読まれてる。なんか、もうすごい、ほんとに。2年経ってんのに、毎週読まれてる。「恋がわからない」でGoogle検索すると割と上に出てくる。…

つきの
2年前
11

帰途にて

東京が近い。あと30分で着陸態勢に入るだろう。 動悸がする。 怖いことが嫌いだ。恐怖心は私を子供にする。かすかに震える身体にガチガチの腕を添えて耐えるしかない。本…

つきの
2年前
11

徒労的吐露

全てのゲートへ、三分前に滑り込む迷惑客だった。 京王線が二分遅れたからとか、当初乗る予定だった電車から一本遅らせたからとか、朝は予定の時間に起きられたのにとか、…

つきの
2年前
10

逃避行記・完結

導入編はまずこちらから 私のメンタルの進捗ですが、実はこの2週間後に改めて限界を迎え、現在休職中ですてへぺろ 1週間の"飛び"じゃどうにもならなかったみたいです。 …

つきの
2年前
21

逃避行記

先週、全ての仕事を放り出して長野に逃げました。 人生で初めての一人旅だったので、その全てを記録しておきます。 火曜日、午後。 全てが無理になり部長の前で大号泣し…

つきの
2年前
28

準備ができない

小学生の頃は、次の日の用意をしてから寝る子だった。私が寝た後、親が明日忘れ物なく過ごせるかカバンの中身をチェックするからだ。親に見せるための“明日の準備”をして…

つきの
2年前
12

嘘吐きが得意なおはなし

よくよく考えてみれば、あれもこれも全部「好き」「私があなたと一緒にいたい」「私だけを見てほしい」ってことだったのかもしれない。 許してくれる? 今更こんな事を思…

つきの
2年前
14

全部フェイクフィクション

ゆっくり意識が浮上して、目が開く。 まるで水の中にいるような重さが頭にまとわりついていて、開いたばかりの左の瞼がスッと落ちる。 私の身体がかすかに揺れたことを感じ…

つきの
2年前
9

ただの日々の話

毎日決まった時間に起きて、毎日決まったものを食べて、毎日決まった時間に寝る。全部が面倒くさい時はこれが一番いい。 9時半に目覚ましが鳴って、9時57分には仕事を始め…

つきの
2年前
10

推し

好き。大好き。私の神様。 他のどんな人たちを見ても、あなたより素敵に見える人なんていないの。 他のどんな人たちがこちらを見てくれても、あなたをステージの下から見つめてることの方がずっとずっとしあわせなの。 あなたのことを好きな人たちの中で、私がいちばん、あなたのことが好き。 あの人たちもあなたのこと好きなんだなってわかるけど。わかるから仲良くするけど。実際あなたのことを話せる友達がいるのはうれしいことだし。たのしいし。 でも、それでも私の方があなたを好き。 あの人たちはいつ

上司と私

私は直属の上司と死ぬほど仲が悪い。 上司が私のことを嫌うので、私も嫌いになった。 上司はいつも、私にだけ挨拶を返さない。 目が合って、流石に返さないと人間としてまずい場合は渋々と「お疲れ様...」と呟くけれど、基本的にはスマホを見ながら、私の挨拶を右耳から左耳へただ送っている。私の後ろですれ違った同僚に「おつかれ〜」と明るい声で返すのを聞く時は、なんだか踏み潰された気持ちになる こんなことが大人になっても起こってていいのか。子供でもいけないのだけれど。 上司はいつも、私の

私が逃していく一篇

この前ムビチケをもらって じゃあお礼にお昼でも行きましょうって 言ったところまではよかった よかったんだけど 正直時間を合わせるのはめんどくさいし 二人きりってちょっとドキドキするし これは不安の方のドキドキで 同じ会社にいるって言ったってフロアは違うし 顔見たことあるって言ったってマスクしてるし 話合うかもって思ってるのもちょっとなんか 恥ずかしい 合わなかった時がっていうより 満足させられなかった時が 恥ずかしい でももしかしたらぴたっとくるかもとか そんなこと思

クズはどちらも

 以前からセックスができないこととその理由は説明していた。自分を触られる感覚も耐え難いし、人のものに触れるのもゾッとする。手を繋ぎキスをすることはできるけれど、自分から求めることはきっとない。気持ちが悪いし、性欲がない。そんな人間が人を縛っていいわけがない。だから恋人は作らない、と。  それでもいいから私を愛しく思うのなら恋人にしてほしい、と言ったのは彼女だ。押しに押され、私の詰めの甘さも相まって恋人同士にはなったものの、やはりそうするべきではなかった。  初めは私の状況を理

逃げて、そんなところにいたら愛してしまうよ

どうしたって愛おしい、私の四天王たち。 愛してやまない四天王たち。 思い起こすと「好きだよ」と溢れてしまう、四天王たち。 ずっとずっと愛せてしまうよ。 大事な友人の大事な人は、私だって大事にできるだろうと思っていた。 私が大金持ちになって、一軒家を建てて、だだっ広い庭に焚き火台とバーベキューのできるスペースを作ったら、四天王とその家族を集めて楽しくお肉や野菜を食べてお酒を飲んで、子供達は傍で走り回っていて、最後にみんなで好き好きに花火をして、私はそれを縁側から眺めて、眠た

ショーケースには並ばない夜

「ねえマカロン食べよ」 「先輩に買ってきたやつですか?」 「うん、いっぱい買ってきてくれたから」 「いや、いいですよ。先輩用なんですから」 「なんで」 「一個ずつしか買ってないんで」 「半分こでいいじゃん」 「俺食べたことないから食べてもわかんないですし」 「いいのいいの、おいしいよ」 「甘いし」 「私より甘いの好きなくせに」 「......じゃあひとかけだけ」 「おっけ〜。てかたくさん買ってくれたんだね。こんなにありがとう、高かったでしょ」 「高い、まじで」 「マカロン高い

汚れなかった白

 百貨店の最上階、大催場にずらりと並ぶ市内全ての高校の制服の中で、私が三年間着続けることになる真っ白の夏のセーラー服と真っ黒の冬のセーラー服がいちばん美しかった。努力の末に手に入れることができたからではなく、贔屓目でもなく、事実としてどこよりも凛としている高校生になれる制服だった。  中学三年の春には「かなり頑張らないと厳しい」と言われながらも滑り込みで入ることができた高校は、コの字型の校舎で、空いている縦の空間に「武道館」と呼ばれる畳の部屋と「アリーナ」といういわゆる体育

意志を持って忘れてしまっていいこと

2年前に書いたnoteがめちゃめちゃ読まれてる。なんか、もうすごい、ほんとに。2年経ってんのに、毎週読まれてる。「恋がわからない」でGoogle検索すると割と上に出てくる。恋どころか訳もわからない。書いた時はこんなに読んでもらえると思っていなかった。 久しぶりに読んで、この前まで見ていたドラマが愛の話で、少し前に私のnoteをたくさん読んでくれてる人と話をして、色々思ったことがあるので2年前の私に話してあげたいことを話そうと思う。 まず、恋なんてね、わからなくていいよ。

帰途にて

東京が近い。あと30分で着陸態勢に入るだろう。 動悸がする。 怖いことが嫌いだ。恐怖心は私を子供にする。かすかに震える身体にガチガチの腕を添えて耐えるしかない。本当は頬のあたりに重たく溜まってきた涙を出してしまいたいし、エチケット袋に吐いてしまいたい。 心が強くないバージョンの私が、みぞおちで大声で叫んでいる。「帰りたくない、ひとりになりたくない、誰も帰ってこないところにひとりはこわい」と。 怖くない、怖くないよと背中をさすってやっても、そう声をかけている心を強くあろうと

徒労的吐露

全てのゲートへ、三分前に滑り込む迷惑客だった。 京王線が二分遅れたからとか、当初乗る予定だった電車から一本遅らせたからとか、朝は予定の時間に起きられたのにとか、何が要因かはわからないけれどこんなに空港内を疾走したのは初めてだった。 仕事からは一時離脱したけれど、秋に買った身長を10センチ爆盛りするヒールで爆走できるようになっていた。 一時的な療養のために実家に帰る。 療養というと大袈裟だなぁ、と感じないこともないけれど、一人で生きなくていい日がしばらく続くことにかすかに安

逃避行記・完結

導入編はまずこちらから 私のメンタルの進捗ですが、実はこの2週間後に改めて限界を迎え、現在休職中ですてへぺろ 1週間の"飛び"じゃどうにもならなかったみたいです。 さて、どこまで話したでしょうか。もうすっかり書く気持ちを失っていたというか、ホテルに着いたところまで書いた時点でもう全て書ききったよなと思ってしまっていたので、全く筆が進みませんでした。 では改めまして、ホテルのチェックインのところから始めます。 前日の電話で話をしたチーズの件については、「固形チーズが苦手で

逃避行記

先週、全ての仕事を放り出して長野に逃げました。 人生で初めての一人旅だったので、その全てを記録しておきます。 火曜日、午後。 全てが無理になり部長の前で大号泣したことにより3日半の有給休暇を取ることができ、部長に言われた「どこかに旅行してみたら気分も変わるかもよ」がどうしても頭を離れなくて、とりあえず「一人旅・国内・自然」とGoogle先生に質問してみました。 すると出るわ出るわ、国内オススメ旅先の数々。 多すぎてサイトを選ぶのも面倒だったので、とりあえず一番上に出てき

準備ができない

小学生の頃は、次の日の用意をしてから寝る子だった。私が寝た後、親が明日忘れ物なく過ごせるかカバンの中身をチェックするからだ。親に見せるための“明日の準備”をしていた。 中学生までそれは続いたので、中学校を卒業するまで忘れ物をしたことがない。お察しの通り、私は過保護な家庭で育っている。 高校生になって親も干渉しなくなり、翌日の持ち物チェックは無くなったが、自分のロッカーと空きロッカーに全ての教材・道具を入れていたので忘れ物はなかった。翌日の準備も必要なかった。当たり前だ、学校

嘘吐きが得意なおはなし

よくよく考えてみれば、あれもこれも全部「好き」「私があなたと一緒にいたい」「私だけを見てほしい」ってことだったのかもしれない。 許してくれる? 今更こんな事を思ってしまうことを。 失って初めて気がつくとか、他の人を見つめる目と比べて初めて思い当たるとか、飽きるほどに世界にありふれていることが自分に起こるなんて、思ってもみなかった。 「好きなんじゃないの?」と言われて、なぜそう思われるのかもわからなかったし、恋愛と友情の境界はよく理解していたつもりだったし、自分がそこを超

全部フェイクフィクション

ゆっくり意識が浮上して、目が開く。 まるで水の中にいるような重さが頭にまとわりついていて、開いたばかりの左の瞼がスッと落ちる。 私の身体がかすかに揺れたことを感じ取ったのか、お腹にまわる腕に力がこもってぎゅっと腰だけ抱き寄せられる。 一晩中つけっぱなしにしているエアコンは23度で部屋はすっかり寒い。 指の先まで冷え切ってる脚がもぞもぞと居場所を探し、私の脚の間にすっぽりと入って動かなくなった。下敷きにされている左足は朝には痺れているんだろうけれど、外したところで追いかけてく

ただの日々の話

毎日決まった時間に起きて、毎日決まったものを食べて、毎日決まった時間に寝る。全部が面倒くさい時はこれが一番いい。 9時半に目覚ましが鳴って、9時57分には仕事を始めるとチャットを送れるようにベッドを出る。40分までに準備を始められた時はちょっと早めに仕事してみたりして、かと思いきや50分までもだもだした時は髪をとかして歯磨きをしながらチャットを送る。 朝ごはんはひきわり納豆のインスタントなお味噌汁。お昼ご飯は明太子おにぎりとひきわり納豆のインスタントなお味噌汁。夜ご飯は冷凍