ショーケースには並ばない夜
「ねえマカロン食べよ」
「先輩に買ってきたやつですか?」
「うん、いっぱい買ってきてくれたから」
「いや、いいですよ。先輩用なんですから」
「なんで」
「一個ずつしか買ってないんで」
「半分こでいいじゃん」
「俺食べたことないから食べてもわかんないですし」
「いいのいいの、おいしいよ」
「甘いし」
「私より甘いの好きなくせに」
「......じゃあひとかけだけ」
「おっけ〜。てかたくさん買ってくれたんだね。こんなにありがとう、高かったでしょ」
「高い、まじで」
「マカロン高い