ストレスを激減させる方法とは
<答え>ウォーキング
2016年、アリゾナ大学の人類学者デビッド・ライクレン氏はタンザニアで旧石器時代に近い狩猟採集生活を送るハッザ族の運動量を調査しました。心拍計とGPSで日中の活動量を計ったうえで、血圧や体内の炎症レベルをチェックしたのです。
狩猟採集民の活動量は、想像をはるかに超えるものでした。
彼らは1日に75分のMVPA(中高強度身体活動)を行い、そのレベルは先進国平均の14.8倍。60歳を超えた初老のメンバーも18歳の若者と同じぐらい体を動かしており、コレステロールや炎症に悩む者も確認されませんでした。
MVPAは、早歩きからランニング程度の運動レベルをさします。多くの先進国は「健康維持のためには一週間に150分のMVPAを行うこと」とのガイドラインを設定していますが、その基準をハッザ族はたった2日でクリアしている計算です。
ライク連博士は言います。
「ハッザ族は先進国にくらべて大量の時間をMPVAに使っている。200万年にわたって狩猟採集生活を続けてきた私たちの祖先も、長時間のMVPAに適応しているはずだ」
すべての部族が同じ活動量だとは限りませんが、人類は長時間の運動に適応してきたのは間違いありません。
ここ数年で運動のメリットを示すデータは激増しており、2016年にはキャンベラ大学が信頼度の高いメタ分析を出しています。
過去に出た「運動と脳」に関する論文から質が良い36件を選び、エクササイズでどれだけ私たちのパフォーマンスが上がるのかを調べたものです。
まず分かったのは、どんな運動でも、ある程度の負荷があれば脳には良い影響があるという事実です。筋トレでもランニングでも水泳でも、ジャンルは何でも構いません。とりあえず、体をうごかしておけば、あなたの脳機能は確実にアップします。
運動で脳のパフォーマンスが上がる最低ラインは次のとおりです。
・1回のセッションで45~60分ぐらいの運動をするとストレスが改善し、認知機能も向上しやすくなる
・「週に2回の運動」と「週に4回の運動」を比べた場合、両者に大きな効果の差はない
・運動のレベルは、「軽く息があがるぐらい」から「ヘトヘトになるぐらい」までの範囲で行わないと意味がない
基本的には「1回45分の少しキツイ運動を週に2回」のペースで行うのが、脳機能のアップが見込める最低のラインです。あなたのパフォーマンスを限界まではっきさせるためにも、ぜひこの基準を守ってみて下さい。
もっとも、ストレス対策だけに目的を絞れば、そこまで運動に時間を割く必要はありません。
カールスルーエ工科大学の実験では、1回30~60分の軽いウォーキングを週2回だけ行った学生は、なんの運動もしなかったグループにくらべてストレスが減り、期末テストの成績も有意に向上しています。
研究チームは、多くの人がウォーキングの力を過小評価していると言います。
「ウォーキングを行うとコレステロールや血圧が下がり体重も減る。しかし、それらのメリットを合わせても、ウォーキングが心疾患に効く理由の59%しか説明できない。残りの41%はウォーキングがストレス反応を改善してくれるからだろう」
一般のイメージよりも、ウォーキングは強力なパワーを持っています。イスから立ち上がって数分の散歩をするだけでも、あなたのストレスは激減するのです。
運動がストレスに効く理由には諸説ありますが、もっとも有力視されているのは「エクササイズが体のストレス対策システムを鍛えてくれる」という考え方です。
私たちの循環器系や筋肉は脳の神経とつながっており、普段から相互にやり取りをしています。ところが、運動をしないと脳神経と体のつながりが弱まり、連携がとれなくなってしまうのです。人間のストレス対策システムは、脳から臓器への連絡がスムーズでないとうまく働きません。
つまり、運動には脳と体のつながりを取り戻す作用があります。
ある程度の負荷があればどんな運動でも構わないので、週に2~3回ずつ続けられるものを選んでください。最低でも12分の早起きで、あなたの脳のパフォーマンスは確実にアップします。
(参考文献 最高の体調 鈴木数宇 P161抜粋)
<感想>
私は普段から朝ランをする習慣があり、始めてから体も心も本当に調子がいいです。
ただそれでも、仕事や家庭の中で強いストレスを感じたりすることもあり、そんなときは朝いつもより長めに走るようにしています。
自然の中を走ってるときは嫌なことを何もかも忘れさせてくれて気持ちが前向きになれます。
私はもともとストレスに弱い体質で、何かあると3日くらいは引きずっていました。
しかし朝ランを始めてからは、そもそもミスやトラブル事態が減って、ストレスを受けることも減りました。
朝ランは本当に私の人生を変えてくれました。
皆さんにもこのプラスの状態を是非味わって頂きたいです。
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