コレクションの意義と公共性——世田谷美術館『土方久功と柚木沙弥郎』レポート
9月9日(土)より11月5日(日)まで、世田谷美術館(東京都世田谷区)で企画展『土方久功と柚木沙弥郎 ――熱き体験と創作の愉しみ』が開催されている。東京美術学校(現・東京藝術大学)の彫刻科を卒業後、ポール・ゴーギャンへの憧憬と考古学、民俗学への強い関心から、1929~42年の13年に亘ってミクロネシアで制作と研究の活動に従事し、帰国後も彼の地をテーマに多くの芸術的、学問的成果を遺した土方と、東京帝国大学(現・東京大学)で美術史を修めて大原美術館に勤務した後、染色家・芹沢銈介と