【レビュー】『力の差を見せつけられた0‐5』~第37節ファジアーノ岡山VSジェフユナイテッド千葉~

試合結果

2023 J2 第37節
10/1 14:00K.O. @シティライトスタジアム
岡山(0-5)千葉
4分 メンデス
20分 ドゥドゥ
31分 呉屋大翔
49分 呉屋大翔
68分 小森飛絢

スタメン

マッチレポート

止まらぬ千葉の勢い。5発快勝で7連勝を達成

 6連勝と勢いに乗る千葉が岡山に力の差を見せつけた。キックオフ直後からフルスロットルのアウェイチームは、4分に先制に成功する。田口のCKにファーサイドから飛び込んだメンデスがヘディングシュートを決めた。その後もスピードのあるドゥドゥと田中和樹が果敢に背後のスペースを突いて押し込んでいくと、20分にはPA手前でルーズボールを拾ったドゥドゥが右足を一閃。強烈なシュートをニア上に突き刺した。

 3試合連続で立ち上がりに先制点を許して追加点も与えた岡山は、前線からのプレスと自陣からのビルドアップでリズムをつかもうとするも、どちらもうまくいかない。2トップから始まるプレスは、千葉のロングボールにより空転。背後をケアしたい最終ラインとボールを奪いに行きたい前線を分断されてしまい、奪い所が定まらず。柳、本山、鈴木喜丈が担うビルドアップの出発点は、呉屋、ドゥドゥ、田中和樹にマンマーク気味に抑えられ、苦し紛れのロングボールは回収された。29分には7試合ぶりに出場した河野の縦パスが日高に引っ掛かると、柳が呉屋を倒してPKを献上。呉屋のシュートに対してGK堀田が懸命に手を伸ばすも、リードを3点に広げられた。前半終了間際には仙波が力強いドリブルでチャンスメイクし、坂本と田部井がPA内でパスを受ける。しかし、点差を縮めることができないまま45分間が終了した。

 ハーフタイムを挟んでも試合の流れは変わらなかった。岡山は後半開始からピッチに立った木村が推進力を発揮して反発しようとするも、49分に4失点目を決められてしまう。田口のフィードに田中和樹が抜け出すと、呉屋が振り向き様から放ったシュートがネットを揺らした。そして53分には高橋諒が背後に抜け出した田中和樹を倒して退場。57分にルカオと高木を投入した岡山は数的不利でもゴールに向かう姿勢を示した。だが、千葉も選手交代をして攻撃の手を緩めず、68分には前掛かりになった岡山をひっくり返す形から小森がヘディングで5点目を加えた。

 千葉が立ち上がりからボール保持・非保持で岡山を上回って勝利し、連勝を『7』に伸ばした。今季最多の5失点を喫した岡山は、プレーオフを争う相手に力の差を突きつけられるショッキングな敗戦となった。

コラム

完敗でも見せた、あきらめない姿勢。残り5試合も下を向かずに

 まさに完敗だった。ビルドアップもプレスもうまくいかず、選手個々のバトルでも後手に回る。力の差を見せつけられ、チームとしても個人としてもまだまだ成長していかなければならないことを感じる試合になったが、選手たちは最後まで懸命に戦った。

 数的不利で4点のビハインド。とても難しいシチュエーションの中、ピッチに立つ選手は何とかして状況を好転させようとひたむきにプレーした。53分に1人少なくなった後、これ以上の失点を防ぐのではなく、前への矢印を貫く。木村は右サイドからドリブルを仕掛け、相手がダブルチームを組んできても強引に突破を狙った。ルカオは相手CBと肉弾戦を繰り広げながら、持ち前のパワーでゴールに向かい続けた。数的不利後に柳とCBを組んだ鈴木喜丈は前に飛び出して縦パスをカットし、奪った勢いのまま前線に駆け上がるシーンも見せる。5失点目は背番号43が食いついた田口にフリックされて米倉に抜け出される形になったが、リスクを冒して1点を奪いに行っていたのだから、仕方がないものだったとも言える。

 千葉の強さを感じる内容かつ0-5というスコアはショッキングなものになった。今節に受けたダメージは決して小さくないが、厳しい状況でも活路を見出そうと試合終了まで力を振り絞ったように見えた。今節はプレーオフを争う他のライバルも足踏みをしており、6位に滑り込む可能性は潰えていない。残り5試合も下を向かずに戦っていきたい。

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