【レビュー】『ミスから前半だけで3失点。悔しさ残る今季初の敗戦』~第5節ファジアーノ岡山VSヴァンフォーレ甲府~

試合結果

2023 J2 第5節
3/19 14:03K.O. @シティライトスタジアム
岡山(2-3)甲府
3分 品田愛斗
26分 柳育崇
32分 井上詩音
45分 櫻川ソロモン
45+4分 品田愛斗

スタメン

マッチレポート

ミスが頻発した岡山が今季初黒星

失点に直結するミスが前半に頻発した岡山が甲府に敗れ、今季初の敗戦を喫した。

岡山が甲府に先制点を許したのは3分だった。GK山田大のパスを自陣PA手前で受けた輪笠が前を向こうとするところを品田に奪われてシュートを決められた。ビルドアップを開始しようとしたが、チームとして甲府のプレスの形を把握できず、輪笠とGK山田大の連係ミスによる失点だった。

その後も甲府が人を捕まえて強烈なプレスを仕掛けてくる中、岡山は自陣からパスをつないで攻める姿勢を貫く。輪笠がCBの間に、田中が河野の空けたスペースに下がって立ち位置を変化させ、ドリブルも織り交ぜながら徐々に敵陣への進入回数を増やしていく。すると、前節に続きセットプレーがさく裂する。26分に河野のFKを柳が頭で合わせた。質の高いセットプレーで試合を振り出しに戻すも、またしてもリードを許す。32分に三平の強烈なプレスを受けてビルドアップのミスからCKを与えると、品田のボールを井上に押し込まれた。

再び追い掛ける立場になった岡山は45分に仙波とステファン・ムークの連係で中央を崩し、縦パスを受けた櫻川が巧みなターンで相手2選手と入れ替わり、ネットを揺らした。Cスタは櫻川の得点に大きく盛り上がり、このまま逆襲の後半を迎えたかった。しかし、前半終了間際にもエラーが起きる。ロングボールに抜け出そうとする鳥海を柳が慌てて倒してゴール前でFKを与えると、これを品田に直接決められた。最終ラインが揃っていない準備不足が失点を招き、リードされて試合を折り返した。

後半は岡山がミスを取り返すべく攻勢を強めた。しかし、プレスのメリハリを付けながら中央を固める甲府の守備を崩せない。試合の2日前にU-20日本代表から戻ってきた坂本をはじめ、木山監督は75分までに5人の交代枠を全て使う。しかし、最後の質が上がり切らず、GK河田の好守にも阻まれて得点を奪えなかった。

岡山は前半のミスが大きく響く悔しい結果になった。しかし、今季は自陣からパスをつなぐことにチャレンジしている。今節に起きたミスを恐れてつなぐことをやめれば、成長はない。チームとして成熟するために生かしたい。甲府は前半にショートカウンターとセットプレーで狙い通りに得点を重ね、後半を完封して今季初の2連勝を飾った。

コラム

昨季よりも早く今季初得点を決めた柳。悔しさを糧にこれからも貪欲に

今季初得点を決めた柳は悔しい表情を滲ませてスタジアムを後にした。

26分、右サイドからのFK。河野がゴール前にボールを蹴り入れると、柳がファーサイドから飛び込んだ。勢いよく助走を付けて力強く叩きつけたヘディングシュートでネットを揺らした。

背番号5は今季も昨季に達成できなかった10得点を目標に掲げており、開幕から毎試合でことごとく相手に競り勝ってセットプレーからシュートを放っている。第1節の磐田戦ではCKを頭で合わせてチームの今季初得点をアシストした。

良い感触を得ていた中で第5節に目標への第一歩を踏み出した柳は、飛び跳ねながら拳を大きく突き上げて喜びを爆発させた。しかし、待望の今季初得点はチームを勝利に導くものにはならなかった。強烈な相手のプレスを受けたチームはビルドアップのミスからすぐにまたもやリードを許した。前半終了間際に櫻川の得点で再び追いついてみせたが、決勝点となったFKを与えたのは柳だった。高く上がった相手のクリアボールに対して、準備を整えることができず、落下地点も見誤って相手選手を倒してしまった。

チームを勝利に導けなかった悔しさが今季初得点のうれしさを上回る結果となった。

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