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【日記】『経験を生かすための準備』~今治対讃岐の試合取材にて~

確実に経験を積んでいる。FC今治対カマタマーレ讃岐の試合取材では、自分が積み重ねたものを感じることができた。

J3の試合取材は、初めてではなかった。前回は2021年の11月、Pikaraスタジアムでおこなわれた讃岐対テゲバジャーロ宮崎の試合。記者としての仕事は2回目で、初めて行くスタジアム、クラブ関係者の方に緊張しまくっていた。頭には常に「ちゃんとできるかな?」の文字が浮かんでいたと思う。その中で当時は監督と選手への取材がZOOMでおこなわれたため、他の記者やテレビ局の方と選手が質疑応答をしている様子を聞き、締め切り時間ギリギリにマッチレポートや文字に起こしたコメントを送ったことを覚えている。与えられた仕事をこなすという最低限のことに必死だった。

あれから1年半を経て、今治対讃岐の試合取材に行った。今年1月に完成した里山スタジアムに行くのは初めて。今まで足を踏み入れたことのないスタジアムで仕事をすることに緊張した。いつもシティライトスタジアムでお世話になっているファジアーノの広報の方も、記者の先輩方もいない。もちろん初めて会う人ばかりで、僕にとって完全アウェイだった。

しかし、1年半の間、何もしていなかったわけではない。2022年の6月からCスタでおこなわれるファジアーノのホーム戦に取材に行かせてもらい、記者としての仕事を経験してきた。最初はできないことだらけで、どのように仕事をおこなっているのかを見学するところからのスタートだったけど、いろんなことを教わりながら業務をこなせるようになった。

いざ里山スタジアムに到着しても緊張していたけど、今までやってきたことを思い出せたことで、不安な気持ちはなかった。ただ、“初めて”ということを強く意識し、慢心の気持ちを徹底に排除して臨んだ。

前日はスタジアムまでの道のりを何度も確認し、取材要綱を読み込み、両チームの状況やサッカーのスタイルなどをノートに書き殴る。両チームの試合を毎試合見れていたわけではなかったから、どういう選手が試合に出ているのか、誰が中心選手なのかなどを理解するべく、Jリーグ公式サイトやフットボールラボ、DAZNを何度も行ったり来たりした。RSKで放送されている『KICKOFF OKAYAMA KAGAWA』の過去の放送を見返し、讃岐の選手の特長やパーソナリティを把握に努めた。事前準備を入念におこなった。

スタジアムに到着すると、いの一番に今治の広報の方に挨拶をし、分からないことを徹底的に聞いた。会見室や記者席、ミックスゾーンの場所を確認し、試合終了後の取材の流れを教えてもらう。取材に来ている方とも名刺交換をし、讃岐の広報の方にも挨拶をした。スタジアムでも準備をして、キックオフに備えた。

結果、落ち着いてすべての業務に当たることができた。現場から試合内容や監督、選手のコメントを締め切りに余裕をもって送れた。Cスタでやってきたことを初めての里山スタジアムでも発揮できた。讃岐の選手取材に関しては広報の方が直前に指定した選手に話を聞く方式で、事前に質問をメモする時間はなかった。しかし、選手の特長を整理できていたから、普遍的な質問ではなくその選手だからこそ聞ける質問をすることができた。

無事に仕事を終えると、経験を積んでいることを強く実感した。今までやってきたことが自分の力になっている、と。

もちろん、速く正確に書く力、的確なことを質問する力など、まだまだ向上していかないといけない部分はあるし、もっともっと突き詰めることができる部分もある。ただ、経験してきたことを生かせたことが素直に嬉しかった。今回の仕事は、自分一人でも試合取材ができることを証明し、また次回以降も仕事を任せてもらえるかどうかという信頼につながる事案だった。だから、プレッシャーもかかっていたけど、担当した業務をミスをすることなく全うできてホッとした。

このように自分の経験について改めて考えることができたのは、初めて行くスタジアムなどいろんなことが普段とは違ったから。“慣れ”がない中で、どのような働きができるのか。それは自分が経験してきたものを使えるかどうかだと感じた。

そのうえで、自分の中の不安要素を取り除けたことが本当に大きかったと思う。「どうすればいいのか分からない」という状態になると、自分のパフォーマンスレベルは一気に低下するし、最悪の場合はパニックになって仕事どころではなくなってしまう。なので、今回はスムーズに仕事ができるように、取材の流れをはじめ分からないことを分かるまで聞いた。それが自分の心を落ち着かせた。“分からない”をなくすという準備はとても大切で、それが土台となって自分を支えてくれる。

これからも“備えあれば憂いなし”という言葉を胸に刻んで必要最低限の仕事をしながら、自分自身がもっと成長するために必要なことを考えて水戸戦の試合取材からやっていきたい。

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